頼まれごとを角を立てずに断るときの英語|『CHUCK』S05E02で学ぶ英会話

『CHUCK』コラム: 頼まれごとを角を立てずに断るときの英語|『CHUCK』S05E02で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『CHUCK』シーズン5 第2話から、頼まれごとを感謝とともに断る言い方を取り上げます。店の広告に出てほしいとビッグ・マイクに頼まれたデヴォンが、声をかけてもらったことへの感謝を先に伝え、そのあとで事情を説明する場面です。

相手の意向を探りながら依頼を切り出す言い方、感謝を添えた断り方、そして断る理由を逆手に取った食い下がり方まで、やり取りの順に見ていきます。

目次

「考えたことはある?」と意向を探りながら依頼を切り出す言い方

店でめまいを起こしたビッグ・マイクは、その場に居合わせたデヴォンに礼を言います。デヴォンも、居合わせてよかったと応じました。そのやり取りに続けて、ビッグ・マイクは思いがけない話を持ち出します。

Big Mike: So, listen, Devon, have you ever given any thought to doing something that involves less doctoring and more making a commercial for the Buy More?
(それでな、聞いてくれ、デヴォン。医者の仕事は減らして、そのぶんバイ・モアのCM作りを増やすようなことを、考えてみたことはあるかい?)

CHUCK Season5 Episode2 (Chuck Versus the Bearded Bandit)

have you ever given any thought to ~ing? は「〜について考えたことはある?」と尋ねる形です。いきなり「出てくれ」と頼むのではなく、相手がその可能性を考えたことがあるかを聞くことで、依頼の圧を和らげています。

中身の組み立ても見ておきましょう。less A and more B で「Aを減らしてBを増やす」という対比を作り、今の仕事と頼みたい仕事を一文の中に並べました。doctoring は「医者として働くこと」を指す、くだけた言い方です。

突然の話に聞き返すデヴォンに、ビッグ・マイクは理由を一言で示します。

Devon: What?
(え?)

Big Mike: The Buy More needs a fresh face.
(バイ・モアには新しい顔が必要なんだ。)

CHUCK Season5 Episode2 (Chuck Versus the Bearded Bandit)

a fresh face は、文字どおりの「新しい顔」から転じて、新鮮な印象を与える人物を指します。依頼の理由を長々と説明せず、短い一文で言い切っているのがこの台詞の持ち味でしょう。

感謝を先に置いて断り、その理由で問い返される場面

この依頼に、デヴォンは次のように答えます。

Devon: I appreciate you thinking about me, but I’m about to go on paternity leave to spend more time with my family.
(僕のことを考えてくれたのはありがたいんだけど、もうすぐ育休に入るんだ。家族と過ごす時間を増やすためにね。)

CHUCK Season5 Episode2 (Chuck Versus the Bearded Bandit)

I appreciate you thinking about me は、依頼の中身ではなく「自分のことを考えてくれた」という相手の気持ちに感謝する言い方です。you thinking の you が、声をかけてくれたビッグ・マイクその人を指します。断る前にまず相手の厚意を受け止めておくことで、続く but 以降の断りが角の立たないものになります。

but のあとには、具体的な事情が続きます。be about to ~ は「まもなく〜するところだ」という意味で、予定が目前に迫っていることを表します。paternity leave は、父親が取る育児休暇のことです。

デヴォンは続けて、学生時代の経験に触れながら、その手の仕事はとうにやめたと付け加えます。ビッグ・マイクは、自分が頼んでいるのはそういう話ではないと打ち消し、さらに言葉を重ねました。

Big Mike: Look around! This is your brother-in-law’s place of business, and it’s empty. But your creamy skin and unusually high cheekbones could change all that. And if you are taking time off to help your family, isn’t Chuck your family, too?
(周りを見てみろ! ここはお前の義理の弟の店なのに、がらがらだ。だが、お前のなめらかな肌と並外れて高い頬骨なら、それを全部変えられる。それに、家族を助けるために休みを取るんなら、チャックだってお前の家族だろう?)

CHUCK Season5 Episode2 (Chuck Versus the Bearded Bandit)

Look around! で目の前の状況に目を向けさせ、店が empty だという事実を突きつけるところから説得が始まります。決め手は最後の一文です。if you are taking time off to help your family と、デヴォンが挙げた断る理由をそのまま条件に取り込み、isn’t Chuck your family, too? と否定疑問で問い返します。too を添えることで、「チャックも家族に含まれるはずだ」という主張になっているわけです。

断る理由として出した言葉が、そのまま説得の材料に変わる流れが見どころでしょう。この場面でデヴォンの返事は描かれず、物語は別の場面へと移ります。

まとめ|感謝で断り、理由で食い下がる

意向を探る依頼の切り出し方から、相手の厚意に感謝してから事情を伝える断り方、そして断る理由を逆手に取った問い返しまでを見てきました。断る側と頼む側、両方の言葉の組み立てが学べるやり取りです。

次回も『CHUCK』の会話とともに、英語表現の型を見ていきましょう。

同じエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。

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