海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回のテーマは、『CHUCK』シーズン5 第11話に出てくる、信じてくれない相手に事情を明かして協力を頼む英語です。緊急事態のなかで、ケイシーは通信越しにレスターへ自分の正体を打ち明け、力を貸してほしいと訴えます。
頼る相手を決める短いやりとりから、打ち明けの重さを示す前置き、信じない相手への言い切りと見返りの提示まで、ケイシーの言葉の組み立てに注目して順に見ていきます。
頼る相手を決め、打ち明けの重さを前置きで示す
緊急事態のなかで、ケイシーは手立ての乏しさをこう口にします。
Casey: Jeff and Lester are my only option.
(頼れるのはジェフとレスターだけだ。)CHUCK Season5 Episode11 (Chuck Versus the Bullet Train)
my only option は「唯一の選択肢」で、ほかに打つ手がないことを認める言い方です。only を添えると、望んでいるかどうかとは別に、そうするしかない状況だという含みが加わります。これを聞いたチャックは、二人を推す側に回ります。
Chuck: Look, I know this sounds crazy, but I’ve worked with those guys for years.
(ねえ、無茶に聞こえるのはわかってる。でも、あの二人とは何年も一緒に働いてきたんだ。)CHUCK Season5 Episode11 (Chuck Versus the Bullet Train)
I know this sounds crazy, but 〜 は、意外な提案をする前に相手の驚きを先取りしておく前置きです。続く I’ve worked with 〜 for years は現在完了で「何年も一緒に働いてきた」と、推す根拠を積み重ねた時間に置いています。チャックはこの言葉の締めくくりにも、短く太鼓判を押します。
Chuck: They can do it.
(あの二人ならやれるよ。)CHUCK Season5 Episode11 (Chuck Versus the Bullet Train)
They can do it. は、相手の不安に対して能力を請け合う短い一言です。前置きと根拠のあとにこの一文を置くことで、推す理由がひとまとまりに締まります。
そしてケイシーは、通信の向こうのレスターに向けて切り出します。
Casey: Lester, now I’m gonna tell you something I never dreamed I’d tell you, never dreamed I’d have to tell you, but the situation is extreme. This is Colonel John Casey of the National Security Agency.
(レスター、今からお前に、言うことになるとは夢にも思わなかったことを言う。言わなきゃならなくなるとは夢にも思わなかったことだ。だが、事態は切迫している。こちらは国家安全保障局のジョン・ケイシー大佐だ。)CHUCK Season5 Episode11 (Chuck Versus the Bullet Train)
I’m gonna tell you something は「これから大事なことを言う」と身構えさせる前置きです。そこに I never dreamed I’d 〜(〜するとは夢にも思わなかった)を重ね、さらに I’d have to tell you と言い直して、「言いたいのではなく、言わざるを得ない」という含みに強めています。but the situation is extreme で理由を添えてから、This is 〜. という電話や通信で名乗るときの定型で正式な肩書きを告げる流れです。
信じない相手に言い切り、訴えを広げて見返りを示す
これに対して、レスターはこう返します。
Lester: That is so funny. There’s a John Casey who works at the Buy More.
(それは面白いね。バイ・モアにもジョン・ケイシーって人が働いてるよ。)CHUCK Season5 Episode11 (Chuck Versus the Bullet Train)
That is so funny. は話を本気にせず、冗談として受け流す返しです。a John Casey のように人名に不定冠詞 a をつけると、「ジョン・ケイシーという名前の人」と、同名の誰かを指す言い方になります。
ケイシーはそれが自分だと言い返したうえで、事実を短く並べます。
Casey: I’m NSA. Sarah Walker, Chuck Bartowski, they’re CIA.
(俺はNSAだ。サラ・ウォーカーもチャック・バトウスキーも、CIAだ。)CHUCK Season5 Episode11 (Chuck Versus the Bullet Train)
I’m NSA. のように組織名を補語に置くと、「NSAの人間だ」と所属を一語で言い切れます。NSA も CIA も頭文字を一字ずつ読む略語で、ここでは冠詞をつけずに使われています。名前を先に並べて they’re 〜 でまとめる形も、説明を省いて事実だけを突きつける言い方です。
レスターがなおも否定すると、ケイシーはそれを打ち消してから訴えを重ねます。
Casey: I need you, my daughter needs you, and your country needs you.
(俺にはお前が必要だ。娘にもお前が必要だし、お前の国もお前を必要としている。)CHUCK Season5 Episode11 (Chuck Versus the Bullet Train)
主語を I、my daughter、your country と広げながら、need(s) you を三度繰り返しています。頼みの重みが節を追うごとに大きくなっていく組み立てです。レスターの短い返しを挟んで、ケイシーは条件と見返りを示します。
Casey: Patel, listen up. You do what I tell you, I’ll make you a hero.
(パテル、よく聞け。言うとおりにすれば、お前をヒーローにしてやる。)Lester: It’s the call.
(お呼びがかかったってわけだ。)CHUCK Season5 Episode11 (Chuck Versus the Bullet Train)
listen up は「よく聞け」と注意を集める口語です。You do 〜, I’ll … は if を使わずに「〜すれば…してやる」と条件を示す話し言葉の形です。the call には「呼び出し」のほかに「使命への呼びかけ」という意味もあり、レスターの It’s the call. は、自分に役目が回ってきたと受け止める一言として読めます。
まとめ|前置きで重さを示してから頼む英語
my only option で頼る相手を決め、I never dreamed I’d tell you の前置きで打ち明けの重さを示し、I need you の繰り返しと You do 〜, I’ll … の条件で協力を引き出す流れを見てきました。
次回も『CHUCK』の会話とともに、英語表現の型を見ていきましょう。
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