海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
やったことのない作業や答えの分からない問題を前に、「うまくいくか分からないけど、とりあえずやってみるか」と手を挙げた経験はありませんか。
そんなときにぴったりの「take a stab at」を、スパイコメディ『CHUCK』シーズン5第11話の中盤、走行中の新幹線から脱出しようと貨物ドアのロック解除に挑むシーンから、一緒に見ていきましょう。
「take a stab at」の意味とニュアンス
take a stab at
意味:試しにやってみる、ダメ元で挑戦してみる
stab は「(刃物で)ひと突きする」という動詞・名詞です。的がはっきり見えないまま「とりあえず一撃を入れてみる」というイメージから、「確実ではないが、ひとまず試してみる」という意味に広がりました。try よりも口語的で、「うまくいくか分からないけれど、とにかくやってみる」という軽い挑戦の含みが強いのが特徴です。同じ発想の a stab in the dark(当てずっぽう)とも通じ、答えの分からない問題に推測で答える、という使い方もします。take a stab at + 名詞/動名詞の形で、挑戦する対象を後ろに置きます。気負わず、控えめに挑戦を申し出るときの、こなれた言い回しです。
【ここがポイント!】
- 「stab(ひと突き)」から生まれた、「とりあえず試してみる」という挑戦の一言
- try より口語的で、「うまくいくか分からないけど」という控えめな含みが出る
- 挑戦する対象を take a stab at のあとに置く(take a stab at it)のがコツ
『CHUCK』S05E11のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
走行中の新幹線から脱出するため、ケイシーが貨物ドアのロック解除を試みますが、うまくいきません。腕力や戦闘ではケイシーに一歩譲るチャックが、得意の技術分野で「自分にやらせてくれ」と静かに名乗りを上げます。技術オタクのチャックらしい、控えめな見せ場です。
Casey: We’re out of luck on the door. It won’t let me override. We’re going too fast.
(ドアはお手上げだ。オーバーライドを受け付けない。速すぎるんだ)Chuck: Let me take a stab at it.
(僕がちょっとやってみるよ)Chuck Season5 Episode11 (Chuck Versus the Bullet Train)
シーン解説と心理考察
戦闘のプロであるケイシーが手を焼いた難題に、チャックが気負わず手を挙げるやり取りが表れています。take a stab at は「うまくいく確証はないが、とにかく試してみる」という控えめな申し出のニュアンスで、Let me take a stab at it という一言が、力ずくではなく技術で貢献しようとするチャックの立ち位置をよく映しています。派手な自己主張ではなく「ちょっとやってみる」と軽く言うところに、技術オタクとしての静かな自信がにじむのが見どころです。緊迫した脱出劇の中で、チームそれぞれが得意分野を持ち寄る、シリーズらしいバランスの取れた場面と言えます。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
take a stab at は、暗闇の中で的がどこにあるか分からないまま、とりあえずナイフを「ひと突き(stab)」してみる——その光景を思い浮かべると覚えやすい表現です。当たるかどうかは分からないが、ともかく一撃を入れてみる。この「当てずっぽうの一突き」が、そのまま「ダメ元で試してみる」の意味になります。ケイシーが手こずったドアに、チャックが「ちょっとやってみる」と軽く挑む場面に、暗闇へのひと突きを重ねれば、気負わず挑戦する軽やかな手触りが記憶に残ります。
例文で覚える「take a stab at」
take a stab at は、未経験の作業や答えの分からない問題に、気軽に挑戦するときに使えます。場面を変えた3つの例文で、その使い勝手を確かめてみましょう。
I’ve never fixed a bike before, but I’ll take a stab at it.
(自転車を直したことはないけど、ダメ元でやってみるよ。)
未経験の作業に挑む場面です。「経験はないけれど、とにかく試してみる」という、このフレーズの最も典型的な使い方です。
Would you like to take a stab at the presentation this time?
(今回はプレゼンに挑戦してみない?)
同僚に新しい役割を勧める場面です。相手に「軽く挑戦してみない?」と、気負わせずに促す言い方になります。
A: Nobody knows the answer to this one.
B: I’ll take a stab at it—maybe it’s the third option?
(A:これ、誰も答えが分からないんだ。)
(B:当てずっぽうで答えてみるよ。3番目じゃないかな?)
答えの分からない問いに推測で挑む会話です。「確証はないけど当ててみる」という、a stab in the dark に近いニュアンスが出ます。
あわせて覚えたい関連表現
give it a shot
(試しにやってみる)
ほぼ同義で、最も口語的かつ汎用的な言い換えです。take a stab at は「刺す」という比喩のぶん、当てずっぽう・手探りの感覚がやや強く出ます。
take a crack at
(挑戦してみる、一発やってみる)
crack(割る一撃)に由来し、take a stab at と並ぶ定番の言い換えです。どちらも「一撃を入れてみる」発想で、ほぼ同じ場面で使えます。
have a go at
(やってみる、挑戦する)
主にイギリス英語の口語です。take a stab at はアメリカ英語で自然に使われる、という地域の違いがあります。
Note|take a stab at / take a crack at / give it a shot の使い分け
「試しにやってみる」と言いたいとき、英語にはよく似た言い回しがいくつもあります。take a stab at もそのひとつですが、並べてみると、それぞれが借りている「一撃」の種類が少しずつ違うことが見えてきます。
take a stab at の stab は「(刃物で)ひと突きする」動作です。的が見えないまま一撃を入れる、という手探り感が核にあり、a stab in the dark(当てずっぽう)と同じ系列の発想です。一方 take a crack at の crack は「割る・ひびを入れる一撃」で、硬い問題に一発かましてみる、という威勢のよさが感じられます。give it a shot / give it a try の shot はもともと「発砲・一発」を指し、狙って撃ってみる、という軽快さがあります。同じ「試してみる」でも、刺すのか、割るのか、撃つのか——由来する一撃のイメージによって、手探り感・力強さ・軽さといった微妙な手触りが変わってくるわけです。とはいえ実際の会話では、この三つはほとんど言い換え可能で、give it a shot が最も広く使われます。
チャックのセリフに戻ると、Let me take a stab at it は「暗闇に一突きするように、ともかくやってみる」という控えめな挑戦でした。give it a shot でも通じますが、take a stab at を選ぶことで、手探りで挑む静かな覚悟が自然ににじんでいます。
同じ挑戦でも、借りる一撃で色が変わりますね。
まとめ|チャックの申し出から学ぶ「試しにやってみる」の一言
take a stab at は、刃物で「ひと突き(stab)」する動作から、的が見えないまま「とりあえず試してみる」ことを表す口語表現でした。try より砕けていて、「うまくいくか分からないけれど、とにかくやってみる」という控えめな挑戦の含みを持ちます。
未経験の作業、答えの分からない問い、気の進まない役割——そうしたものに気負わず手を挙げたいとき、この一言があると、力まず挑戦する軽やかさを添えられます。
ケイシーの難題に静かに名乗りを上げたチャックのこの表現を、あなたの会話のレパートリーに加えてみてください。
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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)


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