海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン7エピソード2では、ブレナンがブースに知らせないまま超音波検査を受けてきたことから、2人の間に小さな行き違いが生まれます。そこから「相手の立場になってみる」という試みが始まり、靴(shoes)と目(eyes)を使った言い回しが何度も出てきます。今回は、この2つの言い方の違いを作中のやり取りから読み解きます。
日本語でも「相手の身になる」と「相手の目線で見る」を言い分けるように、英語にも立場と見方を分ける感覚があります。
「in someone’s shoes」は、相手の立場に身を置く言い方
相談なしに予定を決めたことをめぐる会話で、こんな提案が出てきます。
— I thought I was making things easier for you.
(楽にしてあげているつもりだった。)— No, I don’t want things easy.
(いや、楽なのは望んでいない。)— You know what, I think that you should walk in my shoes for a while.
(そうだ、しばらく私の靴を履いて歩いてみるといい。)BONES Season7 Episode2 (The Hot Dog in the Competition)
walk in someone’s shoes は、直訳すると「誰かの靴を履いて歩く」です。その人が置かれている境遇に、しばらく自分を置いてみるという意味です。walk a mile in someone’s shoes という形も、「相手の身になってみないと苦労は分からない」という戒めとしてよく使われるとされています。
その後、車の中では、相手のいつもの運転をまねてみせたことに気づいて、こんなひと言が出ます。
— Oh, I get it.
(ああ、そういうことか。)— You’re still walking in my shoes.
(まだ私の靴を履いて歩いているのか。)BONES Season7 Episode2 (The Hot Dog in the Competition)
進行形にすると「相手の立場になりきっている最中」という意味合いになります。事件が片づいたあとには、試みの結果がこう語られます。
— I think this experiment has been successful.
(この実験は成功だったと思う。)— I find that I can now put myself in your shoes and feel empathy.
(あなたの立場に自分を置いて、共感できるようになったと分かった。)BONES Season7 Episode2 (The Hot Dog in the Competition)
put oneself in someone’s shoes も「相手の立場に立って考える」という意味の定番表現です。walk は「しばらく体験してみる」、put oneself は「想像の中で身を置く」と、動詞で焦点が少し変わるのが分かります。
「through someone’s eyes」は、相手の見方を借りる言い方
捜査で訪れた大会の会場では、疲れているだろうから来なくてもよかったと気遣われて、こう返されます。
— No, I am determined to see the world through your eyes.
(いや、あなたの目を通して世界を見ると決めたから。)— Oh, right, and being around all this food while you’re pregnant, that doesn’t hurt.
(なるほどね。それに、妊娠中にこれだけの食べ物に囲まれていられるのも悪くないしね。)— You just saw the world through my eyes, didn’t you?
(今、私の目で世界を見たでしょう?)— It’s not hard.
(難しくはない。)BONES Season7 Episode2 (The Hot Dog in the Competition)
see the world through someone’s eyes は「誰かの目を通して世界を見る」で、その人のものの見方や感じ方を借りるという意味です。2つ目の発言の that doesn’t hurt は「それも好都合だ」で、本当の目当ては食べ物ではないかとからかう言い方です。そのからかいを「今、私の目で世界を見たでしょう」と受けているのが面白いところです。
| 言い方 | 意味の焦点 |
|---|---|
| walk in someone’s shoes | 相手の境遇をしばらく体験する |
| put oneself in someone’s shoes | 相手の立場に立って考える |
| see the world through someone’s eyes | 相手のものの見方で物事を見る |
「position」と「where you’re coming from」
話の序盤、超音波検査の知らせをめぐる別の場面では、知らせを聞いたときにブースがその場にいなかったと指摘されて、こんなやり取りになります。
— I didn’t see the importance of it.
(それが大事だとは思わなかった。)— Put yourself in his position.
(彼の立場になって考えてみて。)— Would you like to hear secondhand?
(人づてに聞かされたい?)BONES Season7 Episode2 (The Hot Dog in the Competition)
put yourself in someone’s position は shoes の代わりに position(立場)をそのまま使った形で、比喩がない分、少し説明的な響きになります。hear secondhand は「人づてに聞く」です。
大会のあと、捜査の見立てを聞いて返される一言も、相手の側に立つ言い方です。
— I can see where you’re coming from.
(そう考える理由は分かる。)BONES Season7 Episode2 (The Hot Dog in the Competition)
see where someone is coming from は、相手の考えがどこから来ているのかが分かる、つまり言い分の背景に理解を示す言い方です。賛成とは限らず、but と続けて自分の意見を述べる前置きにも使えます。
まとめ|靴で立場を、目で見方を借りる
今回は『BONES』シーズン7エピソード2から、立場に身を置く shoes の言い方、見方を借りる eyes の言い方、そして position や where you’re coming from を使った似た言い方を読み解きました。靴は立場、目は見方と覚えておくと、場面に合わせて言い分けやすくなります。
相手の立場に立ってみるこの回のやり取りを観返すと、それぞれの言葉の距離感の違いが見えてきます。
同じエピソードの他のコラムでは、人前で大事な知らせを切り出されたときの英語や、大食い大会の文化も扱っています。


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