海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン7エピソード11には、ブースとスイーツが短く言い合う場面があります。そこで続けて出てくるのが、irritated と irritating という形のよく似た2つの言葉です。今回は、この2語の違いを手がかりに、-ed と -ing で終わる「気持ちの形容詞」の使い分けを読み解きます。
どちらも「イライラ」に関わる言葉ですが、向きを取り違えると意味が入れ替わってしまうのが、この組み合わせの面白いところです。
「You seem irritated.」の irritated は「イライラしている」
ブレナンの父マックスが子守を手伝い始め、それがうまくいっているかが話題になります。新しい状況の最初はたいていの人が張り切るものだから期待はほどほどに、と釘を刺す言葉が返ると、ブースはこう押し返します。
Booth: Sweets, this is working, okay? It’s working great, okay?
(スイーツ、うまくいってるんだよ、いいか? すごくうまくいってるんだ、な?)BONES Season7 Episode11 (The Family in the Feud)
うまくいっている理由がさらに並べられたあと、スイーツはひと言でこう指摘します。
Sweets: You seem irritated.
(イライラしているようですね。)BONES Season7 Episode11 (The Family in the Feud)
irritate は「イライラさせる」という動詞で、過去分詞の irritated は「イライラさせられた状態」、つまり「イライラしている」「むっとしている」を表します。主語は、その気持ちを抱いている人です。seem を添えた You seem irritated. は、相手の様子から気持ちを推し量る言い方で、「イライラしているね」と言い切るより少し距離を置いた指摘になります。You look tired. や You seem upset. も同じ形です。なお、irritated skin(かぶれた肌)のように、体の一部が刺激で赤くなる状態にも使われます。
「you’re irritating me」の irritating は「イライラさせる」
指摘を受けたブースの返事は、同じ動詞の別の形です。
Booth: Well, you’re irritating me, okay? They didn’t teach you, you know, how not to be irritating at shrink camp?
(お前にイライラさせられてるんだよ、いいか? 人をイライラさせない方法ってのは、心理学の合宿で教わらなかったのか?)— It was a university.
(あれは大学ですよ。)BONES Season7 Episode11 (The Family in the Feud)
irritating は「イライラさせる」で、主語は気持ちの原因になる人や物です。you’re irritating me は「お前のせいでイライラする」と、原因が目の前の相手にあると返す言い方になります。how not to be irritating は「人をイライラさせない方法」で、こちらは人の性質やふるまいを表す使い方です。
直前の You seem irritated. と並べると、イライラを感じているのはブース、その原因として名指しされているのはスイーツ、という向きの違いがよく分かります。
shrink は心の専門家をくだけて呼ぶ言い方で、ここでは「心理学の合宿」と茶化すからかいの言葉として使われています。すかさず大学だと訂正が入るところに、この場面の軽いテンポが出ています。
bored と boring も同じ仕組み
-ed と -ing で終わる形容詞は、多くが同じ考え方で使い分けられます。
| -ed(気持ちを抱く側) | -ing(気持ちを起こさせる側) |
|---|---|
| irritated(イライラしている) | irritating(イライラさせる) |
| annoyed(うんざりしている) | annoying(うっとうしい) |
| bored(退屈している) | boring(退屈な) |
| tired(疲れている) | tiring(疲れる・骨の折れる) |
| confused(混乱している) | confusing(分かりにくい) |
学習者が取り違えやすいのが、I’m bored.(退屈している)と I’m boring.(私はつまらない人間だ)です。会議や映画について言うなら The meeting was boring.、自分の気持ちを言うなら I was bored. となります。迷ったときは、主語が「感じる人」なら -ed、「感じさせる原因」なら -ing と考えると選びやすくなります。
また、人に向かって You’re irritating. と言うと、性格そのものを責める強い響きになります。作中は気心の知れた相手との軽口ですが、角を立てたくない場面では I’m a little irritated right now. のように、自分の気持ちとして伝えるほうが穏やかです。
まとめ|気持ちを抱く -ed、起こさせる -ing
今回は『BONES』シーズン7エピソード11から、You seem irritated. と you’re irritating me のやり取りを手がかりに、気持ちを抱く側の irritated と、その気持ちを起こさせる側の irritating の違いを読み解きました。bored と boring などのペアも同じ考え方で整理でき、自分の気持ちを言うのか、相手や物事の印象を言うのかで形を選べるようになります。
次回も『BONES』と一緒に、気持ちを表す英語を学んでいきましょう。
同じエピソードの他のコラムでは、赤ちゃんを囲む家族の言葉や、トリュフをめぐる話題も扱っています。


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