「If not me, who?」何でも引き受けてしまう人と、その人を支える英語|『モダンファミリー』S09E09で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「If not me, who?」何でも引き受けてしまう人と、その人を支える英語|『モダンファミリー』S09E09で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン9第9話では、フィルが不動産の仕事で独立を決め、自信をつけるためにキャンプへ出かけます。一方のクレアは、仕事で次々に持ち込まれる問題に追われ、配送のトラブルまで自分で引き受けることになります。

職場でも家庭でも、気づけば何でも引き受けている人がいるものです。この回には、そんな人の口ぐせと、そばにいる人がかける言葉の両方がそろっています。

目次

「send」と「hit」で段取りを組み直す

クレアの仕事の場面には、トラックの配送の割り振りをめぐるやりとりがあります。誰をどこへ向かわせるかがうまく決まらず、クレアはマーガレットと案を出し合います。

Claire: Well, send Dustin to Visalia and have Irving hit Julian and Ramona.
(じゃあ、ダスティンをバイセイリアに行かせて、アーヴィングにジュリアンとラモナを回ってもらって。)

Margaret: Dustin can’t hit Visalia and also Irvine.
(ダスティンはバイセイリアとアーバインの両方は回れません。)

Claire: Well, can Julia hit Irvine?
(じゃあ、ジュリアならアーバインを回れる?)

Margaret: Not Irvine and Tustin.
(アーバインとタスティンの両方は無理です。)

Modern Family Season9 Episode9 (Tough Love)

send A to B は「AをBへ行かせる」という基本の形で、人を現場や支店に向かわせる指示によく合います。have + 人 + 動詞の原形 は「人に〜してもらう」という使役の形で、仕事の割り振りを伝えるときにも使いやすい形です。

注目したいのは hit の使い方です。ここでの hit は「たたく」ではなく、「(場所に)立ち寄る、回る」という口語の意味です。Let’s hit the grocery store on the way home.(帰りにスーパーに寄ろう。)のように、日常会話でも気軽に使われます。配送の行き先を次々に hit で言い換えていくやりとりから、地名が入り組むほど段取りが崩れていく様子が伝わってきます。

Not A and B. というマーガレットの短い返しも、「AとBの両方は無理」と条件の組み合わせを否定する言い方です。主語や動詞を省いても、直前の質問を受けて意味が通じます。

「If not me, who?」は頼られる人の口ぐせ

割り振りがかみ合わないやりとりの末に、クレアは自分でトラックを運転すると言い出します。「You?」と聞き返すマーガレットに、クレアはこう答えます。

Margaret: You?
(あなたが?)

Claire: Yes, of course me, Margaret! ‘Cause I have to handle everything anyhow!
(そうよ、私に決まってるでしょ、マーガレット! どうせ全部私がやらなきゃいけないんだから!)

Claire: If not me, who?
(私じゃなきゃ、誰がやるのよ?)

Modern Family Season9 Episode9 (Tough Love)

If not me, who? は「私でなければ誰が?」という反語で、「結局やるのは自分しかいない」という意味になります。疑問の形をとっていますが、答えを求めているわけではありません。

前の文の I have to handle everything anyhow! と並ぶことで、クレアの言葉には苛立ちがにじみます。handle は「(問題や仕事を)引き受けて処理する」、文末の anyhow は「どうせ、いずれにしても」です。of course me も「私に決まってるでしょ」と、聞き返されたこと自体に反発する響きを持っています。

同じ反語は、意欲を示すときにも使えます。If not now, when?(今やらなければ、いつやるの?)は、先延ばしをやめて動き出すときに引き合いに出されることがあります。クレアの場合は前向きな決意というより、全部を抱え込んでしまう人のぼやきとして読み取れます。

「don’t you dare not ~」と「don’t be so good at it」

後の場面で、クレアはフィルに向かって、電話の声が元気なさそうだったこと、ホテルに電話して早めにチェックインしたと聞いたことを伝えます。そのうえで、こう続けます。

Claire: You didn’t sound so good on the phone.
(電話の声、あんまり元気じゃなかったから。)

Claire: I called the hotel, and they said you checked in early.
(ホテルに電話したら、早めにチェックインしたって言われたの。)

Claire: Honey, I know I like to complain about people coming to me to solve their problems, but don’t you dare not come to me with yours.
(ねえ、みんなが問題を解決してもらいに私のところに来るって、よく愚痴ってるのは分かってる。でも、あなたの問題を私に持ってこないなんて許さないから。)

Phil: By the way, if you don’t want people to come to you to solve their problems all the time, maybe don’t be so good at it.
(ところでさ、みんなにしょっちゅう問題を持ち込まれたくないなら、そんなに解決上手じゃなきゃいいんじゃない?)

Modern Family Season9 Episode9 (Tough Love)

come to someone with ~ は「〜を持って人のところに来る」、つまり相談を持ち込むことです。people coming to me to solve their problems の to solve は目的を表す不定詞で、「問題を解決してもらうために私のところへ来る人たち」と、頼ってくる側の動機まで含めて言い表しています。

Don’t you dare ~ は「〜なんてしたら許さない」と強く禁じる言い方で、そこに not を重ねた don’t you dare not ~ は「〜しないなんて許さない」という意味になります。二重否定で、頼ってほしいという気持ちを強く押し出す形です。

フィルの返しは、文句への答えの形をとりながら、実際にはクレアの解決力をほめています。maybe don’t be so good at it は「そんなに上手じゃなければいいのに」という軽い言い方で、頼られるのは腕があるからだと伝えています。愚痴を言う人に、その愚痴を裏返して返す形になっています。

まとめ|頼られる人の英語、支える人の英語

I have to handle everything と If not me, who? は全部を引き受ける人の口ぐせ、don’t you dare not come to me with yours と maybe don’t be so good at it は支える側の言葉です。頼る・頼られる関係が見えてきます。

『モダンファミリー』の夫婦の会話から、こうした言い回しを拾っていきましょう。

同じ回のほかのコラムでは、生徒に向き合う教頭代理の言葉や、子どもの選択をめぐる親同士の会話も取り上げています。

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