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『モダンファミリー』シーズン9第5話では、ハロウィンの時期にかぼちゃの話題があちこちで顔を出します。キャメロンは故郷の祭りのかぼちゃの計量会を気にかけ、フィルは巨大なかぼちゃを舟にする案を持ち出します。
アメリカの秋には、育てたかぼちゃの大きさを競う催しがあることをご存じでしょうか。劇中の会話を手がかりに、巨大かぼちゃをめぐる秋祭りの文化と、そこで使われる英語を見ていきます。
故郷のハロウィン祭りと「pumpkin weigh-in」
ミッチェルとキャメロンは、自宅の台所の改装のあいだジェイの家に身を寄せています。その台所で、コンロを全部使うのかと問われたキャメロンは、こう答えます。
Cameron: Well, it is called Five Burner Meat Pie, and it’s the traditional dish back at the Halloween festival, so it kinda makes me feel like I’m there.
(だって、ファイブ・バーナー・ミートパイって名前だからね。故郷のハロウィン祭りの伝統料理なんだ。作ってると、なんだかその場にいる気分になれるんだよ。)
Modern Family Season9 Episode5 (It’s the Great Pumpkin, Phil Dunphy)
キャメロンの故郷はミズーリで、その町のハロウィン祭りへの思い入れが台詞からうかがえます。別の場面では、その祭りの様子を見ようとしてこう話します。
Cameron: I’m trying to get Wi-Fi so I can watch the pumpkin weigh-in at the Halloween festival back home.
(故郷のハロウィン祭りのかぼちゃの計量会を見たくて、Wi-Fiをつなごうとしてるんだ。)
Cameron: You know, 25 years ago, I raised the largest Wichita Thumper, and the record still stands.
(実はね、25年前に僕が育てたウィチタ・サンパーが一番大きくて、その記録は今も破られてないんだ。)
Cameron: I am so sorry.
(ほんとにごめん。)
Cameron: There’s no way to say that that doesn’t sound braggy.
(どう言っても自慢に聞こえちゃうよね。)
Gloria: No, no, you just did fine.
(いいのよ、今のは全然大丈夫だったわ。)
Modern Family Season9 Episode5 (It’s the Great Pumpkin, Phil Dunphy)
weigh-in は「重さを量ること、計量」を指す名詞で、ボクシングの試合前の計量にも同じ語を用います。アメリカやカナダの一部の地域では、秋の祭りや農産物の品評会で、育てたかぼちゃの重さを競う催しが開かれることが多いと言われます。こうした大会は weigh-off と呼ばれることもあります。
back home は「故郷では」という意味で、離れて暮らす人が地元を語るときの決まった言い方です。the record still stands は「記録が今も破られていない」で、stand には「(記録や決定が)有効なまま残る」という意味があります。自慢話を謝るキャメロンの braggy は「自慢げな」という口語の形容詞です。
「as with every pumpkin, there’s a story」
キャメロンの話はそこで終わらず、かぼちゃを育てた思い出へと続きます。
Cameron: You know, as with every pumpkin, there’s a story.
(どのかぼちゃにも、物語があるものでね。)
Cameron: It was a cold, bitter night, when tap-tap-tap on the window.
(凍えるような寒い夜だった。窓をトン、トン、トンとたたく音がしてね。)
Cameron: Darn if it wasn’t the vine of my pumpkin, just out there trembling away.
(なんと、僕のかぼちゃのつるが外で震えてたんだ。)
Gloria: That is a great story.
(すてきなお話ね。)
Cameron: Next thing I know, Daddy’s pulling the pumpkin through the window, careful, of course, not to break the vine.
(気づいたら、父さんがかぼちゃを窓から中に引き入れてた。もちろん、つるを折らないよう気をつけながらね。)
Modern Family Season9 Episode5 (It’s the Great Pumpkin, Phil Dunphy)
as with every ~ は「どの〜もそうであるように」と、一般論を前置きにして話を始める形です。vine はかぼちゃやぶどうなどの「つる」を指し、tap-tap-tap は窓をたたく音をそのまま写した擬音です。Next thing I know, ~ は「気づいたら〜していた」と、話が急に進んだことを示す口語の前置きで、思い出話や失敗談の語りに向いています。
Darn if it wasn’t ~ は「なんとそれは〜だった」と驚きを込めた古風な口語で、思い出話を盛り上げる語り口です。グロリアの That is a great story. は、相手の話に好意的な相づちを返す短いひと言です。
巨大かぼちゃは、つるや実を傷めないように時間をかけて世話をする必要があるとされています。寒い夜につるが窓をたたき、父親がかぼちゃを家の中へ引き入れたという話は、家族ぐるみで1つのかぼちゃを守ったキャメロンの思い出として語られます。キャメロンの話からは、育てる過程そのものが大切な思い出になっていることが伝わってきます。
「pumpkin-boat racing」と秋の行事の続け方
一方、ダンフィー家では、フィルが巨大なかぼちゃを使った別の遊びを提案します。
Phil: How about pumpkin-boat racing? Cam used to do it in Missouri.
(かぼちゃボートのレースはどう? キャムがミズーリでやってたんだ。)
Phil: Take a giant pumpkin, cut the top off, gut it, hop in, sail away.
(巨大かぼちゃを用意して、てっぺんを切り落として、中身をくり抜いて、乗り込んで、出航だ。)
Phil: Let’s do it.
(やろうぜ。)
Modern Family Season9 Episode5 (It’s the Great Pumpkin, Phil Dunphy)
フィルの説明は、そのまま作り方の手順として読めます。cut the top off は「上部を切り落とす」、gut は魚などの「はらわたを抜く」が元の意味で、ここではかぼちゃの中身をくり抜くことを指します。巨大かぼちゃをくり抜いて舟にし、水の上で漕ぎ比べる催しは、北米の一部の地域で秋の行事として行われていると言われます。地域によって規模や形式はさまざまで、どこでも見られるものではありません。
hop in は「(車や舟に)ひょいと乗り込む」、sail away は「船出する」で、どちらも軽い調子で誘う言い方に合います。
物語の終盤、フィルは家族の行事について、こう語ります。
Phil: As families get older, you have two options you can force everyone together, or you can accept that traditions die and people move on.
(家族が年を重ねると、選択肢は2つ。みんなを無理にでも集めるか、伝統は消えて、人はそれぞれ先へ進むと受け入れるか。)
Phil: Unless you happen to have a giant pumpkin.
(ただし、たまたま巨大かぼちゃを持っているなら話は別だ。)
Modern Family Season9 Episode5 (It’s the Great Pumpkin, Phil Dunphy)
force everyone together は「みんなを無理にでも一緒にさせる」で、force を使うと本人たちの気持ちより集まる形を優先する響きが出ます。move on は「次へ進む、気持ちを切り替える」という句動詞で、子どもが成長して家族の行事から離れていく様子を表すのにも使われます。巨大かぼちゃが、家族を集める口実として語られている点が印象的です。
まとめ|巨大かぼちゃで知る秋祭りの英語
pumpkin weigh-in や the record still stands、back home、pumpkin-boat racing など、巨大かぼちゃをめぐる秋祭りの文化に結びついた英語を見てきました。地元の催しへの思いが、言葉の端々から読み取れます。
かぼちゃが主役になるハロウィンの一話を、文化の背景と合わせて楽しんでみるのもひとつの見方です。
同じ回のほかのコラムでは、ハロウィンをやめるかどうかをめぐる夫婦の会話や、父にクビを告げる英語も取り上げています。


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