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『モダンファミリー』シーズン9第15話で、クレアは雑誌の「ウーマン・イン・ビジネス」特集の候補に挙がっていると知ります。ところが編集長と顔を合わせたあと、その候補から外されたと受け止めます。
選ばれる・外れる、実力を見てほしい、相手の流儀に合わせるべきか。評価の基準に納得がいかないときの言い方が、クレアと父ジェイの会話や、その後のパーティーでのやりとりに詰まっています。
「short list」に入る、リストから外れる
ミッチェルとキャメロンのパーティーで、クレアは雑誌の編集長サムにこう話しかけます。
Claire: It’s funny because your office called my business last week.
(おかしなことに、先週あなたのところの編集部からうちの会社に電話があったのよ。)Claire: Apparently, I’m on some short list for the Women in Business issue.
(どうやら私、ウーマン・イン・ビジネス特集の候補リストに入ってるらしいの。)Sam: Closets, right?
(クローゼットの会社だったね?)Claire: Yeah.
(ええ。)Modern Family Season9 Episode15 (Spanks for the Memories)
short list は、たくさんの候補から絞り込んだ「最終候補の一覧」です。be on the short list for ~ で「〜の最終候補に残っている」となり、賞や採用、選考の場面でよく見かけます。動詞で be shortlisted for ~ とも言えます。クレアは some を付けて「何かのリスト」とさりげなく言いながら、自分が選ばれていることをしっかり伝えています。
その後、クレアは父ジェイにこう打ち明けます。
Claire: I ran into the editor of that magazine over at Cam and Mitch’s today, and you know what? He looks me up and down.
(今日キャムとミッチのところであの雑誌の編集長に会ったんだけど、聞いてよ。あの人、私のことを上から下までじろじろ見たの。)Claire: Suddenly, I am off their women-in-business list.
(そしたら急に、ウーマン・イン・ビジネスのリストから外されたのよ。)Modern Family Season9 Episode15 (Spanks for the Memories)
look someone up and down は「人を頭からつま先まで見る」で、品定めするような視線を表すことが多い句動詞です。be off the list は on の反対で「リストから外れている」を表します。on と off の1語で、選ばれた状態と外された状態をはっきり対比できます。I’m off the team.(チームから外された。)のように、名簿や担当から外れる場面にも同じ形が使えます。クレアの言い方からは、見た目で判断されたと受け止めている気持ちが伝わってきます。
「What about merit?」と「I hear you. But ~」
納得がいかないクレアは、ジェイに問いかけます。
Claire: What about merit?
(実力はどうなるのよ?)Jay: I hear you.
(言いたいことは分かる。)Jay: But you got to play the game.
(だがな、その世界のやり方には合わせなきゃならん。)Modern Family Season9 Episode15 (Spanks for the Memories)
merit は「長所、価値」のほかに、「(見た目やコネではない)実力、業績」という意味で使われます。What about ~? は「〜はどうなるの?」と、無視されている点を持ち出す問いかけです。What about my experience?(私の経験はどうなるんですか?)のように、評価に入れてほしい要素を示すときにも使えます。
ジェイの I hear you. は「聞こえている」ではなく、「あなたの言い分は分かる」と受け止める言い方です。そのあとに But ~ を続けると、相手を否定せずに自分の意見を出せます。play the game は「その世界のルールや慣習に合わせて立ち回る」という意味の口語表現で、理想論だけでは通らない場面で使われることが多い言い回しです。
ジェイは続けて、昔の自分もワンサイズ大きいジーンズで雑誌の表紙を飾ったわけではない、と自分の例を挙げます。クレアの不満を受け止めたうえで、身なりも大事だという趣旨の助言を返している場面です。
「expose … for the fraud he is」と「gussy up」
その後のパーティーで、ミッチェルはクレアにこう言います。
Mitchell: Okay, you’re that desperate to get into the magazine.
(なるほど、雑誌に載りたくてそこまで必死なんだ。)Claire: No.
(違うわよ。)Claire: I am going to expose him for the fraud that he is.
(あの人の化けの皮をはがしてやるの。)Claire: He claims that his precious little list is merit-based.
(あの人、自分の大事なリストは実力本位だって言ってるでしょ。)Claire: When I was wearing sweatpants, he wasn’t interested.
(私がスウェットを着てたときは、見向きもしなかった。)Claire: Now that I’ve gussied up a little
(それが、ちょっとおめかししたら)Mitchell: He’s gonna put you on the cover.
(表紙に載せてもらえるよ。)Claire: Really? Do you think? Shut up.
(ほんと? そう思う? やめてよ。)Modern Family Season9 Episode15 (Spanks for the Memories)
expose someone for the fraud (that) he is は「〜がいんちきだと暴く」で、相手の正体を明るみに出すという強い言い方です。merit-based は「実力本位の」で、a merit-based system(実力主義の制度)のように使われます。be desperate to ~ は「〜したくてたまらない、必死だ」で、からかい半分に相手の熱心さを指摘するときにも出てきます。
gussy up は「めかし込む」というくだけた句動詞で、get gussied up for the party のように受け身の形でもよく見かけます。
クレアは「暴くため」と言いながら、表紙の話になると Really? Do you think? と、期待をのぞかせる返しをします。最後の Shut up. は「黙って」という命令ではなく、うれしい話や信じがたい話に「もう、やめてよ」と返すくだけた用法です。のちにクレアは、サムに雑誌で自分を使う気がまだあるならと持ちかけます。表向きの目的と表紙への期待が、同じ場面の中に並んでいます。
まとめ|選ばれ方に納得がいかないとき
on the short list と off the list、What about merit? と I hear you. But ~、そして play the game や merit-based。候補から外されたクレアの言葉から、評価の基準に異を唱える英語と、それを受け止める英語が見えてきます。
『モダンファミリー』の家族の会話を観ながら、言い分のぶつけ方と受け止め方を英語で拾っていく楽しみがあります。
友人の表情に混じる本音を語るミッチェルの話や、大きなチャンスを前にしたアレックスの迷いは、同じ回のほかのコラムで扱っています。


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