「Give yourself the summer you want.」大きなチャンスを前に迷う人にかける英語|『モダンファミリー』S09E15で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「Give yourself the summer you want.」大きなチャンスを前に迷う人にかける英語|『モダンファミリー』S09E15で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン9第15話では、アレックスが夏の研究インターンの候補になります。話が進むにつれて、アレックスは期待と重圧の両方を口にするようになり、父フィルがその背中に言葉をかけます。

「一生に一度のチャンス」と「自分がしたいこと」。この二つを比べるときの英語が、父娘の会話にそろっています。弱気な一言から始まり、重圧の打ち明け、そして背中を押す言葉へと続く流れを順に見ていきます。

目次

「It’s not like ~」と「stay positive」

インターンの候補になっているとフィルに話したあと、アレックスは急に弱気なことを言い出します。

Alex: It’s not like I’m gonna get it anyways.
(どうせ受からないんだし。)

Phil: What’s with the quitter talk? If you want my advice
(なんだその弱気な言い方は? 俺のアドバイスが欲しいなら)

Alex: No, I don’t, but thanks.
(いらない、でもありがとう。)

Modern Family Season9 Episode15 (Spanks for the Memories)

It’s not like ~ は「別に〜というわけじゃない」で、期待しすぎないよう自分に予防線を張るときによく出てきます。quitter は「すぐにあきらめる人」のことで、quitter talk は「あきらめの言葉」くらいの意味になります。What’s with ~? は「〜はどうしたの?」と、相手の様子にツッコミを入れる口語です。

その後、インターンの話が進んだアレックスは、保険の書類にサインをもらいにフィルのもとを訪ねます。

Alex: I just need your signature on my insurance form.
(保険の書類にパパのサインがほしいだけ。)

Phil: I told you to stay positive.
(前向きにいけって言っただろ。)

Phil: How much fun is this gonna be?
(どれくらい楽しいんだろうな?)

Alex: It’s really not about fun.
(楽しいとかの話じゃないの。)

Alex: It’s gonna be a lot of hard work.
(すごく大変な仕事になる。)

Alex: The pressure’s off the charts.
(プレッシャーはとんでもないよ。)

Modern Family Season9 Episode15 (Spanks for the Memories)

stay positive は「前向きでいる」で、落ち込みかけた人への励ましの定番です。off the charts は「グラフの目盛りを振り切るほど」から、「桁外れに、とんでもなく」を表します。良い意味にも悪い意味にも使え、ここでは重圧の大きさを強調しています。楽しさを聞くフィルと、大変さを語るアレックスの温度差が分かる場面です。

「the chance of a lifetime」と「it’s your lifetime」

フィルはゲームの中の草原(meadow)を引き合いに出しながら、本題を切り出します。

Phil: You know why I like the meadow? ‘Cause it lets me think about what I want to do next.
(俺がなんで草原が好きか分かるか? 次に何をしたいか考えさせてくれるからさ。)

Phil: Should I battle the ogre or brave the Swamps of Despair? Should I take the super stressful internship in Boston, or am I doing that just because I think I’m supposed to?
(オーガと戦うか、絶望の沼に挑むか? ボストンのものすごくストレスのかかるインターンを受けるべきか、それとも、受けるべきだと思い込んでるからそうしようとしてるだけなのか?)

Alex: I beat out hundreds of candidates.
(何百人もの候補者を勝ち抜いたんだよ。)

Alex: I would be working with the pre-eminent scholar in the field.
(その分野の第一人者と一緒に働けるの。)

Alex: This is the chance of a lifetime.
(一生に一度のチャンスなんだから。)

Phil: Yeah, but it’s your lifetime.
(ああ、でもそれはお前の一生なんだ。)

Phil: It’s okay to enjoy it.
(楽しんだっていいんだよ。)

Modern Family Season9 Episode15 (Spanks for the Memories)

be supposed to は「〜することになっている、〜すべきだとされている」で、周りの期待や決まりからくる義務感を表します。フィルは「本当に自分がしたいことか、そうすべきだと思っているだけか」を問いかけています。beat out は「競争で〜に勝つ」という句動詞で、She beat out 50 applicants for the job.(彼女は50人の応募者を抑えてその職を得た。)のように、選考の倍率を伝えるときに使えます。

the chance of a lifetime は「一生に一度の好機」という決まった言い方です。フィルは同じ lifetime を拾って it’s your lifetime と返し、「チャンスの大きさ」から「それを生きるのは誰か」へと話の軸を移しています。

It’s okay to ~ は「〜してもいいんだよ」と許可を与える形で、がんばりすぎる相手の肩の力を抜かせる一言です。It’s okay to say no.(断ってもいいんだよ。)や It’s okay to ask for help.(助けを求めてもいいんだよ。)のように、相手が自分に禁じていそうなことを先回りして認める場面に合います。

アレックスの「一生に一度」は機会の希少さを数える言葉で、フィルの「お前の一生」はその時間を過ごす本人に目を向ける言葉です。同じ単語の向きを変えるだけで、相手の考えを否定せずに視点を差し出せることが分かります。

「Give yourself the summer you want.」で選ぶことを後押しする

フィルの言葉に、アレックスはこう言い返します。

Alex: No one turns this down.
(こんな話、断る人なんていないよ。)

Phil: Well, you always liked being the first one to do something.
(まあ、お前は昔から一番乗りが好きだったからな。)

Phil: Give yourself the summer you want.
(自分が過ごしたい夏を過ごせばいい。)

Phil: You’ve collected enough gold ingots to buy yourself some time off.
(金の延べ棒はもう十分集めたんだ。少し休む時間を買ったっていい。)

Alex: It won’t make me lazy, will it?
(それで怠け者になったりしないよね?)

Modern Family Season9 Episode15 (Spanks for the Memories)

turn down は「(申し出を)断る」です。「断る人はいない」という言葉に、フィルは一番乗りが好きなアレックスの性格を持ち出して返します。「それなら断る最初の一人になればいい」という含みとも読み取れます。Give yourself ~ は「自分に〜を与える」で、Give yourself a break.(少し休みなよ。)や Give yourself some credit.(もっと自分を認めなよ。)のように、自分に厳しい人への声かけに使われます。

buy yourself some time は「時間を稼ぐ」の意味でも使われますが、ここでは time off(休み)と組み合わせて「休む時間を手に入れる」です。フィルはゲームで集めた金の延べ棒を、これまでの努力のたとえとして使っています。アレックスがこのあとどう決めるかに関わらず、相手に選ぶ自由を返す言葉の組み立てになっています。

まとめ|大きなチャンスと自分の望みを比べる英語

It’s not like ~ や off the charts で語られる迷いと重圧に、it’s your lifetime や Give yourself the summer you want. で応える会話。選択を迫られた人にかける英語の形が見えてきます。

『モダンファミリー』の父娘のやりとりを観ながら、相手の肩の力を抜く言葉を英語で拾っていくと、会話の温かさがより伝わってきます。

友人の表情に混じる本音を語るミッチェルの話や、評価の基準に納得がいかないクレアの話は、同じ回のほかのコラムで取り上げています。

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