海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン12 第20話から、発言を誤解されたときに「そうは言っていない」と正す英語を取り上げます。講演後の質疑応答で、ラージの論文の一節が「異星人を見つけた」という話として受け取られてしまう場面が起点です。
意図を説明する、中身を訂正する、言った範囲を示す。会議や発表でも役立つこの3つの言い方を、劇中のやり取りから順に見ていきます。
質疑応答で誤解を解く「I was just illustrating」
ラージが講演を締めくくり、質問を受け付ける流れに移る場面です。
Raj: Well, that’s the lecture for today. Uh, let’s open it up for questions.
(さて、今日の講演はここまでです。えー、では質疑応答に移りましょう。)TBBT Season12 Episode20
open it up for questions は、話し手が場を質問に開くときの決まった言い回しです。発表の最後に一般的に使われる形で、同じ意味の open the floor to questions という言い方も知られています。
質疑の途中、聴衆の一人がラージの論文を読んだと話し、結論部分を取り上げます。光のフラッシュが異星文明の証拠である可能性を排除できないと書いたなら、つまり異星人だと考えているのか、という質問です。ラージはこう答えます。
Raj: I was just illustrating that there are many unknowns, and as scientists, we can’t preemptively rule out possibilities.
(未知のことが多く、科学者として可能性を先回りして排除することはできない、と示しただけです。)TBBT Season12 Episode20
I was just ~ing は「〜しただけ」と、自分の発言の意図を狭い範囲に限って説明する形です。just が「それ以上の意味はない」という線を引く働きをしています。illustrate は「例を挙げて示す」で、主張ではなく説明だったことを伝える語として選ばれています。
rule out は「(可能性を)排除する」で、研究や調査の話題でよく見かける句動詞です。ここでは「排除できない」と「そうだと考えている」は別のことだ、という区別がラージの答えの中心になっています。
「That’s not what I said」と「I want to make it clear」
同じ質疑の場面で、客席にいたハワードがこう質問します。
Howard: I have a question about the aliens you found.
(君が見つけた異星人について質問があるんだけど。)Raj: That’s not what I said, Howard.
(そんなこと言ってないよ、ハワード。)TBBT Season12 Episode20
That’s not what I said. は「そうは言っていない」と、相手がまとめた内容そのものを短く否定する言い方です。意図の説明より先に、事実の食い違いを指摘したいときに向いています。
別の場面では、ラージがハワードに「みんなに一日中これをやられてる」とこぼしています。誤解が冗談として広がっていく様子が分かる一言です。
そしてまた別の場面で、ラージは改めて自分の発言の範囲をはっきりさせます。
Raj: I know a lot of people have been having fun claiming that I said I found alien life. I want to make it clear that is not what I said. I did say that was one possible explanation. I don’t think that’s something to mock.
(私が異星生命を見つけたと言ったことにして、面白がっている人が多いのは知っています。はっきりさせておきたいのですが、私はそうは言っていません。言ったのは、それが考えられる説明の一つだということです。からかうようなことではないと思います。)TBBT Season12 Episode20
I want to make it clear (that) ~ は「〜ということをはっきりさせておきたい」という前置きで、公の場で誤解を正すときに使いやすい形です。claiming that I said ~ は「私が〜と言ったと主張して」で、言ったとされている内容と実際の発言を切り分けています。
I did say ~ の did は強調の do で、「言ったのは確かにここまで」と、認める範囲をはっきり示します。否定だけで終わらせず、実際に言ったことを添えると、訂正に説得力が出ます。
| 段階 | 言い方 | 働き |
|---|---|---|
| 意図を説明する | I was just illustrating that ~ | 発言の狙いを限定する |
| 中身を訂正する | That’s not what I said. | 相手のまとめを否定する |
| 範囲を示す | I want to make it clear that ~ / I did say ~ | 言ったことと言っていないことを分ける |
まとめ|否定と説明をセットにする
I was just illustrating で意図を示し、That’s not what I said で食い違いを指摘し、I want to make it clear と I did say で言った範囲を示す流れを見てきました。否定と説明を組み合わせると、誤解を落ち着いて正しやすくなります。
ラージの講演の場面は、発表の英語を観察する素材としても見どころの多い場面です。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、この回の会話がより立体的に見えてきます。


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