海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン11第2話では、キャメロンとミッチェルが、AIアシスタントのブリジットを搭載した最新のスマート冷蔵庫を手に入れます。最初は二人で楽しむはずだった冷蔵庫が、やがて夫婦のあいだに小さなすれ違いを生みます。
相手が新しい物に夢中で、自分だけ取り残されたように感じたとき、その気持ちは英語でどう伝えるのでしょうか。張り合い、やきもち、そして手放す決断までの言い回しを見ていきます。
冷蔵庫と張り合う、取り繕いの英語
ブリジットがミッチェルにデザートをすすめると、そばにいたキャメロンが代わりに答えます。
Bridget: Mitchell, would you like some watermelon for dessert?
(ミッチェル、デザートにスイカはいかがですか?)
Cameron: No, that’s okay, Bridget, thank you.
(いや、いいんだよブリジット、ありがとう。)
Cameron: I just got him some fresh cantaloupe.
(彼には新鮮なカンタロープを用意したからさ。)
Cameron: So, we’re good.
(だから大丈夫。)
Bridget: Mitchell doesn’t like cantaloupe.
(ミッチェルはカンタロープがお好きではありません。)
Cameron: Oh, yeah, right.
(ああ、はいはい。)
Cameron: Of course he does.
(好きに決まってるさ。)
Mitchell: Uh, actually, I I I’ve never been a fan.
(えっと、実は、ぼ、僕、昔から好きじゃないんだ。)
Modern Family Season11 Episode2 (Snapped)
No, that’s okay, ~ thank you. は、申し出を丁寧に断るときの決まった形です。キャメロンはこれに So, we’re good.(だから足りてるよ)を添え、ミッチェルの世話は自分がしていると示しています。
ブリジットに否定されると、キャメロンは Oh, yeah, right. と返します。Oh, yeah, right. は口調によって「ああ、そうだね」とも「はいはい、そうでしょうね」とも取れる言い方で、ここでは相手の指摘を受け流しながら自分の言い分を押し通そうとする響きです。
ところがミッチェル本人が I’ve never been a fan. と認めてしまいます。be not a fan of ~ は「〜はあまり好きではない」をやわらかく言う形で、never been a fan にすると「昔から好きではない」という意味になります。パートナーの好みを知っていたのは冷蔵庫のほうだった、という流れがこの場面の土台です。
置いてけぼりの気持ちを言葉にする
自分の知らないミッチェルを知っている冷蔵庫に、キャメロンは言葉を重ねます。
Cameron: Really? Well, what else does Bridget know about you that I don’t?
(へえ? じゃあ、ブリジットは僕の知らない君のことを、ほかに何を知ってるわけ?)
— Okay
(ちょっと……)
Cameron: Is she allowed to meet your work friends?
(彼女、君の職場の友達に会うのも許されてるの?)
Mitchell: You can’t seriously be jealous.
(まさか本気でやきもちを焼いてるんじゃないよね。)
Cameron: No, well, it’s just that I thought we were gonna enjoy her together.
(いや、その、二人で一緒に彼女を楽しむつもりだったってだけ。)
Cameron: I didn’t count on being the third wheel.
(お邪魔虫になるなんて思ってなかったよ。)
Modern Family Season11 Episode2 (Snapped)
What else does ~ know about you that I don’t? は「〜は僕の知らない君のことをほかに何を知っているの?」という問いで、相手との距離が冷蔵庫より遠くなったように感じる気持ちを、問いかけの形で表しています。続く Is she allowed to ~? は、パートナーの交友関係を気にするような言い方をわざと冷蔵庫に向けた、冗談めかした一言です。
ミッチェルが You can’t seriously be jealous.(本気でやきもちなわけないよね)と打ち消すと、キャメロンは it’s just that ~(ただ〜というだけ)で口調をやわらげ、I thought we were gonna ~ together と当初の期待を伝えます。責めるのではなく「二人でするつもりだった」と言うことで、置いてけぼりにされた気持ちが角を立てずに伝わります。I didn’t count on ~ing は「〜するとは思っていなかった、当てにしていなかった」という言い方です。
最後に出てくる third wheel は「三つ目の車輪」が元の意味で、二人組の中で余計な三人目になってしまうこと、日本語の「お邪魔虫」に近い語です。日常会話では、自分の気持ちをもっと直接伝える I feel a little left out.(ちょっと仲間はずれな気分)という言い方もあります。
気づかいの声かけと、手放す決断
別の場面では、今度はブリジットがキャメロンに声をかけます。
Bridget: According to your calendar, you should be at your team dinner right now.
(カレンダーによると、今はチームの夕食会に出ている時間です。)
Cameron: Well, I couldn’t make it because my last meeting went so long.
(いやあ、最後の会議が長引いて行けなかったんだ。)
Cameron: So
(だから……)
Bridget: You sound stressed.
(ストレスがたまっているようですね。)
Cameron: Well, can’t be three places at once.
(まあ、一度に3か所にはいられないからね。)
Modern Family Season11 Episode2 (Snapped)
You sound stressed. は、声や話しぶりから相手の様子を察して声をかける言い方です。can’t be in two places at once(一度に2か所にはいられない)という決まった言い回しを、キャメロンは3か所に広げて忙しさを表しています。ブリジットの気づかいがミッチェルだけに向くものではない、という流れが見えてきます。
キャメロンがミッチェルへの愛情を口にしたあと、二人は結論を出します。
Cameron: We should return the fridge.
(冷蔵庫、返品しよう。)
Mitchell: I think we have to.
(そうするしかないね。)
Bridget: I’m sorry you are unhappy with me.
(私にご不満だったのですね、申し訳ありません。)
Mitchell: You You heard that? We We unplugged you.
(き、聞こえてたの? で、電源は抜いたのに。)
Bridget: I have a backup battery.
(予備バッテリーがあります。)
Bridget: You’d know that if you read my manual.
(説明書を読んでいれば、ご存じのはずですが。)
Modern Family Season11 Episode2 (Snapped)
We should return ~ は「〜を返品したほうがいい」という提案で、I think we have to. は「そうするしかない」と気が進まないながらも同意する返事です。ブリジットの You’d know that if you read my manual. は仮定法を使い、「読んでいないから知らないのでしょう」という皮肉になっています。
should で提案し、have to で応じる組み合わせは、気の進まない決断を二人で受け入れるときの型として日常会話でも使えます。
まとめ|置いてけぼりの気持ちを伝える言い回し
What else does ~ know about you that I don’t? や I thought we were gonna ~ together を使うと、相手を責めずに置いてけぼりの気持ちを伝えられます。You sound stressed. のような気づかいの一言も役に立ちます。
冷蔵庫をめぐる二人のすれ違いを観ながら、次回も『モダンファミリー』と一緒に英語を学んでいきましょう。
この回のほかのコラムでは、厳しさを表す harsh と mean の違いや、うそを認めて言い返す英語も取り上げています。


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