海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は法医学ドラマ『BONES』シーズン9第5話から、アメリカのパーティーフード文化を象徴する「pigs in a blanket」をご紹介します。
遺体調査中にもかかわらず、崖に吊られたまま自分たちの結婚式の話を始めてしまうブースとブレナン——そのやり取りから、食文化ごと楽しんで覚えられる表現が生まれました。
実際にそのシーンを見てみよう!
岩場で遺体調査を行っていたブースとブレナン。
ブレナンが「結婚式のことを友達に相談したい」と言い出すと、ブースは周囲からあれこれ口出しされることを心底嫌がります。
Brennan: Don’t you want to discuss it with our friends, Booth?
(友達に相談したくないの、ブース?)Booth: Oh, really? I mean, you really want to get everyone’s opinion on what they think our wedding should be like?
(本当に?みんなから俺たちの結婚式がどうあるべきかいちいち意見を聞きたいのか?)Booth: What, “You can’t have pigs in a blanket,” huh?
(「ピッグス・イン・ア・ブランケットは出せないわよ」なんて言われたいか?)Booth: “No, no, you know what, you should have radishes that are shaped like hummingbirds and wear dandelion hats.”
(「いやいや、ハチドリの形にしてタンポポの帽子を被せたラディッシュにするべきよ…」とかさ。)BONES Season9 Episode5(The Lady on the List)
シーン解説と心理考察
ブースという人物を一言で表すなら「気取らない」です。
格式やしきたりよりも、自分が本当に好きなものを大切にしたい——そのキャラクターが、結婚式のメニューという形でユーモラスに炸裂するシーンです。
アメリカの結婚式といえば格式高いオードブルが一般的なのに対し、ブースが「出したいもの」として迷わず挙げたのは、スーパーボウル観戦でつまむような大衆的な軽食。
「ハチドリ型のラディッシュ」という周囲の想像上の意見との対比が笑いを生みながら、同時にブースという人物の人柄をまっすぐ示してくれる、大好きなシーンのひとつです。
「pigs in a blanket」の意味とニュアンス
pigs in a blanket
意味:ピッグス・イン・ア・ブランケット(ソーセージをパン生地やパイ生地で包んだ一口サイズのスナック)
直訳すると「毛布(blanket)にくるまった豚(pigs)」となります。
豚肉で作られた小さなソーセージを「豚」、それを包み込むパン生地を「毛布」に見立てた可愛らしいネーミングのアメリカの定番料理です。
【ここがポイント!】
ネイティブにとってのイメージは「子供の頃から親しんだ、気取らない定番のパーティーフード」です。
スーパーボウルの観戦パーティーや子供の誕生日会など、カジュアルな集まりには欠かせない人気メニューですが、決して高級料理ではありません。
結婚式のようなフォーマルな場で出すにはあまりにもくだけすぎているため、この言葉自体が「格式張らない庶民の味」というニュアンスを強烈に放ちます。
実際に使ってみよう!
I’m going to make pigs in a blanket for the Super Bowl party this weekend.
(今週末のスーパーボウルのパーティーに、ピッグス・イン・ア・ブランケットを作るつもりだよ。)
アメリカのスポーツ観戦やホームパーティーなど、気取らない集まりの定番メニューとして頻繁に登場する基本的な使い方です。
We expected fancy hors d’oeuvres, but they served pigs in a blanket at the reception.
(高級なオードブルを期待していたのに、レセプションでピッグス・イン・ア・ブランケットが出てきたよ。)
フォーマルな場にふさわしくないカジュアルすぎるものが提供されたときの、ユーモアや驚きを交えた描写として使えます。
Kids don’t care about expensive food; just give them some pigs in a blanket and they’re happy.
(子供は高価な食べ物なんて気にしないよ。ピッグス・イン・ア・ブランケットさえ出しておけば大喜びさ。)
「安上がりで誰もが喜ぶもの」の代名詞として、気取った料理との対比で語られる場面によく登場します。
『BONES』流・覚え方のコツ
温かい毛布にくるまってスヤスヤ眠る子豚を想像してから、それが「パン生地に包まれた熱々の一口ソーセージ」だと変換してみましょう。
一生に一度のフォーマルな結婚式に、その最高に場違いなスナックをどうしても出したいというブースの真剣な顔——そのシーンのおかしさと一緒に記憶に焼き付けると、「pigs in a blanket=庶民的で気取らないパーティーフード」というニュアンスごとしっかり定着します。
似た表現・関連表現
comfort food
(ホッとする食べ物、懐かしい味)
高級料理ではなく、食べると安心する家庭の味やソウルフードを指します。アメリカ人にとってのpigs in a blanketはまさにこれに当たります。
down-to-earth
(気取らない、庶民的な、地に足の着いた)
料理そのものではなく、ブースのように背伸びしない気さくな人柄を表す際によく使われる表現です。
pretentious
(気取った、見栄を張った)
ブースが嫌がった「ハチドリの形のラディッシュ」のように、過度に高級感や特別感をアピールする様子を批判的に表現する単語です。
深掘り知識:イギリスとアメリカで違う「毛布の中の豚」
実はこの言葉、同じ英語圏でもイギリスとアメリカでは指す料理が異なります。
アメリカでは「ソーセージをパンやパイ生地で包んだもの」ですが、イギリスの「pigs in blankets」は「ソーセージをベーコンで包んだもの」を指し、クリスマスの定番の付け合わせとして欠かせない存在です。
アメリカ版は炭水化物の毛布、イギリス版はベーコンの毛布——同じ名前なのに素材が全く異なるのが面白いですよね。
さらに「pigs in a blanket」という料理自体の起源については、20世紀初頭のアメリカで移民文化と大衆食が交わるなかで生まれたという説があります。
手軽で安く、子供から大人まで喜ばれる——そのシンプルな強さが、長年にわたってパーティーの定番メニューとして愛され続けている理由なのかもしれません。
まとめ|食文化から紐解く、気取らない表現の魅力
今回は『BONES』の会話から、「pigs in a blanket(ソーセージのパン生地巻き)」というアメリカらしい表現を取り上げました。
直訳の可愛らしさと、実際の料理が持つ「庶民的で気取らないイメージ」のギャップがとても魅力的です。
アメリカ人の友人のホームパーティーに招待されたとき、またはドラマや映画でこの言葉が出てきたとき、今度はブースの顔を思い浮かべながら「あー、あれか!」と楽しんでみてください。

