「have a bone to pick with」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S02E09で学ぶ英会話

「have a bone to pick with」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

相手の言動にちょっと引っかかることがあって、「あのことなんだけど」と話を切り出したくなる瞬間は、誰にでもあるのではないでしょうか。

そんなときに使える「have a bone to pick with」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン2第9話、遅れて映画館に現れたシェルドンが、開口一番レナードに食ってかかるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「have a bone to pick with」の意味とニュアンス

have a bone to pick with ~
意味:〜に文句がある、話をつけたいことがある

相手に不満や苦情があり、それについて話をつけたい・問いただしたいときに使う口語表現です。「a bone to pick」で「片付けるべき面倒な案件」を表し、「あなたに対して、処理したい一件がある」という形で文句を切り出します。

特徴は、深刻な対立から友人同士の軽いじゃれ合いまで、トーン次第で深刻度が変わること。真顔で言えば本気の抗議になり、にやりと笑って言えば軽口になります。少しユーモラスな響きを持つため、「文句があるんだけど」と切り出すクッションとして、ネイティブによく使われます。後ろに「about ~」を続けて、何についての不満かを示すこともできます。

【ここがポイント!】

  • 二匹の犬が一本の骨を奪い合う——「片付けたい一件がある」が核のイメージ
  • 真顔なら本気の抗議、笑いながらなら軽口と、トーンで深刻度が変わる表現
  • 文句を切り出す前置きとして使われると読み取るのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S02E09のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

レナードはステファニーとのデートで映画館にいますが、そこへ遅れてシェルドンが到着します。レナードは映画の時間や場所をわざと分かりにくく伝えて二人きりになろうとしたのですが、シェルドンはパソコンの履歴まで調べて突き止めてきました。登場したシェルドンの第一声がこれです。

Steph: What do you think I did? I discreetly slipped off the other earring, put it in my pocket and then got the hell out of there!
(どうしたと思う?もう片方のイヤリングもこっそり外してポケットに入れて、その場から逃げ出したのよ!)

Sheldon: I have a bone to pick with you, sir.
(君にちょっと言いたいことがあるんだがね。)

Leonard: Oo-oo-oh!
(おおっと!)

The Big Bang Theory Season2 Episode9 (The White Asparagus Triangulation)

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シーン解説と心理考察

楽しげに談笑していたレナードとステファニーの空気に、シェルドンの一言が割って入る場面です。「I have a bone to pick with you, sir」と、いかにも重大な抗議のように切り出しますが、その中身は「招待の仕方が分かりにくかった」という、いたって些末な不満です。深刻ぶった前置きと、たわいない中身とのギャップが笑いどころになっています。

シェルドンのこの「文句」は、本気の怒りというより、自分が当然そこに同席する権利を持っているという独善から出ています。レナードがどれだけ巧妙に二人きりの時間を作ろうとしても、それを察するどころか履歴まで調べて追ってくる徹底ぶりが、この一言の背景に重なっています。レナードの「Oo-oo-oh!」というからかいの反応が、シェルドンの大げささをやわらかく見せています。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

二匹の犬が一本の骨をはさんで、「これは決着をつけないと」とにらみ合っている——そんな情景を思い浮かべてみましょう。その骨を一緒にしゃぶって片付ける(pick)というイメージが、「処理したい懸案が相手とのあいだにある」という意味に重なります。

シェルドンが映画館に深刻な顔で現れ、「I have a bone to pick with you」と切り出したのに、中身は「招待が分かりにくかった」という拍子抜けする苦情——この大げさな入り方とセットにすると、フレーズが「文句を切り出す前置き」だと体で覚えられます。骨をくわえて離さない犬の姿を思い出せば、「言いたいことがある」という構えがすぐ引き出せます。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「have a bone to pick with」

文句や苦情を切り出すときの前置きとして使える表現です。三つの例文で、使い方を見ていきましょう。

I have a bone to pick with you — why didn’t you tell me about the party?
(君に言いたいことがあるんだ。どうしてパーティーのこと教えてくれなかったの?)
友人に軽く抗議する場面です。深刻すぎず、けれどはっきりと不満を切り出す、いちばん典型的な使い方です。

She had a bone to pick with the company about her unpaid overtime.
(彼女は未払いの残業代の件で、会社に物申したいことがあった。)
正当な苦情を述べる場面です。「about ~」を続けると、何についての不満かを具体的に示せます。

A: You look upset. Everything okay?
B: Honestly, I’ve got a bone to pick with you about that review you wrote.
(A:不機嫌そうだね。何かあった?)
(B:正直、君が書いたあのレビューについて言いたいことがあるんだ。)
相手の言動を問いただす場面です。「I’ve got a ~」と短縮すると、より口語的で自然な響きになります。

あわせて覚えたい関連表現

take issue with ~
(〜に異議を唱える)
意見や主張に対して、知的に反対するときのフォーマルな表現です。have a bone to pick with が個人的・感情的な不満なのに対し、こちらは議論の場での反対という違いがあります。

have it out with someone
(〜ととことん話をつける)
実際に対決して決着をつける行為そのものを指します。have a bone to pick with が「これから文句を言う」という切り出しの段階なのに対し、こちらは正面からぶつかる段階を表します。

have a problem with ~
(〜に不満・問題がある)
最も汎用的でストレートな言い方です。have a bone to pick with は慣用句ゆえに少しユーモラスで、対人的な苦情に限られるという違いがあります。

Note|犬が骨を奪い合う情景から生まれた言い回し

have a bone to pick with は、なぜ「骨(bone)」が「文句」を表すのでしょうか。その背景には、犬と骨をめぐる古い情景があります。

この表現は、二匹の犬が一本の骨を奪い合ってにらみ合う様子、あるいは犬が骨を最後までしゃぶり尽くす(=時間をかけて片付ける)様子に由来するとされ、十六世紀ごろから使われてきた古い言い回しと説明されることが多くあります。骨は犬にとって、簡単には手放せない、しっかり取り組むべき対象です。そこから「a bone to pick」が「片付けるべき面倒な一件」を表すようになり、「あなたとのあいだに、処理したい骨=懸案がある」という形で、文句や苦情を切り出す言い方になったとされています。似た発想の表現に「a bone of contention(争いの種)」があり、こちらも骨を奪い合う犬のイメージが下敷きになっています。

この成り立ちを知ると、have a bone to pick with が単なる「文句がある」ではなく、「相手と向き合って片付けたい一件がある」という、対話を前提にした表現だということが見えてきます。

骨をくわえた犬の情景が、今も言葉の奥に残っているのですね。

まとめ|「ちょっと言いたいことがある」を英語で

have a bone to pick with は、相手への不満や苦情を「ちょっと言いたいことがあるんだけど」と切り出すための表現です。深刻な抗議にも軽い冗談にも使え、トーン次第で深刻度を自在に調整できるのが、この言い回しの面白いところと言えます。

この一言が使えると、不満をため込んで黙るのでも、いきなり感情をぶつけるのでもなく、「話をつけたい一件がある」とやわらかく切り出して対話に持ち込めます。シェルドンのように大げさに使えば、その場の空気をなごませる効果も生まれます。誰かに物申したい場面のクッションとして、表現の幅を広げてみてください。

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