「bigger fish to fry」の意味と使い方|『CHUCK』S01E13で学ぶ英会話

「bigger fish to fry」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

目の前のことで頭がいっぱいの相手に、「今はそれどころじゃない」と言いたくなる場面があります。

今回の「bigger fish to fry」は、もっと大事な用がある、優先すべき別件があるという意味のイディオムです。『CHUCK』シーズン1第13話の中盤、指輪を失って取り乱すチャックを、ケイシーが任務優先で電話越しに一蹴する場面に登場します。どんなふうに使われているのか、一緒に見ていきましょう。

目次

「bigger fish to fry」の意味とニュアンス

bigger fish to fry
意味:もっと大事な用がある、優先すべき別件がある

bigger fish to fry は、「今はもっと重要な用件がある」「そんなことにかまっている場合ではない」という意味のイディオムです。have bigger fish to fry の形で使われるのが一般的です。

直訳すると「揚げるべきもっと大きな魚がある」となります。小さな魚を揚げている場合ではなく、もっと大きな魚を相手にしなければならない、というイメージから「より重要なことに取り組む必要がある」という意味が生まれました。bigger の代わりに other(他の)を使った other fish to fry もよく使われます。

相手の話を軽く退けるニュアンスを含むため、ぶっきらぼうな響きになることもあります。カジュアルな会話で広く使われる、生き生きとした比喩表現です。

【ここがポイント!】

  • 核は「小物にかまわず、もっと大きな課題に取り組む」という優先順位のイメージ
  • have bigger / other fish to fry の形で使うのが定番
  • 相手の話を軽くいなすニュアンスも含む、口語的な一言

『CHUCK』S01E13のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

姉の婚約指輪を失ってパニックになったチャックが、電話でケイシーに窮状を訴える場面です。しかしケイシーにとっては、進行中のスパイ任務の方がはるかに重大事。チャックの個人的な事情を一言で切り捨てる、その無愛想な物言いに bigger fish to fry が使われています。なお、このエピソードでは盗まれた魚(マーリン)を探す筋立てもあり、fish という単語が物語と掛かっている遊びも効いています。

Chuck: They took my sister’s ring, the one she’s supposed to wear forever.
(姉さんの指輪を持っていかれたんだ。ずっと着けるはずだった、あの指輪を。)

Casey: Save it for your coffee klatch, Bartowski. Get down here. We got bigger fish to fry.
(そんな話は井戸端会議でやれ、バトウスキー。降りてこい。もっと大事な用があるんだ。)

Chuck Season1 Episode13(Chuck Versus the Marlin)

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シーン解説と心理考察

このやり取りには、二人の温度差がはっきり表れています。チャックにとっては人生の一大事である指輪の紛失も、ケイシーにとっては任務の前では取るに足らない小事。その断絶が bigger fish to fry という一言に凝縮されています。

ケイシーの口調は終始ぶっきらぼうで、Save it(その話は取っておけ)、Bartowski(姓呼び)と、相手を突き放す言葉が並びます。海兵隊出身の無骨なエージェントらしい物言いと言えます。けれども、このそっけなさの裏には、チャックを任務に引き戻して守ろうとする彼なりの責任感も透けて見えます。bigger fish to fry は単なる冷たい拒絶ではなく、「優先すべきものを見失うな」という叱咤としても響きます。fish という語が、魚をめぐる今回の騒動と重なる遊び心も見どころです。

『CHUCK』流・覚え方のコツ

フライパンを思い浮かべてみてください。小さな魚を焼いているところに、もっと大きな魚が控えている。どちらを優先すべきか、答えは明らかです。bigger fish to fry は、この「調理の優先順位」をそのまま物事の優先順位に重ねた表現です。

ケイシーが、チャックの指輪話という「小魚」を脇に置いて、スパイ任務という「大魚」に向かわせようとする場面を思い出すと、フレーズの意味がぐっと立体的になります。フライパンの上の大小の魚をイメージしながら覚えると、have bigger fish to fry という形も自然に口をついて出るようになります。

例文で覚える「bigger fish to fry」

相手の話を退けたり、優先順位を示したりする場面で活躍します。3つの例文で使い方の幅を見ていきましょう。

I don’t have time to argue about who used the last coffee pod. I’ve got bigger fish to fry.
(最後のコーヒーカプセルを誰が使ったかで言い争ってる暇はないよ。もっと大事な用があるんだ。)
ささいな口論を退ける場面です。つまらない揉め事を一蹴するときの典型的な使い方です。

The detective ignored the parking violation; she had bigger fish to fry.
(その刑事は駐車違反を見逃した。もっと重大な事件を抱えていたからだ。)
仕事で優先順位をつける場面です。小さな案件より大きな案件に集中する、という状況を表しています。

A: Aren’t you going to respond to that rude comment online?
B: Nah, I’ve got bigger fish to fry. It’s not worth my energy.
(A:あのネット上の失礼なコメントに返信しないの?)
(B:いや、もっと大事なことがあるから。労力をかける価値もないよ。)
友人同士の会話です。くだらないことに関わらない、という冷静な判断を軽く示すときに使えます。

あわせて覚えたい関連表現

have other priorities
(他に優先事項がある)
中立的でフォーマルな言い方です。bigger fish to fry が比喩的でカジュアルなのに対し、こちらはビジネスの場でも使える落ち着いた表現です。

not worth my time
(自分の時間を割く価値がない)
相手の話を退ける点で近い表現です。bigger fish to fry が「他にやるべきことがある」と前を向くのに対し、こちらは「それ自体に価値がない」と切り捨てる方向のニュアンスです。

on the back burner
(後回しにして、保留にして)
コンロの「奥のバーナー」に置く、という料理由来の表現です。bigger fish to fry と同じ厨房のイメージを持ち、「優先度の低いものを後ろに下げる」点でセットで覚えやすい一言です。

Note|なぜ「揚げる魚」が優先順位の話になるのか

bigger fish to fry は、なぜ「揚げる魚」で「やるべきこと」を表すのでしょうか。この比喩の背景には、料理という身近な営みがあります。

この表現は17世紀ごろの英語にすでに見られるとされ、古くから使われてきた言い回しです。fry(揚げる、炒める)という調理動作は、当時の人々にとって日常そのものでした。台所で複数の魚を前にしたとき、どれから手をつけるか、大きい魚を優先するか小さい魚を後にするか、という判断は誰もが経験する場面です。この「調理の段取り」が、そのまま「物事の優先順位」の比喩として定着していきました。料理や食べ物にまつわるイディオムは英語に数多くありますが、それは食が文化や言語の根っこに深く結びついているからだと考えられます。

つまり bigger fish to fry の背後には、「限られた時間と手で、何を先にするか」という、料理人なら誰もが直面する普遍的な判断があるのです。ケイシーがこの言葉でチャックをいさめるとき、そこには「今、火にかけるべき大魚はどっちだ」という鋭い問いかけが潜んでいます。

身近な台所の風景が、これほど切れ味のある表現を生んだのは興味深いところです。

まとめ|ケイシーの一喝に学ぶ「優先順位」の伝え方

bigger fish to fry は、「今はもっと大事な用がある」という優先順位を、料理の比喩で生き生きと伝えるフレーズです。have bigger / other fish to fry という形で使う点も、あわせて押さえておきたいポイントでした。

このフレーズを知っておくと、海外ドラマや映画で誰かが相手の話を退ける場面が、ぐっと聞き取りやすくなります。会話の温度感やキャラクターの性格まで、より鮮明に見えてくるはずです。

指輪に取り乱すチャックを大魚へと引き戻すケイシーの一喝は、無骨さの奥にある責任感まで透けて見える場面でした。

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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



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