「grow on someone」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S04E05で学ぶ英会話

「grow on someone」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

最初は微妙だと思っていた曲や場所が、繰り返し触れるうちにいつの間にか好きになっていた、ということ、ありますよね。第一印象は決して良くなかったのに、気づけば手放せなくなっている——そんな心の変化は、案外あちこちで起きているものです。

その「じわじわ好きになる」変化を表すのが「grow on someone」です。『ビッグバン★セオリー』シーズン4第5話の後半、最悪のデート相手に辟易するレナードを、ハワードがなんとかなだめようとする場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「grow on someone」の意味とニュアンス

grow on someone
意味:(最初は好きでなくても)だんだん好きになる、じわじわ気に入ってくる

grow on someone は、最初は気に入らなかったものが、時間とともに少しずつ好きになっていく変化を表します。grow(育つ)という動詞が示すとおり、植物が根を張ってゆっくり育つように、好意が徐々に染み込んでいくイメージが核にあります。

このフレーズの特徴は、変化の「向き」と「速度」にあります。対象の良さが、こちらの心にじわじわと染み込んでくる——つまり主語は「好きになる対象」のほうで、someone はそれを受け取る人になります。人・音楽・場所・食べ物・デザインなど、幅広いものに使えます。「だんだん良くなってきた」という進行中の変化を表すため、is growing on me のように進行形で使われることがとても多いのも覚えておきたい点です。

【ここがポイント!】

  • 植物が根を張るように、好意がじわじわ染み込んでくるイメージが核
  • 主語は「好きになる対象」のほう、someone はそれを受け取る側
  • is growing on me と進行形で「だんだん好きになってきた」と言うのが定番

『ビッグバン★セオリー』S04E05のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ハワードの紹介で会った相手ジョイにすっかり辟易したレナードを、ハワードが「そのうち好きになるかもしれない」となだめます。ところがレナードの返しは、慰めとは正反対の悲観的なもので、二人の温度差が笑いを生みます。

Howard: Come on, just give her a chance. Maybe she’ll grow on you.
(まあ、彼女にチャンスをやれよ。そのうち好きになるかもしれないぞ)

Leonard: Or maybe she’ll finally succeed in ripping my nuts off.
(それとも、ついに僕を再起不能にすることに成功するかもな)

The Big Bang Theory Season4 Episode5(The Desperation Emanation)

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シーン解説と心理考察

ハワードの「she’ll grow on you(そのうち好きになるさ)」は、気乗りしない相手を勧めるときの、ごく定番の励まし文句だ。それに対してレナードが、好きになるどころか身の危険を案じる悲観で返すところに、このやりとりの面白さがある。

ハワードは善意でなだめているのだが、その基準は彼自身の壮絶な過去のデート経験に支えられている。「これくらい大したことない」という彼のものさしと、心底うんざりしているレナードの感覚は、最初から噛み合っていない。前向きな grow on you という慰めが、レナードの絶望と対照的に響くことで、二人の温度差がくっきりと浮かび上がる。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

このフレーズは、心の中に種が落ちて、ゆっくり芽を出し、根を張っていく映像を思い浮かべると定着します。最初は何もなかった場所に、時間をかけて少しずつ植物が育っていく——その「じわじわ根づく」過程が、grow on someone の意味そのものです。

ハワードがレナードに「そのうち好きになるさ」と慰める場面を重ねれば、最初はダメでも徐々に気に入っていく変化のニュアンスが定着します。is growing on me と進行形で使うことが多い点も、芽が「今まさに育ちつつある」イメージとセットで覚えられます。

例文で覚える「grow on someone」

最初の印象がよくなかったものが、後から好きになる——その逆転の変化を、三つの例文で見ていきましょう。

I didn’t like this song at first, but it’s really growing on me.
(この曲、最初は好きじゃなかったけど、だんだん気に入ってきた)
音楽の好みが変わったことを語る、最も典型的な使い方です。進行形にすることで「今まさに好きになりつつある」途中経過を表せます。

The town seemed boring at first, but it grew on me over time.
(その町は最初退屈に見えたけど、時間とともに好きになった)
住んだ場所への印象の変化を語る場面です。over time(時間とともに)を添えると、じわじわとした変化の感覚がいっそう際立ちます。

A: How do you like working with the new manager?
B: Honestly, he’s grown on me. I wasn’t sure at first, but now I really respect him.
(A:新しいマネージャーとの仕事はどう?)
(B:正直、だんだん良さがわかってきたよ。最初は微妙だったけど、今は本当に尊敬してる)
職場での人物評価の会話です。人を対象にすると、最初の印象から評価が好転していく変化を表せます。

あわせて覚えたい関連表現

warm up to someone
(~に打ち解ける、好意を持ち始める)
warm up to は、自分のほうから徐々に心を開いていく能動的な変化を表します。grow on が「対象の良さがこちらに染みてくる」受け身の変化なのに対し、主語と向きがちょうど逆になる点が違いです。

acquire a taste for
(~の良さがわかるようになる)
acquire a taste for は、食べ物や飲み物、趣味などを後天的に好きになることを表す、ややフォーマルな表現です。grow on のほうが人や物まで幅広く使える、よりくだけた言い方になります。

take a liking to
(~を好きになる)
take a liking to は、比較的早い段階で好意を持つことを表します。grow on が「時間をかけてじわじわ」という段階的な変化を含むのに対し、こちらは好きになる速度がより速い点で違いがあります。

Note|慰めの定番 grow on you

ハワードがレナードにかけた「she’ll grow on you」という一言。実はこれ、英語圏では気乗りしない相手や物を勧めるときの、お決まりの励まし文句なのです。

誰かが新しい同僚や、最初は好きになれない相手、あるいは一見地味な作品などに対して乗り気でないとき、英語ではよく「(It’ll / He’ll / She’ll) grow on you」と声をかけます。これは「今はピンとこないかもしれないけれど、付き合っていくうちにきっと良さがわかるよ」という、前向きな含みを持った定番表現です。相手の今の否定的な印象を真っ向から否定するのではなく、「時間が解決してくれる」という形でやんわり背中を押すところに、この言い回しのやさしさがあります。だからこそ劇中でも、ジョイにうんざりするレナードに対して、ハワードはまずこの一言を差し出しました。もっとも、レナードの返しがあまりに悲観的だったために、その定番の慰めはまったく効果を発揮しないのですが。

「今はダメでも、そのうち好きになるよ」——この温かい楽観を一言で伝えられるのが、grow on you なのです。

まとめ|「そのうち好きになるさ」と励ますハワードから学ぶこと

grow on someone は、最初は好きでなかったものが時間とともにじわじわ好きになっていく、その緩やかな変化をとらえる表現です。植物が根を張るように、好意が少しずつ染み込んでいくイメージがその核にあります。

この表現を知っていると、「最初は微妙だったけど今は好き」という心の変化を、自然な英語で言い表せるようになります。is growing on me と進行形にすれば「今まさに好きになりつつある」途中経過も描けますし、人を勧める励ましの一言としても重宝します。

最悪のデート相手にも「そのうち好きになるさ」と楽観するハワードの一言とともに、会話のレパートリーに加えてみてください。

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