「run it by someone」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S05E10で学ぶ英会話

「run it by someone」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

何かを決める前に、「一応あの人に確認しておこう」と、誰かに話を通したくなること、ありませんか。

そんなときにぴったりの「run it by someone」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン5第10話、コミック店でエイミーに好意を抱いたスチュアートが、彼女を誘っていいかどうかをレナード経由でシェルドンに確認しようとするシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「run it by someone」の意味とニュアンス

run it by someone
意味:(決める前に)〜に話を通して、意見や許可をもらう

run it by someone は、自分の案や考えを相手のところに「通して」、反応・意見・了承を確かめる、という表現です。run + 物事 + by + 人 の語順が基本で、it / this / the idea などの目的語が by の前に入ります。

ここでの run は「走らせる」が原義で、案や情報を相手のところまで走らせて反応を見る、というイメージが背景にあります。by は「〜のそばを通して」という感覚で、相手のチェックを一度くぐらせるニュアンスを生んでいます。

最終決定の前に「念のため確認しておく」「一度通しておく」という、ビジネスでも日常でも頻出の表現です。Let me run it by my boss.(上司に確認させてください)のように、丁寧に許可を求める場面でもよく使われます。

【ここがポイント!】

  • run の「走らせる」から「案を相手に通して反応を見る」へ広がった表現
  • 決定前に「一応通しておく」という、確認・根回しのニュアンス
  • 目的語は by の前に置き、run it by you の語順で覚えるのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S05E10のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

コミック店の店主スチュアートは、シェルドンの「彼女ではない」エイミーに好意を抱きます。とはいえ本人に直接ぶつかる勇気はなく、まずレナードを介してシェルドンの反応をうかがおうとします。その控えめな打診に、run it by が登場します。

Stuart: she didn’t look through me with soul-sucking hatred. Could you run it by Sheldon if I could ask her out?
(彼女、魂を吸い取るみたいな目で僕を見なかったんだ。エイミーを誘っていいか、シェルドンに確認してもらえないかな?)

Leonard: Sure. I guess.
(ああ、いいよ。たぶんね。)

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シーン解説と心理考察

スチュアートが直接エイミーやシェルドンに当たらず、レナードに run it by Sheldon と頼むところに、彼の遠慮がちで自信のない性格がにじむ場面です。「自分から動く」のではなく「誰かに通してもらう」という選択そのものが、キャラクターを物語っています。

run it by には本来、ビジネスライクな「確認・根回し」の響きがありますが、ここでは恋愛の打診という気まずい用件に使われ、スチュアートの及び腰な距離の取り方が会話の温度を変えています。

レナードの Sure. I guess. という気のない返事も絶妙で、面倒ごとを引き受けてしまう彼の人の良さと、若干の戸惑いが同居しているのが伝わってきます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

run it by someone は、書類や案を相手の机の前を「すーっと通す」動きでイメージすると覚えやすくなります。相手のチェックポイントを一度通過させて、ハンコをもらうような感覚です。

スチュアートが、自分の願いをレナードという窓口に通し、その先のシェルドンへ届けようとしたように、run it by は案を人から人へ「通していく」フレーズです。何かを相手の目の前に走らせて、反応を待つ——その横移動のイメージと一緒に覚えてみてください。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「run it by someone」

確認や根回しの場面で活躍するフレーズです。3つの例文で、使いどころを見ていきましょう。

Let me run it by my manager before I confirm.
(確定する前に、上司に確認させてください。)
ビジネスでの定番表現です。即答を避け、一度上に通してから返事をする、という丁寧な保留の言い回しになります。

Can you run this by the team and see what they think?
(これをチームに通して、みんながどう思うか見てもらえる?)
案を関係者に共有して意見を集めたいときの表現です。it の代わりに this や具体的な名詞を置くこともできます。

A: I’d love to plan a surprise party for Dad.
B: Sounds great. Let’s run it by Mom first, though.
(A:お父さんにサプライズパーティーを企画したいんだ。)
(B:いいね。でもまず、お母さんに一度確認しておこうよ。)
家族の相談の場面です。勝手に進めず「一応あの人に通しておこう」という、根回しのニュアンスがよく表れています。

あわせて覚えたい関連表現

run something past someone
(〜に話を通して意見をもらう)
by の代わりに past を使った、ほぼ同じ意味の表現です。run it by と run it past は入れ替えて使えることが多く、past の方がわずかに「ざっと目を通してもらう」響きがあります。

clear it with someone
(〜の許可・了承を得る)
こちらは「許可を取る」に重心がある表現です。run it by が「意見・反応を見る」のに対し、clear it with は正式なゴーサインをもらうニュアンスが強くなります。

check with someone
(〜に確認する)
最もシンプルな「確認する」表現です。run it by が具体的な案を「通す」のに対し、check with は予定や事実を尋ねる場面まで広く使えます。

Note|会議とメールに溶け込んだ run it by ―― 確認文化の定番フレーズ

run it by は、英語圏のビジネスシーンで驚くほど頻繁に使われる表現です。とりわけ、何かを独断で決めず「一度通しておく」という確認の作法と深く結びついています。

実際のオフィスでは、メールの結びに I’ll run it by my team and get back to you.(チームに確認して折り返します)と書いたり、会議で Before we finalize, let me run this by legal.(確定前に法務に通させてください)と発言したりと、決定を一段階保留して関係者のチェックを挟む場面で多用されます。日本語の「念のため確認」「一応通しておく」「根回し」に近い感覚で、組織の中で物事を慎重に動かすための潤滑油のような言い回しです。フォーマルすぎず、かといって乱暴でもない、ちょうど良い距離感がビジネスで重宝される理由でもあります。

スチュアートが恋愛の打診にこの表現を使ったのは、本来オフィス向きの「確認」のフレーズを、私的で気まずい用件に持ち込んだ点で少しおかしみがあります。run it by の「一度通しておく」感覚は、仕事でも私生活でも、相手の反応を確かめてから動きたいときに効いてきます。

確認の一言が、人と人のあいだをなめらかにしているのですね。

まとめ|決める前に「一度通しておく」一言

run it by someone は、自分の案や考えを相手に通して、意見や許可をもらうための表現です。run の「走らせる」が原義で、案を相手のところまで走らせて反応を見る、という横移動のイメージが核になります。

会議でもメールでも、家庭の相談でも、即断せずに「一応あの人に確認してから」と一拍置くとき、この一言があると話がなめらかに運びます。

何かを決める前に誰かの反応をうかがいたい場面で、確認の定番表現として、会話のレパートリーに加えてみてください。

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