「pick on」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S06E13で学ぶ英会話

「pick on」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

子どもの頃を振り返って、「あのとき、あの子にちょっとひどいことをしたな」と、ふと胸が痛くなる瞬間はありませんか。

そんな「特定の誰かをいじめる・からかう」という行為を表すのが「pick on」です。『ビッグバン★セオリー』シーズン6第13話の前半、女子3人がブランチで「彼らがヒーローものに夢中なのは、いじめられた反動かも」と語るうち、ペニーが昔いじめっ子だった自分を思い出すシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「pick on」の意味とニュアンス

pick on
意味:(特定の人を)いじめる、繰り返しからかう、目の敵にする

pick はもともと「(一つを)選んで摘み取る」「つつく」を表す動詞で、on は「対象に向かって」を示します。この2つが組み合わさることで、pick on は「大勢の中から特定の一人を選び出して、繰り返し攻撃の的にする」という意味になります。

ポイントは「狙い撃ち」と「繰り返し」のニュアンスです。たまたま一度からかうというより、いつも同じ相手を標的にしてつつき続ける、という継続性が含まれます。深刻ないじめから、軽いからかい、職場で一人だけ厳しく当たられる状況まで、対象になる「いじめ」の幅は広く、日常会話で非常によく使われる句動詞です。子どもがきょうだいげんかで使うような場面から、大人が誰か一人をやり玉に挙げる場面まで、幅広く活躍します。

【ここがポイント!】

  • 核は「群れから一羽を選んでつつく鳥」、狙い撃ちのイメージ
  • 一度きりでなく「いつも同じ相手を」という繰り返しがにじむ一言
  • bully より軽く、からかい〜本気のいじめまで広くカバーするのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S06E13のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

エイミーが「彼ら(オタクの男性陣)がヒーローに惹かれるのは、子どもの頃いじめられた反動だろう」と分析します。それを聞いたペニーが、かつて自分がいじめる側だったことを思い出して反省するのですが、その反省は長く続きません。

Amy: It’s probably because they were bullied growing up. In a world where you can’t fight back, superheroes provide meaningful wish-fulfillment.
(きっと子どもの頃にいじめられてたからよ。反撃できない世界では、ヒーローが意味のある願望成就を与えてくれるの)

Penny: Now I feel bad for picking on all those kids. Although, in my defence, if Danny Biffle didn’t want to eat a mouthful of dirt, he shouldn’t have shown up to school wearing a bow tie.
(今になって、あの子たちをいじめてたの悪かったなって思うわ。まあ、私の言い分としては、ダニー・ビッフルだって口いっぱいに土を食べたくなかったなら、蝶ネクタイで学校に来るべきじゃなかったのよ)

The Big Bang Theory Season6 Episode13(The Bakersfield Expedition)

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シーン解説と心理考察

一瞬よぎった罪悪感が、すぐさま自己弁護に上書きされていくところに、ペニーらしさが表れています。「悪かったな」と反省したそばから、「蝶ネクタイで来る方が悪い」と言い切る——その切り替えの早さが笑いを生んでいます。

ここで pick on が効いているのは、ペニーが昔ダニー・ビッフルという特定の一人を繰り返し標的にしていた、という背景がにじむからです。bully ではなく pick on を選ぶことで、深刻な暴力というより、子ども特有の「あの子をいつもからかう」軽さが会話の温度を作っています。本気で悔いているわけではないペニーの、どこか憎めない自己中心ぶりがこの一言に重なっています。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

鳥が地面をついばむとき、群れ全体ではなく、一粒のエサを選んで何度もくちばしでつつく——その動作を思い浮かべてみてください。pick(選んでつつく)+ on(その相手に向かって)で、「特定の一人を選んで繰り返しつつく」という pick on の核心が、絵として頭に入ります。

このシーンなら、ペニーが「蝶ネクタイの子」という一人をターゲットに選んでつつき続けた、という情景と結びつけると忘れません。群れの中から一羽を選ぶ鳥の動きと、いじめっ子が特定の標的を選ぶ構図を重ねれば、意味が体に残ります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「pick on」

特定の相手を繰り返し標的にする、その狙い撃ちの感覚を押さえると使いやすくなります。3つの場面で見てみましょう。

Stop picking on your little brother — he’s half your size.
(弟をいじめるのはやめなさい。あの子はあなたの半分の体格しかないのよ)
親が子どもを叱る場面です。家庭で日常的に飛び交う定番のフレーズで、力の差を背景にした「いじめ」をたしなめています。

The new manager seems to pick on me more than anyone else on the team.
(新しいマネージャーは、チームの誰よりも私ばかり目の敵にしている気がする)
職場の不満を打ち明ける場面です。自分だけが標的にされている、という「狙い撃ち感」を pick on がよく表しています。

A: Why do you always pick on the way I pronounce “schedule”?
B: Sorry, I’m not picking on you — I just think it’s cute.
(A:どうしていつも私の「schedule」の発音をからかうの? / B:ごめん、いじめてるんじゃないよ、ただかわいいなって思っただけ)
友人や恋人同士の会話です。繰り返しのからかいへの抗議と、その弁明という形で、pick on の「繰り返し」のニュアンスが生きています。

あわせて覚えたい関連表現

bully
(いじめる)
力関係を背景にした、より深刻で組織的ないじめを指す語です。pick on は軽いからかいから本格的ないじめまで幅広くカバーし、口語でより日常的に使われる点が違います。

make fun of
(〜をからかう、笑いものにする)
相手を「笑いの種にする」行為に焦点を当てた表現です。pick on が持つ「同じ相手を狙い続ける」継続性は薄く、その場のからかいを指すことが多いのが違いです。

give someone a hard time
(〜を困らせる、きつく当たる)
軽いからかいから本気の嫌がらせまで含む口語表現です。pick on と意味は近いものの、「特定の一人を標的にする」という狙い撃ちの色は pick on の方がはっきりしています。

Note|pick on と bully のニュアンスの違い

「いじめる」を英語にしようとすると、pick on と bully のどちらを使うか迷う場面が出てきます。この2つは、重さと使われる場面がはっきり異なります。

bully は、力の差を背景にした深刻で継続的ないじめを指す語です。暴力や脅し、執拗な精神的攻撃など、被害が大きく社会問題として語られるような「いじめ」には bully が選ばれます。名詞では「いじめっ子」そのものを指し、学校や職場のいじめ対策(anti-bullying policy など)といった文脈でも使われる、重みのある言葉です。一方の pick on は、もっと日常的で軽い場面までカバーします。きょうだいげんかで一方が他方をからかう、友達同士で誰か一人をいじる、職場で特定の人だけ厳しく当たられる——こうした「狙い撃ち」を、深刻さの度合いを問わず幅広く表せます。英語圏の親が子どもを叱るときの “Stop picking on your sister!” は定番の言い回しで、ここで bully を使うと大げさすぎる響きになります。つまり、同じ「いじめる」でも、pick on は軽さと繰り返しに、bully は深刻さと力関係に重心がある、という住み分けです。

劇中のペニーが picking on を選んだのも、子ども時代の「あの子をいつもからかっていた」という軽さに合っているからこそ。bully だったら、ここまで軽妙な笑いにはなりません。

言葉の重さを選び分けることで、いじめの度合いまで伝えられるのですね。

まとめ|ペニーの反省が長続きしない理由

pick on は、特定の一人を選んで繰り返しいじめる・からかうことを表す句動詞です。群れから一羽を選んでつつく鳥のように、「いつも同じ相手を狙う」という狙い撃ちと繰り返しが、この表現の芯にあります。

この一言が使えると、「いじめる」「からかう」「目の敵にする」といったニュアンスを、深刻さの度合いに応じて自然に表現できます。bully ほど重くせず、日常の軽いからかいから本気のいじめまで、幅広くカバーできるのも強みです。

きょうだいや友人とのちょっとしたやり取りを思い浮かべながら、会話のレパートリーに加えてみてくださいね。

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