「the nerve of some people」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S07E10で学ぶ英会話

「the nerve of some people」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

列に平気で割り込まれたり、借りたものを当然のように返してこなかったり。あまりに身勝手な振る舞いを目にして、思わず「図々しい人もいたものだ」と呆れた経験はありませんか。

そんな呆れの気持ちにぴったりの「the nerve of some people」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン7第10話の中盤、居候の段取りを妻に打ち明けるハワードが、他人事のようにつぶやくシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「the nerve of some people」の意味とニュアンス

the nerve of some people
意味:厚かましいにもほどがある、図々しい人もいたものだ

相手の厚かましい言動に呆れ、半ば感心するように吐き出す決まり文句です。直訳すると「一部の人々の(その)神経ときたら」。ここでの nerve は「神経」ではなく「図々しさ・ずぶとさ」を指していて、その図々しさを主役に立てた名詞句として使われます。

特徴的なのは、文の形を取らずに感嘆としてぽつりと放たれることが多い点です。”The nerve of some people!” と単独で言えば、それだけで「まったく、ずうずうしい人もいるものだ」という呆れがまるごと伝わります。さらに短く “The nerve!” だけでも成立します。誰かの無遠慮な振る舞いを見聞きして、怒りというより呆れに近い気持ちをこぼすとき、すっと口をついて出る表現です。

【ここがポイント!】

  • nerve はここでは「神経」ではなく「図々しさ・ずぶとさ」を指す一語
  • 文の形を取らず、感嘆としてぽつりと放たれることが多い表現
  • 怒りというより「呆れ」に近い温度で使うのが読みどころ

『ビッグバン★セオリー』S07E10のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

舞台はハワードとバーナデットの自宅。ハワードは、友人ラージが愛犬を連れて一週間も泊まりに来ることを、妻に小出しに白状していきます。犬まで連れてくると知ったバーナデットの反応を受けて、ハワードが放つのがこの一言です。

Bernadette: He’s bringing Cinnamon?
(シナモンも連れてくるの?)

Howard: For a whole week, the nerve of some people.
(まる一週間だぞ。図々しいにもほどがあるよ。)

The Big Bang Theory Season7 Episode10(The Discovery Dissipation)

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シーン解説と心理考察

このセリフの可笑しみは、言っている本人がいちばん図々しいという一点に尽きます。そもそもラージの長期滞在を勝手に決め、妻に黙っていたのはハワード自身。その張本人が、犬同伴という最後の事実を明かしながら「図々しい人もいたものだ」と呆れてみせるのですから、見事な棚上げぶりが表れています。

本来この台詞は、無遠慮なラージへの皮肉として放たれているはずです。ところが視聴者の側には「いや、いちばん図々しいのは君だ」というツッコミが自然と湧いてきます。話し手の意図と、観客に見えている事実とのズレ——そのギャップが笑いを生む構造になっています。the nerve of some people という、他人の厚かましさを嘆く定番句を、よりによって当の本人が口にする倒錯が、このシーンの読みどころと言えます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

日本語にも「いい度胸してる」「神経が太い」という言い回しがあります。the nerve of some people の nerve も、まさにこの「太い神経」のイメージです。普通なら遠慮するような場面でも、まるで動じずにずかずか踏み込んでくる——そんな相手の「ずぶとい神経」を思い浮かべてみましょう。

あまりの図々しさに、思わず天を仰いで「やれやれ」と肩をすくめる。その呆れのポーズと一緒に覚えると、このフレーズの温度感がつかめます。劇中では、誰より図々しいハワードがこの台詞を吐く倒錯がオチでした。「自分のことは棚に上げる人」とセットにして、呆れ顔の映像ごと手元に置いてみてください。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「the nerve of some people」

呆れを誘う身勝手な振る舞いは、日常のあちこちに転がっています。3つの場面で、この表現の使い方を見ていきましょう。

He cut in line right in front of me. The nerve of some people!
(彼、私の真ん前で列に割り込んだの。図々しい人もいたものだわ!)
理不尽な目にあって愚痴をこぼす場面です。出来事を述べたあと、感嘆として The nerve of some people! を添えるのが、最も典型的な使い方です。

She borrowed my charger and never gave it back. The nerve!
(充電器を借りておいて、結局返してこないのよ。図々しいったら!)
身勝手な相手への呆れを口にする場面です。短く The nerve! と切り上げるだけでも、十分に気持ちが伝わります。

A: They asked me to come in on my day off, no please, no thank you.
B: Wow, the nerve of some people.
(A:休みの日に出てこいって、お願いも感謝の一言もなしによ。)
(B:うわ、図々しい人もいたものだね。)
職場の不満を友人に聞いてもらう会話です。相手の話に「ほんと厚かましいね」と同調するとき、このフレーズが自然な相づちになります。

あわせて覚えたい関連表現

have some nerve (to do)
(よくも〜できるな、いい度胸だ)
こちらは主語を立てた文の形で、特定の相手を直接なじるときに使います。You have some nerve showing up here(よくもここに顔を出せたな)のように、面と向かって言うニュアンスです。今回のフレーズが相手を名指しせず一般化して呆れるのとは、向ける先が異なります。

have the audacity to do
(厚かましくも〜する)
audacity はやや改まった、文語寄りの語です。nerve がくだけた日常語なのに対し、audacity は少し硬い場面でも使えます。意味の重なりは大きい表現です。

have the gall to do
(ずうずうしくも〜する)
gall も「厚かましさ」を表しますが、nerve よりやや強い非難や怒りがこもります。同じ呆れでも、温度が一段高い言い方です。

Note|「神経(nerve)」が「度胸・図々しさ」を意味するようになった経緯

nerve を辞書で引くと、まず出てくるのは「神経」という訳です。それがなぜ「図々しさ」を意味するようになったのでしょうか。

鍵を握るのは、「神経の太さ」という比喩です。nerve はもともと体の神経や腱を指す語でしたが、そこから「物事に動じない強さ=度胸」という意味が生まれたとされます。緊張する場面でも神経が乱れず平然としていられる——そんな「肝の据わった」状態を、神経の太さになぞらえたわけです。興味深いのは、この「動じなさ」が二方向に枝分かれした点です。良い方向に振れれば「勇気・度胸」という褒め言葉になり、悪い方向に振れれば「ずぶとさ・図々しさ」というけなし言葉になります。”It takes nerve.”(度胸がいる)と “What a nerve!”(なんて図々しい!)が、同じ nerve から生まれているのはそのためだと言われます。日本語の「いい度胸」「神経が太い」も、褒めとあてこすりの両方に使える点でよく似ています。

the nerve of some people は、この枝分かれのうち「図々しさ」のほうに大きく傾いた表現です。語の成り立ちを知っておくと、なぜ「神経」が呆れの言葉になるのか、すっと腑に落ちます。

一つの語が褒めとけなしの両方を抱えている——そんな英語の奥行きが垣間見える一言です。

まとめ|ハワードの棚上げから学ぶ「呆れ」の一言

the nerve of some people は、相手の厚かましさに半ば感心しながら呆れる、その気持ちをまるごと包む表現です。nerve が持つ「ずぶとい神経」のイメージが、怒りとは少し違う、呆れの温度をうまく伝えてくれます。

列の割り込みでも、借りっぱなしでも、無遠慮な頼みごとでも、「まったく、図々しい人もいたものだ」とこぼしたい場面で、この一言があると気持ちがすっと言葉になります。文の形にせず、感嘆としてぽつりと放てるのも使い勝手のよさです。

誰より図々しい当人がこの台詞を吐くハワードの可笑しみとともに、この表現を会話のレパートリーに加えてみてください。

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