「hair of the dog」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S09E22で学ぶ英会話

「hair of the dog」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

飲みすぎた翌朝、ずきずきする頭を抱えながら「いっそ、もう一杯飲んだら楽になるかも」と、冗談半分に考えたことはありませんか。

そんな「迎え酒」を意味する「hair of the dog」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン9第22話、ワインの試飲会の翌朝、二日酔いのレナードと、なぜか普段飲まないはずのシェルドンが交わすシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「hair of the dog」の意味とニュアンス

hair of the dog
意味:迎え酒

hair of the dog は、二日酔いを治すために、また少しお酒を飲むこと、つまり「迎え酒」を意味する表現です。直訳すると「その犬の毛」となり、一見すると意味が結びつきませんが、これは hair of the dog (that bit you)(あなたを噛んだ犬の毛)という長い言い回しを省略した形です。「原因となったものと同じもので治す」という発想がもとになっています。お酒で二日酔いになったなら、その同じお酒を少し飲んで治す、というわけです。飲みすぎた翌朝に「迎え酒でもするか」と口にするような、カジュアルな場面で使われる俗語です。実際の効果のほどはともかく、英語圏では冗談まじりに広く使われる、お酒にまつわる定番のフレーズです。

【ここがポイント!】

  • 二日酔いを酒で迎え撃つ「迎え酒」を表す俗語
  • hair of the dog that bit you(噛んだ犬の毛)の省略形
  • 「原因と同じもので治す」という発想が核にある一言

『ビッグバン★セオリー』S09E22のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ワインの試飲会から一夜明けた朝。レナードが「ワインを飲みすぎた」と頭を抱えています。すると、普段はアルコールを口にしないはずのシェルドンまでもが、思いがけないことを言い出します。

Leonard: Ugh. Too much wine.
(うう。ワインを飲みすぎた。)

Sheldon: Oh, I overdid it myself last night. Hair of the dog.
(ああ、私も昨夜はやりすぎてね。迎え酒だ。)

The Big Bang Theory Season9 Episode22(The Fermentation Bifurcation)

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シーン解説と心理考察

普段アルコールを断固として避けているシェルドンが、しれっと「私もやりすぎた、迎え酒だ」と口にするギャップが、この場面の可笑しさです。前夜、バーナデットと「お酒なしで楽しむ夜」を過ごしていたはずのシェルドンが、なぜか二日酔いを語る ― その小さな矛盾が、続く「フランクとアリシアと話して気持ちが整理できた」という、つかみどころのない友人ネタへの布石になっています。hair of the dog という、いかにも飲んべえが使いそうな俗語を、お酒嫌いのシェルドンが涼しい顔で使うミスマッチに、このキャラクターらしいとぼけた可笑しさが表れています。何気ない朝の一場面に、ちょっとした引っかかりが仕込まれているのが見どころです。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

hair of the dog は、その由来となった言い伝えとセットで覚えるのが近道です。「噛みついた犬の毛を、その傷口に当てると治る」という昔の民間療法が元になっていて、「毒を以て毒を制す」ような発想だと知っておくと、「迎え酒」という意味が忘れにくくなります。普段は一滴も飲まないはずのシェルドンが、何食わぬ顔で Hair of the dog. と言ってのける、あの意外なシーンを思い出せば、「二日酔いを酒で治す」というイメージがそのまま記憶に残ります。

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例文で覚える「hair of the dog」

hair of the dog は、二日酔いの朝に冗談まじりで使う、カジュアルな表現です。3つの例文で、使われ方を見ていきましょう。

I feel awful this morning. Maybe a little hair of the dog will help.
(今朝は最悪な気分だ。ちょっと迎え酒でもすれば楽になるかも。)
二日酔いの朝にこぼす、最も典型的な使い方です。a little hair of the dog のように、ちょっとした量を示す言葉と一緒に使われることがよくあります。

They swear by hair of the dog, but doctors disagree.
(彼らは迎え酒の効果を信じて疑わないが、医者は反対している。)
迎え酒の是非を話題にする場面です。swear by ~(〜の効果を固く信じる)と組み合わせると、「効くと信じている人もいる」というニュアンスが出ます。

A: You’re pouring a beer at brunch?
B: Hair of the dog. Trust me, it works.
(A:ブランチからビール飲むの?)
(B:迎え酒だよ。まあ見てて、効くから。)
友人同士のくだけた会話です。なぜ朝から飲むのかを、一言 hair of the dog で説明できる便利な表現です。

あわせて覚えたい関連表現

hangover
(二日酔い)
飲みすぎた翌日の、あの不快な症状そのものを指す単語です。hair of the dog が「二日酔いを治す手段(迎え酒)」なのに対し、hangover は「治したい症状」そのものなので、セットで覚えておくと便利です。

fight fire with fire
(火をもって火を制す)
同じ手段で対抗する、という意味の表現です。「原因と同種のもので対処する」という発想が hair of the dog と共通しており、そのお酒バージョンが迎え酒だと考えると、つながりが見えてきます。

sleep it off
(寝て酔いを覚ます)
お酒や体調不良を、ひと眠りして治すことです。迎え酒で治そうとする hair of the dog とは正反対の、より健全な対処法を表します。

Note|噛んだ犬の毛で傷を治す ― hair of the dog の由来

「その犬の毛」が、なぜ「迎え酒」を意味するのか。この不思議な表現の背後には、古い言い伝えが隠れています。

hair of the dog は、もともと hair of the dog that bit you(あなたを噛んだ犬の毛)という、より長い形だったとされています。これは中世ヨーロッパの民間療法に由来すると言われており、狂犬に噛まれてしまったとき、その傷を治すには、噛んだ当の犬の毛を傷口に当てればよい、という考え方があったそうです。「病の原因となったものを、治療にも使う」という、現代の目には少々あやうく映る発想です。この「原因と同じもので治す」という考え方が、やがてお酒の世界に転用されたと言われています。お酒で二日酔いになったのなら、その同じお酒を少し飲めば治る ― そうして hair of the dog が「迎え酒」を指すようになったとされています。元の犬の話はすっかり影を潜め、今ではもっぱらお酒の文脈で使われる表現として定着しています。医学的な効果には議論があるものの、表現そのものは英語圏で広く親しまれ続けています。

普段飲まないシェルドンが涼しい顔で Hair of the dog. と言ったのも、この表現がそれだけ日常に溶け込んだ、お決まりの言い回しだからこそでした。

犬の毛から迎え酒へ。言葉の旅を感じさせる一語です。

まとめ|「迎え酒」を一言で表す英語

hair of the dog は、二日酔いを治すためにまた少しお酒を飲む「迎え酒」を意味する表現でした。hair of the dog that bit you(噛んだ犬の毛)という古い言い伝えを省略した形で、「原因と同じもので治す」という発想が核にあります。

飲みすぎた翌朝の会話や、お酒の席でこの一言をさらりと使えると、ネイティブとの距離がぐっと縮まります。お酒にまつわる場面に出会ったときに hair of the dog が浮かぶよう、表現の引き出しに加えてみてください。

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