海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
緊張したり気まずくなったりすると、つい冗談を言って場を和ませようとしてしまう。そんな自分の癖に心当たり、ありませんか。
そんな性分を言い表す「rely on humour」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン10第5話、留守のはずの自宅に侵入者の気配を感じて怯えるハワードとバーナデットのシーンから、一緒に見ていきましょう。
「rely on humour」の意味とニュアンス
rely on humour
意味:ユーモアに頼る、冗談で切り抜ける
rely on ~ は「~を頼みにする」「~を当てにする」という、依存や信頼を表す基本の型です。humour と組み合わせると、困難な状況をユーモアで乗り切ろうとする性質を言い表します。
緊張・不安・気まずさといった、扱いにくい空気のある場面で、冗談を言って場を和ませようとする――そんなふるまいを指すときに使われます。rely on は中立的に「~に頼る」を表す表現で、目的語を luck(運)や preparation(準備)、team(チーム)などに替えれば、さまざまな「頼る対象」を語れます。なお humour はイギリス式の綴りで、アメリカ式では humor と書きますが、意味は同じです。
【ここがポイント!】
- 核は「ストレスという重みを、ユーモアという支えに預ける」イメージ
- 緊張や気まずさを冗談でほぐそうとする性質を言い表す表現
- rely on の後ろを入れ替えれば、運・準備・人など何にでも応用できるのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S10E05のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
侵入者の気配に気づき、寝室に閉じこもったハワードとバーナデット。電話は階下に置いてきてしまい、手元にはiPadだけ。パニック気味のバーナデットに対して、ハワードはこんな調子で冗談を飛ばします。
Howard: What are we gonna do, e-mail 911?
(どうするんだ、911にメールでもするのか?)Bernadette: That’s not helpful.
(役に立たないわよ)Howard: You know I rely on humour in times of stress.
(僕がストレスのときユーモアに頼るの、知ってるだろ)Bernadette: Let me know when you start, because that wasn’t funny.
(始めたら教えてね。今のは面白くなかったから)The Big Bang Theory Season10 Episode5(The Hot Tub Contamination)
シーン解説と心理考察
パニックの場面でおどけてみせるハワードのふるまいは、恐怖や緊張を笑いで紛らわせる防衛反応として読み取れます。本人もそれを自覚していて、「ストレスのときはユーモアに頼る性分だ」とわざわざ言語化しているのが可笑しいところです。
それを受けるバーナデットの「始めたら教えてね(=今のはまだ面白くない)」という切り返しが、このやり取りの肝になっています。怖がりながらも夫のジョークを冷静に採点してみせる余裕に、二人の力関係までうかがえます。緊張した状況なのに、夫婦の掛け合いとしてはいつもの調子が崩れていない――そのギャップが見どころと言えます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
rely on の on は、「~の上に体重を預ける」イメージで捉えてみてください。壁に寄りかかる(lean on)ように、ストレスという重荷を「ユーモア」という支柱に預けて、なんとか立っている姿です。
このシーンのハワードは、侵入者の恐怖という重圧を、冗談という頼りない支柱で支えようとしています。けれどバーナデットには「その支柱、まだ機能してないよ」と一蹴されてしまう。重みを何かに預ける動作を思い描くと、rely on の「頼る・依存する」という核心が体の感覚として残ります。
例文で覚える「rely on humour」
rely on は後ろの語を替えるだけで幅広く使える便利な型です。humour 以外の使い方も含めて、3つの例文で感覚をつかみましょう。
I tend to rely on humour when I’m nervous.
(緊張すると、つい冗談に頼っちゃうんだ)
自分の性格を打ち明ける場面です。tend to と組み合わせると「~しがち」という癖のニュアンスが出ます。
Don’t rely on luck; rely on preparation.
(運に頼るな、準備に頼れ)
助言や激励の一言です。rely on の目的語を入れ替えるだけで、対比の効いた力強いメッセージが作れます。
A: How do you stay so calm before presentations?
B: Honestly, I just rely on humour to break the ice.
(A:プレゼン前にどうしてそんなに落ち着いていられるの?)
(B:正直、緊張をほぐすのにユーモアに頼ってるだけだよ。)
緊張対策を尋ねる往復のやり取りです。break the ice と一緒に使うと、ユーモアが何のための頼みの綱なのかがはっきり伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
depend on
(~に頼る、~次第である)
rely on とほぼ同義ですが、depend on は「~に左右される」「~次第だ」という条件的な意味でも使われます(It depends. など)。頼る対象だけでなく、結果を左右する要因も表せる点が違います。
count on
(~を当てにする、頼りにする)
count on は「期待して当てにする」という感情的な信頼が強めの表現です。rely on がより中立的に「依存する」を表すのに対し、こちらは相手への期待がにじみます。
fall back on
(いざというとき~に頼る、最後の手段にする)
fall back on は「ほかがダメなときの予備として頼る」点が特徴です。日常的・継続的に頼る rely on とは、頼るタイミングが異なります。
Note|rely on と depend on と count on ―― 「頼る」三兄弟の使い分け
「頼る」と訳される英語はいくつもありますが、rely on・depend on・count on の三つは特に混同しやすい顔ぶれです。
三つはどれも「~に頼る」と訳せますが、にじむ温度が少しずつ違います。rely on は最も中立的で、「~を当てにして物事を進める」という淡々とした依存を表します。ハワードの rely on humour も、「ストレス時にはユーモアという手段を使う」という習慣的・中立的なニュアンスです。depend on は「~に左右される」という条件的な意味を併せ持ち、It depends.(時と場合による)のように単独でも使われます。count on は count(数える)が語源にある通り、「あてにして勘定に入れる」という、相手への期待や信頼が込もった表現です。You can count on me.(任せて)と言えば、「私を計算に入れていい=頼っていい」という心強い響きになります。同じ「頼る」でも、淡々と頼るのか、条件次第なのか、期待を込めて頼るのか――この差を意識すると訳し分けが利いてきます。
ハワードが count on humour ではなく rely on humour と言ったのも、期待というより「いつもの習慣として手を伸ばす」感覚に近いからだと読めます。
頼る言葉の選び方一つに、その人の構えがにじみます。
まとめ|怖いときこそ冗談に手を伸ばすハワード
rely on humour は、緊張や不安をユーモアでほぐそうとする性質を言い表す表現です。何かに体重を預けるイメージで rely on を捉えると、「頼る・依存する」という核心が感覚的につかめます。
rely on は後ろの語を替えるだけで、運にも準備にも人にも応用できる便利な型です。さらに depend on・count on との温度差を押さえておけば、「頼る」という一語を、場面に応じて細やかに使い分けられるようになります。
怖いときこそ冗談に手を伸ばすハワードの姿を入り口に、この使い勝手のよい表現を、英語の引き出しに加えてみてください。


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