海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
思い通りにならないことがあって、つい不機嫌をあらわにして周りを困らせてしまう人、身の回りにいませんか。
そんなときにぴったりの「throw a tantrum」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン10第12話の冒頭、レナードがシェルドンの困った性格をペニーに説明するシーンから、一緒に見ていきましょう。
「throw a tantrum」の意味とニュアンス
throw a tantrum
意味:かんしゃくを起こす、駄々をこねる
tantrum は「(主に子どもの)かんしゃく」を表す名詞で、throw a tantrum でその発作的な不機嫌を「ぶちまける」イメージになります。本来は、おもちゃ売り場で泣き叫んで床に転がる幼児のような、手のつけられない感情の爆発を指す表現です。そこから転じて、大人が理不尽に不機嫌になったり、思い通りにならず感情的に騒いだりする様子にも比喩的に使われます。throw のかわりに have や pitch を使って have a tantrum、pitch a tantrum と言うこともあり、いずれも「かんしゃくを起こす」という意味は変わりません。子どもの行動が原義であるぶん、大人に対して使うと「子どもっぽい」という含みが乗るのが特徴です。
【ここがポイント!】
- 核は「子どものかんしゃくをぶちまける」イメージで、tantrum 一語が発作的な不機嫌を表す
- 大人に使うと「子どもじみている」という皮肉がにじむ、表情のある言い回し
- have a tantrum / pitch a tantrum と言い換えても意味は同じと覚えておくのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S10E12のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。クリスマスパーティーの準備中、ペニーとレナードが部屋の飾りを片付けています。もうこの部屋に住んでいないシェルドンでも、季節外れの物には過敏に反応する——レナードがその困った几帳面さを例を挙げて説明する場面です。
Penny: Yeah, but he doesn’t live here anymore.
(そうだけど、彼はもうここに住んでないでしょ)Leonard: Well, he doesn’t live at Walmart, but he still threw a tantrum when he saw Marshmallow Peeps after Easter.
(まあ、ウォルマートにも住んでないけど、イースターの後にマシュマロピープスを見てかんしゃくを起こしたんだぞ)The Big Bang Theory Season10 Episode12(The Holiday Summation)
シーン解説と心理考察
季節外れのお菓子を店頭で見ただけで大の大人が騒ぎ出す、というエピソードに、シェルドンの極端な几帳面さが表れています。レナードはあきれた口調で語っていますが、その裏には長年ルームメイトとして付き合ってきた者ならではの、妙な親しみもにじむ場面です。throw a tantrum という、本来は幼児に向ける言葉をシェルドンに当てはめることで、彼の言動が子どものように映ることが会話の温度に重なっています。しかも直後にレナードが「同じ男がイースター後にピープスが買えないと文句を言う」と矛盾を指摘しており、シェルドンの理屈の通らないこだわりが笑いとして響きます。大人を子ども扱いするこの言葉選びが、シーンの可笑しさを支えていると言えます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
スーパーの床に寝転がって手足をバタバタさせ、泣き叫ぶ幼児の姿を思い浮かべてみてください。その感情のかたまりを、周囲に向かって「投げつける(throw)」のが throw a tantrum です。tantrum という耳慣れない単語も、「タントラム=バタバタ暴れる音」と結びつけると記憶に残ります。劇中では、その幼児の姿がそのまま大の大人のシェルドンに重なります。マシュマロ菓子を見て怒り出す几帳面な天才物理学者を思い描けば、「大人が子どものかんしゃくを起こす」という比喩の可笑しさごと、フレーズが頭に焼きつきます。
例文で覚える「throw a tantrum」
子どものかんしゃくにも、大人の理不尽な不機嫌にも使えるフレーズです。3つの場面で、その幅を見てみましょう。
My toddler threw a tantrum in the supermarket because I wouldn’t buy him candy.
(お菓子を買ってあげなかったので、うちの子はスーパーでかんしゃくを起こした。)
最も典型的な、幼児のかんしゃくを語る場面です。子育ての話題で日常的に登場する使い方です。
There’s no point in throwing a tantrum; it won’t change anything.
(かんしゃくを起こしても無駄だよ。何も変わらないんだから。)
感情的になっている相手をなだめる場面。動名詞 throwing の形も自然に使えます。
A: Did the meeting go okay?
B: Not really. The boss threw a tantrum when the numbers came in low.
(A:会議はうまくいった?)
(B:いまいち。数字が低かったとき、上司がかんしゃくを起こしたんだ。)
職場での出来事を語るやり取り。大人に使うことで「子どもじみた振る舞い」という皮肉がにじみます。
あわせて覚えたい関連表現
throw a fit
(かっとなる、かんしゃくを起こす)
throw a tantrum とほぼ同じ意味のカジュアルな言い回しです。fit は「発作」が原義で、より突発的にかっとなるニュアンスが強めです。
have a meltdown
(感情が爆発する、取り乱す)
怒りだけでなく、ストレスや疲れで気持ちが崩壊する様子も含みます。throw a tantrum より「制御不能になった」度合いが強い表現です。
act up
(ぐずる、行儀悪くふるまう)
子どもや機械が「いつもと違う困った動きをする」ことを広く指します。泣き叫ぶ激しさは必ずしも伴わず、throw a tantrum よりおとなしめの困りごとに使えます。
Note|大人に使うと辛辣になる、子どもの言葉
throw a tantrum は本来、幼児のかんしゃくを描写する言葉です。ところが劇中のように大人に向けて使われると、ただ「怒った」と言う以上の含みが生まれます。
英語には、子どもの行動を表す言葉を大人にあてて「子どもじみている」と暗に批判する言い回しがいくつもあります。throw a tantrum もその一つで、相手の怒り方を「分別ある大人のものではなく、駄々をこねる幼児のレベルだ」と位置づける効果を持ちます。たとえばニュース記事やゴシップで、有名人が現場で不機嫌になった様子を the actor threw a tantrum on set と書くとき、そこには「いい大人が」というあきれや皮肉が含まれています。劇中でレナードがシェルドンに対してこの言葉を使うのも同じ構図で、季節外れのお菓子に過剰反応する天才物理学者を、まるで聞き分けのない子どものように描いています。同じ「怒った」でも got angry や got upset では出せない、相手を一段下に見るトーンがこのフレーズには乗っているわけです。
こうした背景を知っておくと、throw a tantrum を使うときの距離感が見えてきます。自分の子どものかんしゃくを語る場面では微笑ましく、大人に向ける場面では辛辣になる——同じ表現でも相手によって温度が変わることが読み取れます。
言葉の含みを知ると、使う場面の選び方が変わります。
まとめ|シェルドンの「駄々」から学ぶ一言
throw a tantrum は、思い通りにならず感情を爆発させる「かんしゃく」を表すフレーズです。tantrum という子どものかんしゃくが原義にあり、それを「投げつける」イメージが言葉の芯になっています。
この一言を持っておくと、誰かの理不尽な不機嫌を、ただ「怒っていた」と言うより生き生きと描けるようになります。大人に使えば「子どもみたいだった」という皮肉も込められる、表情豊かな表現です。
季節外れのお菓子に騒ぐシェルドンの姿とともに、throw a tantrum を表現の引き出しに加えてみてください。


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