「get on someone’s bad side」の意味と使い方|『CHUCK』S01E09で学ぶ英会話

「get on someone's bad side」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

「あの人だけは怒らせないほうがいいよ」と、こっそり忠告された経験はありませんか。

そんなときに使える「get on someone’s bad side」を、『CHUCK』シーズン1第9話の中盤、クラブのオーナー、スタヴロスがチャックに、元恋人ルーの激しい気性を面白おかしく忠告するシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「get on someone’s bad side」の意味とニュアンス

get on someone’s bad side
意味:〜の機嫌を損ねる、〜に嫌われる

英語には、人には good side(好意を向ける面)と bad side(怒りや敵意を向ける面)があるという発想があります。その bad side のほうに「乗り込む(get on)」=相手の怒りを買う・嫌われる、という意味になるイディオムです。

ポイントは、相手の感情を「側(side)」という空間として捉えているところです。get on someone’s bad side で「機嫌を損ねる立場になる」、be on someone’s bad side なら「すでに嫌われている状態」を表せます。逆に stay on someone’s good side(好かれる側にとどまる)と言えば「気に入られておく」になり、good / bad を入れ替えるだけで好悪の両方を表現できます。「怒らせると厄介な相手」について忠告するときの定番で、ビジネスでも日常でも使われる言い回しです。

【ここがポイント!】

  • 人の感情を good side / bad side という二つの「面」で捉える発想が下敷き
  • bad side に「乗り込む」=機嫌を損ねる、good side なら「気に入られる」
  • get on で「立場になる」、be on で「すでにその状態」と使い分けられる

『CHUCK』S01E09のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

任務でクラブに潜入したチャックは、恋人ルーの元彼でもあるオーナー、スタヴロスと言葉を交わします。スタヴロスは警戒するでもなく、むしろ元恋人ルーを「情熱的なイタリアン」と評し、その気性をからかい半分に忠告します。チャックにとっては、恋人の意外な一面を外から知らされる、ややきまりの悪い場面です。

Stavros: You don’t want to get on her bad side. Fiery italian.
(彼女の機嫌を損ねないほうがいいぞ。情熱的なイタリアンだからな。)

Chuck Season1 Episode9

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シーン解説と心理考察

スタヴロスが「get on her bad side」と忠告する一言には、脅しというより面白がるような余裕がにじむ場面です。元恋人ルーを「fiery italian(情熱的なイタリアン)」と表しながら、その激しさを警告として差し出すあたりに、プレイボーイらしい軽やかさが表れています。

「機嫌を損ねるな」という忠告を、深刻にではなく軽口として渡すことで、スタヴロスの大人びた余裕が見どころになっています。チャックにとっては、付き合いはじめたばかりの恋人の知らない顔を、よりによって元彼から教わるという気まずさが会話の温度を変えています。短いセリフながら、三者の微妙な関係が一言に重なっています。

『CHUCK』流・覚え方のコツ

人の心には「好かれる側(good side)」と「怒らせる側(bad side)」の二つの面がある、と想像してみてください。その人の bad side のほうに、うっかり足を踏み入れてしまう——それが get on someone’s bad side です。相手の地雷エリアに踏み込むイメージを重ねると、意味がすっと入ってきます。

スタヴロスが「彼女の bad side には行くなよ」とニヤリと忠告する場面を思い出すと、「機嫌を損ねる=怒りの側に入り込む」という発想が記憶に残りやすくなります。対になる stay on someone’s good side(好かれる側にとどまる)とセットで覚えるのがコツです。

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例文で覚える「get on someone’s bad side」

怒らせると厄介な相手について忠告するとき、自然に使えます。場面を変えて三つの使い方を見てみましょう。

Trust me, you don’t want to get on the manager’s bad side.
(本当だよ、あの店長の機嫌を損ねないほうがいい。)
厄介な相手について忠告する場面です。劇中とほぼ同じ形で、「怒らせると面倒だぞ」という警告として最もよく使われます。

Try not to get on the client’s bad side during the negotiation.
(交渉中はクライアントの不興を買わないように気をつけて。)
仕事で重要な相手と接する場面です。フォーマルな場でも「機嫌を損ねないように」という注意として自然に使えます。

A: Why is everyone so careful around Ms. Reed?
B: She’s been on the boss’s bad side ever since the meeting, so they don’t want to be next.
(A:どうしてみんなリードさんに気を遣ってるの?)
(B:あの会議以来ずっと上司に嫌われててね。次は自分かもって思ってるんだよ。)
事情を説明する会話です。be on someone’s bad side の形で「すでに嫌われている状態」を表せる点に注目すると、使い方が広がります。

あわせて覚えたい関連表現

rub someone the wrong way
(〜をイラッとさせる、神経を逆なでする)
言動がなんとなく相手を不快にさせることを表します。get on someone’s bad side が「明確に嫌われる立場になる」結果に焦点があるのに対し、こちらは「無意識に苛立たせる」過程に焦点がある点が違います。

get in someone’s bad books
(〜に嫌われる、不興を買う)
主にイギリス英語で使われる、ほぼ同義の表現です。bad books(悪い帳簿)に名前が載るというイメージで、bad side が「面」なのに対し、こちらは「記録」に見立てている点が面白いところです。

cross someone
(〜に逆らう、〜の機嫌を損ねる)
相手に逆らったり裏切ったりして怒らせることを表します。get on someone’s bad side よりも「対立する」方向が強く、より深刻な敵対のニュアンスを含みます。

Note|人の感情を good side / bad side で捉える発想

英語では、人の好き嫌いを get on someone’s bad side のように「側(side)」という空間で表します。日本語の「機嫌を損ねる」が気持ちの状態変化を表すのに対し、英語は「好意の面」と「敵意の面」を分け、その間を出入りするものとして描きます。この発想の違いが、なかなか面白いところです。

この比喩のおもしろさは、人の感情を「自分が立つ位置」によって変わるものとして捉えている点にあります。good side にいれば好かれ、bad side に入れば嫌われる。つまり相手の感情は固定ではなく、こちらの振る舞いしだいで「側」を移動できる、という前向きな含みがあります。だからこそ stay on someone’s good side(好かれる側にとどまる)のように、能動的に「いい側」を選ぶ言い方も自然になります。同じ side の発想は、take someone’s side(味方する=その人の側に立つ)、on the safe side(安全な側=念のため)などにも広がっており、英語が立場や態度を「空間上の位置」として捉える感覚がよく表れています。日本語に訳すと「機嫌を損ねる」「嫌われる」になりますが、「相手の悪い側に自分から入り込む」という空間的なイメージまでは、ひとことでは移しきれません。

スタヴロスが「彼女の bad side に行くな」と忠告したのも、ルーの感情を固定的な性格ではなく、接し方しだいで出入りする「側」として捉えているからこそ。だから脅しではなく、軽い助言として響きます。

好悪を「立つ場所」で語る感覚は、人間関係を少し気楽にしてくれるのかもしれません。

まとめ|スタヴロスの忠告から学ぶ、「機嫌を損ねる」の言い方

get on someone’s bad side は、相手の怒りを買う・嫌われることを、「悪い側に入り込む」という発想で表せる表現です。人の感情を good side / bad side という二つの面で捉える英語の感覚に支えられています。

怒らせると厄介な相手について忠告するときも、すでに嫌われている状態を説明するときも使え、good / bad を入れ替えれば「気に入られる」も表せます。get on で「立場になる」、be on で「すでにその状態」と、形で意味を調整できる便利な一言です。

怒らせたくない相手のことを、さらりと伝えられる、そんな表現です。

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