「rough patch」の意味と使い方|『CHUCK』S01E12で学ぶ英会話

「rough patch」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

仲のいいカップルや夫婦でも、ふとした時期に少しぎくしゃくしてしまう、ということ、ありますよね。

そんな「一時的にうまくいかない時期」をやわらかく言い表す「rough patch」を、『CHUCK』シーズン1第12話の中盤、ポーカーに集まった男たちの前で、デヴォンがエリーとの不仲をこぼすシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「rough patch」の意味とニュアンス

rough patch
意味:困難な時期、(関係などが)ぎくしゃくした一時期

patch は「(土地や物事の)一区画・一時期」を指す言葉です。rough は「でこぼこの・荒れた」。この二つが組み合わさって、rough patch は「荒れた一区画の時期」、つまり物事が一時的にうまくいかない局面を表します。

この表現の大事なところは、「一時的である」というニュアンスが含まれている点です。深刻な破綻ではなく、「今はちょっと荒れているけれど、やがて抜けるだろう」という、回復を前提とした言い方になります。だからこそ、恋愛・夫婦関係・仕事・健康など幅広い場面で、状況の不調を深刻になりすぎずに伝えたいときに選ばれます。go through a rough patch(困難な時期を通り抜ける)や hit a rough patch(困難な時期にぶつかる)という形でよく使われます。

【ここがポイント!】

  • 核は「荒れた一区画の時期」、でこぼこ道を通り抜けるイメージ
  • 「一時的でやがて抜ける」という回復前提の響きがある一言
  • 深刻になりすぎず、不調をやわらかく伝えたいときに便利

『CHUCK』S01E12のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

男たちが集まるポーカーの夜。理想的な体育会系で「完璧な彼氏」に見えるデヴォンが、めずらしく弱気な様子で、恋人エリーとの間に生じた不和を打ち明けます。

Devon: Guys, Ellie and I are just going through a little rough patch, trying to figure–
(なあ、エリーと俺は、ちょっとうまくいってない時期でさ、何とかしようと……)

Big Mike: Let me share one thing that I know from personal experience–
(ひとつ、俺の経験から言わせてくれ……)

Chuck Season1 Episode12(Chuck Versus the Undercover Lover)

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シーン解説と心理考察

デヴォンの言葉選びがにじむ場面です。彼はエリーとの不和を「別れそうだ」とも「険悪だ」とも言わず、a little rough patch と表現しています。little を添えることで、深刻さをさらにやわらげ、「乗り越えられない話じゃない」という前向きさをにじませているのが伝わってきます。

ふだんは何でも完璧にこなすデヴォンが、ここでは言葉を濁しながら本音を漏らします。その不器用さが、かえって彼の人間味を見せています。rough patch という、深刻すぎない大人の言い回しを選ぶあたりに、関係を壊したくないという気持ちが表れています。男同士の気楽なポーカーの席だからこそ、ぽろりと出た一言として響きます。

『CHUCK』流・覚え方のコツ

rough patch は、車やバイクで「がたがたした、でこぼこの一区画」を通り抜ける場面を思い浮かべると覚えやすくなります。道全体が悪いのではなく、ある一区画だけが荒れている。そこを抜ければ、また平らな道に戻る。この「一部分だけ・一時的」という感覚が、rough patch の意味そのものです。

このシーンのデヴォンも、エリーとの関係が完全に終わったとは思っていません。今はたまたま、でこぼこの区画にさしかかっているだけ。やがて抜けられるはず、という気持ちが a little rough patch という言葉ににじんでいます。でこぼこ道の一区画を思い描くと、表現と心情が重なって記憶に残ります。

例文で覚える「rough patch」

人間関係から仕事まで、不調を語るときに広く使えるこのフレーズを、3つの例文で見ていきましょう。

Our marriage hit a rough patch last year, but we’re doing great now.
(去年、結婚生活がちょっと危うい時期もあったけど、今はすごくうまくいってるよ。)
過去を振り返る場面です。hit a rough patch で「一時的に困難にぶつかった」ことを、深刻すぎないトーンで伝えています。

The company is going through a rough patch financially.
(会社は今、財政的にちょっと厳しい時期にあってね。)
仕事の状況を語る場面です。恋愛だけでなく、組織や事業の不調にも自然に使えます。

A: You’ve seemed a little down lately. Everything okay?
B: Yeah, just going through a rough patch. It’ll pass.
(A:最近ちょっと元気ないみたいだけど、大丈夫?)
(B:うん、ちょっと不調な時期ってだけ。そのうち抜けるよ。)
友人を気づかう場面です。It’ll pass(そのうち過ぎる)と添えることで、rough patch の「一時的」という前提がはっきり伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

go through a hard time
(つらい時期を過ごす)
意味は近いですが、hard time のほうがより率直に「つらい」と伝える表現です。rough patch は「一区画・一時的」という軽さがある分、深刻さをやわらげたいときに向いています。

hit a bump in the road
(障害にぶつかる、つまずく)
こちらも「道のでこぼこ」の比喩で、rough patch と発想が似ています。ただし bump は「ひとつの段差・つまずき」という単発のニュアンスで、rough patch の「ある程度続く一時期」とは長さの感覚が少し違います。

under the weather
(体調がすぐれない)
こちらは主に体調不良に使う表現です。rough patch が状況や関係の不調を幅広く指すのに対し、under the weather は「ちょっと具合が悪い」に限定される点で使い分けられます。

Note|patch が持つ「一時的な区画」という感覚

rough patch のニュアンスを正しくつかむ鍵は、patch という単語が持つ独特の語感にあります。

patch はもともと「布の継ぎ当て」や「畑の一区画」を指す言葉です。a patch of grass(草地の一区画)、a vegetable patch(家庭菜園の一画)のように、「全体の中の、ある限られた部分」を表します。ここから時間にも転用され、「ある限られた一時期」という意味でも使われるようになりました。つまり patch には、空間的にも時間的にも「全部ではなく、一部分」という限定の感覚が最初から備わっているのです。この「一部分」という語感があるからこそ、rough patch は「ずっと荒れている」のではなく「今だけ荒れている一時期」というニュアンスになります。同じ「つらい時期」でも、a bad time が漠然と期間全体を指しうるのに対し、a rough patch は「やがて抜ける、区切られた一画」という含みを持ちます。回復が前提に組み込まれている、と言ってもいいでしょう。

このシーンでデヴォンが a rough patch を選んだのも、まさにこの語感が効いています。「今はこの区画にいるだけ」という前提が、別れを口にしたくない彼の気持ちとぴたりと合っています。

単語の成り立ちを知ると、表現の選び方の意味が見えてきます。

まとめ|デヴォンの本音から学ぶ「一時的な不調」の言い方

rough patch は、「一時的にうまくいかない時期」を、深刻になりすぎずに伝える表現でした。patch が持つ「全体の中の一区画」という語感が、「やがて抜ける」という前向きな含みを支えています。

この一語を知っていると、自分や誰かの不調を語るときに、重くなりすぎないちょうどよい言い方ができるようになります。go through a rough patch、hit a rough patch という形までセットで覚えておけば、人間関係でも仕事でも、状況をやわらかく共有できます。

完璧に見えるデヴォンがぽろりとこぼした本音を入り口に、不調をやわらかく伝える表現として、会話のレパートリーに加えてみてください。

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