海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
いよいよ本番という直前になって、急に不安が押し寄せて足がすくむ――そんな経験はありませんか。
今回の表現は「get cold feet」。大きな決断や約束の直前に怖じ気づく、という意味の定番表現です。『CHUCK』シーズン3第2話の後半、婚約者を装っていたカリーナを、武器商人カールが疑い始める緊迫のシーンから、一緒に見ていきましょう。
「get cold feet」の意味とニュアンス
get cold feet
意味:怖じ気づく、土壇場でためらう、二の足を踏む
get cold feet は、いざ実行という段になって、不安や恐れから決心が鈍ることを表します。特に結婚・契約・大きな挑戦の直前にためらう場面で頻出する、定番のイディオムです。
直訳は「足が冷たくなる」。緊張で血の気が引き、足がすくんで動けなくなる――その身体感覚が、そのまま「怖じ気づく」の比喩になっています。get でも have でも使え、get cold feet は「怖じ気づく(動作)」、have cold feet は「怖じ気づいている(状態)」というニュアンスの違いがあります。have cold feet about …(〜に二の足を踏む)のように、about で対象を続けることもできます。
【ここがポイント!】
- 「足が冷たくなって動けない」という身体感覚から「怖じ気づく」を覚えるのがコツ
- 結婚・契約・挑戦など、大きな決断の直前のためらいにぴたりとはまる表現
- get なら「怖じ気づく(動作)」、have なら「怖じ気づいている(状態)」と使い分けられる
『CHUCK』S03E02のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
カールは、婚約者カリーナ(実はスパイ)が電話を返さないことに不審を募らせています。表向きは恋人らしい不安を装いながら、内心では彼女の正体を疑い始めている――そんな二重の緊張をはらんだ場面です。
Karl: Smooshy… you haven’t been returning my calls. I was starting to think you’ve been getting cold feet.
(スムーシー……君、僕の電話に出てくれないね。僕は、君が怖じ気づいてるんじゃないかと思い始めてたよ)Karl: Last night somebody stole something very valuable from me. Now I’m thinking you’re not who you say you are.
(昨夜、誰かが大事な物を盗んでいった。君は名乗っている通りの人物じゃないと思い始めてる)Chuck Season3 Episode2(Chuck Versus the Three Words)
シーン解説と心理考察
カールの「getting cold feet」は、表向きの意味と裏の意味が二重写しになって響く一言です。文字通りに取れば「結婚に怖じ気づいたの?」という、婚約者への甘い問いかけ。けれどその裏で、カールは彼女がスパイではないかと疑い始めており、言葉の奥には冷たい猜疑が潜んでいます。
「get cold feet」は結婚直前のためらいを語る定番表現で、婚約という文脈にぴたりとはまります。だからこそ、ロマンチックな響きと危険な疑念が同居するこの場面で使われると、表現そのものが緊張をはらんで見えてきます。優しい呼びかけ「Smooshy」と並ぶことで、その落差が会話の温度をひそかに下げています。甘い言葉が刃に変わる瞬間が、この一言に重なっています。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
結婚式の祭壇へ向かう直前、花婿の足がぴたりと止まり、冷たい汗とともにすくんで動けなくなる――そんな絵を思い浮かべると、get cold feet が掴めます。足が冷えて前に踏み出せない、というそのまま身体の感覚が、「怖じ気づく」の意味になっています。
カールが婚約者に「怖じ気づいたの?」と問うこの場面と重ねると、「結婚・約束の直前にためらう」という典型的な使い方が、そっくりそのまま記憶に残ります。
例文で覚える「get cold feet」
結婚から契約、本番直前まで、「土壇場でためらう」を表したいときに活躍します。3つの場面で感覚を掴んでみましょう。
He got cold feet the day before the wedding.
(彼は結婚式の前日に怖じ気づいた。)
最も典型的な、結婚直前のためらいの場面です。get cold feet の代表的な使い方として、まず押さえておきたい一文です。
I was going to sign the contract, but I got cold feet.
(契約にサインするつもりだったが、土壇場でためらってしまった。)
ビジネスの決断の場面です。大きな契約や投資の直前に踏みとどまる、という使い方ができます。
A: You’re up next — ready to give your speech?
B: Honestly, I’m getting cold feet. My hands are shaking.
(A:次は君の番だよ。スピーチの準備はいい?)
(B:正直、怖じ気づいてきた。手が震えてる。)
本番直前の会話です。getting cold feet と進行形にすると、「今まさに怖じ気づきつつある」臨場感が出ます。
あわせて覚えたい関連表現
have second thoughts
(考え直す、迷いが生じる)
have second thoughts は冷静に再検討して迷うこと。get cold feet は恐れや不安から土壇場でためらう点で、より感情的な揺れを含みます。
chicken out
(びびって尻込みする)
chicken out は「臆病で逃げ出す」くだけた表現で、実際にやめてしまう含み。get cold feet はためらう段階を指し、まだやめると決まったわけではありません。
back out
(約束や計画から手を引く)
back out は実際に降りる・撤回する行動を指します。get cold feet はその手前の心理状態で、迷いはあってもまだ引き返してはいない段階です。
Note|「冷たい足」が「怖じ気づく」になった由来
カールが疑念を込めて口にした get cold feet。なぜ「足が冷たくなる」が「怖じ気づく」を意味するようになったのでしょうか。
この表現は19世紀末頃の英語で「勇気を失う」の意味で使われ始めたとされ、由来にはいくつかの説があります。よく挙げられるのが、戦場の比喩です。寒さで足が冷えてかじかんだ兵士が前線へ進めなくなる様子から、「いざという時に動けなくなる=怖じ気づく」へつながった、という見方です。また、ドイツ語やイタリア語に「足が冷たい」を「金がない・勝負から降りる」の意味で使う古い表現があり、それが英語に影響したとする説も語られます。賭博の場で「もう続けられない」と手を引く状況とも結びつけられてきました。どの説が決定的かは確定していませんが、「冷えて動けなくなる身体感覚」と「決断の直前にひるむ心理」が重なって定着したことは共通して見て取れます。
そう考えると、結婚という人生の大勝負を前にしたカリーナに、カールが「怖じ気づいたの?」と問う場面は、この表現の核心をそのまま突いていると言えます。
身体の冷えと心のひるみが重なって生まれた言葉、というのは味わい深いものです。
まとめ|「土壇場でためらう」をひと言で
get cold feet は、いざという直前に不安や恐れから決心が鈍ることを、身体感覚そのままに表せる定番のイディオムです。結婚・契約・挑戦など、大きな決断の手前でひるむ場面にぴたりとはまります。
get なら「怖じ気づく」動作、have なら「怖じ気づいている」状態、と使い分けられると表現の幅が広がります。have second thoughts や chicken out との違いを押さえておくと、ためらいの度合いを的確に言い分けられます。
大事な一歩の前で足がすくんだとき、その気持ちを言葉にできる一語として、表現の引き出しに加えてみてください。
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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)


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