海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
信頼していた相手に、思いもよらないところで足をすくわれて、「まさかあの人が」と裏切られた経験はありませんか。
そんな痛みを言い表す「stab someone in the back」を、『CHUCK』シーズン3第15話、手本だったはずのスパイ夫妻に出し抜かれたサラが、反撃を決意するシーンから、一緒に見ていきましょう。
「stab someone in the back」の意味とニュアンス
stab someone in the back
意味:(人を)裏切る、背後から刺す
直訳は「(人を)背中から刺す」。正面からではなく、相手が無防備に背中を見せている状態を突く——その卑劣さが核にあります。だから単なる裏切りより、「信頼関係を悪用した」という非難の色がぐっと濃くなります。仲間や同僚、友人など、信用していた相手の寝返りや陰での妨害を語るときに使われ、強い怒りや傷つきの感情を伴うのが特徴です。受け身の feel stabbed in the back(裏切られた気がする)の形もよく使われます。日本語の「背中を刺す」「寝首をかく」とも発想が近く、イメージで覚えやすい表現です。
【ここがポイント!】
- 「無防備な背中を刺す」という、信頼を悪用した卑劣さが核
- 単なる裏切りより、怒りや傷つきの感情がストレートに乗る表現
- feel stabbed in the back(裏切られた気がする)の受け身でもよく使う一言
『CHUCK』S03E15のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
模範と慕っていたベテラン夫妻ターナーに出し抜かれ、ソフトを奪われたチャックとサラ。落ち込むチャックに対し、サラは夫妻がうっかり漏らした手がかりを頼りに反撃へと転じます。被害者から「追う側」へ、立場を切り替えるサラの強さが出る場面です。
Sarah: Well, they might if they already had a buyer for the software. They picked the wrong couple to stab in the back.
(もう買い手がついているなら、まだこの辺りにいるかも。裏切る相手を間違えたわね)Chuck: Here we go.
(さあ、行くぞ)Chuck Season3 Episode15(Chuck Versus the Role Models)
シーン解説と心理考察
サラの They picked the wrong couple to stab in the back には、裏切られた悔しさと闘志が同居しています。信じていた手本に背後から刺された——そのショックを引きずるどころか、彼女はすぐに「相手を間違えたわね」と、反撃の構えへ切り替えてみせます。落ち込むチャックを引っ張り上げる、実務家サラの芯の強さがこの一言に表れています。stab in the back という生々しい表現が、「ただ裏切られた」では済まない感情の温度を会話に与えています。直前まで意気消沈していた空気を、サラの一言が一気に動かし、チャックの Here we go(行くぞ)が二人の再起のスイッチとして響きます。短いやりとりの中に、被害から反撃への切り替わりが凝縮された場面です。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
このフレーズは、字面そのものが強烈な絵になります。相手を信頼して、安心して背中を見せた瞬間——その無防備な背中に、ナイフがぐさりと突き立てられる。「無防備な背中」と「裏切りの一撃」、このセットを思い浮かべるだけで意味が体に入ってきます。日本語の「寝首をかく」とも響き合うイメージです。劇中では、模範と慕っていたターナー夫妻に出し抜かれたチャックとサラの「信じていたのに」という思いが、まさに背後から刺された構図そのもの。サラの「相手を間違えたわね」という反撃の一言とセットで思い出せば、このフレーズの怒りと闘志まで一緒に記憶に残ります。
例文で覚える「stab someone in the back」
信頼の裏切りを語る、感情のこもった表現です。3つの場面で見てみましょう。
I trusted him, and he stabbed me in the back by taking credit for my work.
(彼を信じていたのに、私の成果を横取りして裏切られた)
信頼していた同僚の裏切りを語る場面です。怒りをこめて使う、最も典型的な形です。
She felt stabbed in the back when her best friend shared her secret.
(親友に秘密を漏らされて、彼女は裏切られた気がした)
受け身 feel stabbed in the back の形です。傷ついた側の気持ちを描写する自然な使い方です。
A: Why are you so upset with your business partner?
B: He smiled to my face and stabbed me in the back the next day.
(A:どうしてそんなにビジネスパートナーに怒ってるの?)
(B:面と向かっては笑顔で、翌日には裏で裏切られたんだ)
裏切りの経緯を説明する往復のやりとりです。「面前の笑顔」との対比が、卑劣さを際立たせています。
あわせて覚えたい関連表現
betray someone
((人を)裏切る)
最も一般的で硬めの「裏切る」です。stab in the back のような身体的な生々しさはなく、より抽象的・中立的に裏切りを述べるときに向いています。
sell someone out
((人を)売る、見捨てて裏切る)
自分の利益のために相手を引き渡したり、密告したりするニュアンスです。本エピソードでもチャックの台詞に登場し、「信頼の悪用」より「利益のための裏切り」に焦点があります。
double-cross someone
((人を)二重に裏切る、騙し討ちする)
いったん協力するふりをして裏切る、計略性の強い表現です。本エピソードのターナー夫妻の手口とも直結し、「巧妙な騙し」の色合いが濃くなります。
Note|betray より「生々しい」理由
「裏切る」を表す英語には betray もありますが、stab someone in the back のほうが、ずっと感情がこもって聞こえます。その差はどこから来るのでしょうか。
理由は、この表現が「身体的な刺突」のイメージを伴うことにあります。betray は「裏切る」という行為を抽象的に述べる語です。一方 stab in the back は、ナイフが背中に突き立てられる生々しい場面を、聞き手の頭に直接描かせます。だから怒りや痛み、「よくも」という感情がストレートに乗るのです。信頼して背中を見せた相手にやられた、という構図が、裏切りの卑劣さをいっそう際立たせます。
この「信頼の悪用」というイメージは古くからあり、しばしば、味方であったブルータスに刺されたとされるカエサル暗殺の逸話が引き合いに出されます。背後からの一突きが「信義への裏切り」を象徴する——その発想は、長い歴史を通じて受け継がれてきました。
だから個人的な裏切りを、感情を込めて語る場面でこの表現は選ばれます。劇中でサラが、手本に出し抜かれた悔しさを stab in the back に託すのも、まさにこの生々しさゆえなのです。
まとめ|「無防備な背中への一突き」で覚える stab someone in the back
stab someone in the back は、信頼していた相手に裏切られることを、背後からの刺突になぞらえた表現です。無防備な背中を突かれる構図をイメージすれば、なぜ強い怒りや傷つきを伴うのかが直感的につかめます。
この言い回しを知っておくと、海外ドラマや映画で誰かが stabbed in the back と言ったとき、「ただ裏切られただけじゃない、信頼を悪用された痛みなんだ」とその感情の深さまで読み取れます。betray との違いを押さえれば、裏切りの温度を英語で言い分けられるようになります。
信じた相手に背中を刺される——その痛烈なイメージを手がかりに、stab someone in the back を表現の引き出しに加えてみてください。
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