「don’t hold your breath」の意味と使い方|『CHUCK/チャック』S03E16で学ぶ英会話

「don't hold your breath」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

「来週には返すよ」「春にはリリースします」——そんな口約束を聞いて、内心「まあ、当てにはできないな」と冷めた目で受け流したこと、ありませんか。

その皮肉まじりの諦めを運ぶ「don’t hold your breath」、つまり期待しない方がいいという意味の表現を、『CHUCK/チャック』シーズン3第16話の後半、精神科施設で元スパイのマーリンがチャックに自虐的に告げるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「don’t hold your breath」の意味とニュアンス

don’t hold your breath
意味:期待しない方がいい、待っても無駄だよ、当てにするな

don’t hold your breath は、何かが起きることへの過度な期待を、皮肉まじりに戒める口語表現です。直訳すると「息を止めるな」となりますが、その裏には独特の発想が隠れています。

人は何かを今か今かと待つとき、思わず息を詰めます。そこにこの表現は、「実現を期待して息を止めていたら、酸欠で倒れてしまうほど待たされるぞ」=「そんなに早くは(あるいは、まず)起きないよ」という冷ややかな含みを乗せます。期待で息を止める→いつまでも来ない、という流れを思い描くと、なぜ「息を止めるな」が「期待するな」になるのかが見えてきます。

完全な否定(絶対にあり得ない)というより、「期待するほど簡単には・早くは起きない」という現実主義的なトーンが核です。皮肉や諦め、ときに自嘲を込めて使われます。

【ここがポイント!】

  • 核は「期待して待っても、そう簡単には起きないよ」という冷ややかな含み
  • 「息を止めて待つ→窒息するほど来ない」という発想から生まれた皮肉
  • 完全否定ではなく、「過度な期待を戒める」現実主義的なトーン

『CHUCK/チャック』S03E16のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

入院させられたチャックは、自分のチーム(サラやケイシー)がきっと迎えに来てくれると信じています。ところが、同じ施設にいる元スパイのマーリンが返したのは、長い待ちぼうけを物語る一言でした。

Chuck: Has my team contacted you yet?
(それで、僕のチームはもう君に連絡してきた?)

Merlin: Ugh, don’t hold your breath. I’ve been waiting for my team since ’93.
(はあ、期待しないほうがいいぞ。俺なんか、93年からずっとチームを待ってる。)

Chuck: What? His team? Who is this guy? He’s nuts.
(え? 彼のチーム? この人いったい誰なの? イカれてるよ。)

Chuck Season3 Episode16(Chuck Versus the Tooth)

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シーン解説と心理考察

迎えを信じて疑わないチャックに、「93年から待ってる」という途方もない年月が冷や水を浴びせる場面です。don’t hold your breath の皮肉が、笑いと切なさを同時に運んでいます。

このやり取りが効いているのは、マーリンの長年の待ちぼうけが、チャック自身の最大の恐怖——「正気を失い、見捨てられるかもしれない」——を映す鏡になっているからです。コミカルな一言の奥に、チャックの未来の暗い可能性がそっと重なっています。笑える場面でありながら、諦めの色がにじむ会話になっています。

『CHUCK/チャック』流・覚え方のコツ

「息を止めて(hold your breath)、その時を待つ」自分の姿を思い浮かべてみてください。何かを今か今かと待つとき、人は思わず息を詰めます。でも——それを待って息を止め続けていたら、窒息してしまう。つまり「そんなに早くは来ないよ」という皮肉が、この表現の核です。

劇中では、迎えを信じるチャックに、93年から待ち続けている元スパイのマーリンが「息止めて待つなよ」とぼやいていました。あの「期待で息を止める→いつまでも来ない→ため息」という、笑えるのに切ない流れごと覚えておくと、否定命令の don’t の形も自然に頭に残ります。

例文で覚える「don’t hold your breath」

皮肉と諦めの混じったこの表現を、3つの場面で見てみましょう。

He said he’d pay me back next week, but don’t hold your breath.
(彼は来週返すって言ってたけど、まあ期待しないほうがいいよ。)
当てにならない口約束に釘を刺す場面です。「皮肉まじりの諦め」という、この表現の最も典型的な使い方です。

I’m hoping for a raise this year, but I’m not holding my breath.
(今年は昇給を期待してるけど、まあ当てにはしてないよ。)
一人称・否定の進行形にして、自分の願望を控えめに語った例です。自嘲のニュアンスがよく出ます。

A: Do you think he’ll finally apologize?
B: Ha. Don’t hold your breath.
(A:彼、さすがに今度こそ謝ると思う?)
(B:はっ。期待しないほうがいいよ。)
謝りそうにない相手についての会話です。短い反語的なやり取りで、冷ややかな諦めが際立ちます。

あわせて覚えたい関連表現

don’t get your hopes up
(あまり期待しないほうがいいよ)
ほぼ同義ですが、don’t get your hopes up のほうが「がっかりさせたくない」という思いやり寄りのトーンになりやすい表現です。don’t hold your breath は皮肉・諦めの色がより濃くなります。

fat chance
(見込み薄、まずあり得ない)
fat chance は「可能性はほぼゼロ」と切って捨てる反語的なスラングです。don’t hold your breath は「待っても無駄」という時間軸(待っても来ない)に焦点がある点が異なります。

when pigs fly
(ありえない、そんなの起きるわけがない)
when pigs fly は「豚が空を飛ぶ日=絶対に来ない」とユーモラスに完全否定します。don’t hold your breath は「絶対ない」とまでは言わず、「期待するほど簡単には起きない」という冷ややかな現実主義の点で温度が違います。

Note|「息を止める」がなぜ「期待するな」になったのか

don’t hold your breath を初めて見ると、「息を止めるな」がどうして「期待するな」になるのか、不思議に感じるかもしれません。その答えは、hold one’s breath という動作の意味にあります。

hold one’s breath は本来、「(緊張や期待で)息を詰める」動作を指します。試験の合格発表を待つとき、大事な一打の行方を見守るとき——人は無意識に息を止めます。つまり「息を止めて待つ」は、「強く期待して待ち望む」ことの身体的なあらわれなのです。そこに否定命令の don’t を付けると、「息を止めて待つほど、それは近くない」という反語が生まれます。息を止めたまま待っていたら、実現する前に酸欠で倒れてしまう——だから期待するだけ無駄だ、というわけです。この発想を知ると、ただの「期待するな」より一段冷ややかで、ユーモアを含んだ響きが理解できます。

英語には、こうした「まず起きない」をユーモアと皮肉で包んで伝える表現が豊富にあります。fat chance(見込み薄)や when pigs fly(豚が空を飛ぶ日)もその仲間です。直球で「無理だよ」と突き放すのではなく、おどけた言い回しに諦めを忍ばせて共有する——そんな英語圏の感覚が、これらの表現にはよく表れています。劇中のマーリンが、長年の待ちぼうけを「don’t hold your breath」と自虐まじりに言ったのも、深刻になりすぎずに諦めを口にできる、この表現の絶妙な温度があってこそです。

直訳の奇妙さの裏にある「息を止めて待つ」という発想をつかむと、この表現がぐっと忘れにくくなります。

まとめ|マーリンの自嘲に学ぶ「期待するな」の一言

don’t hold your breath は、何かが起きることへの過度な期待を、皮肉まじりに戒める表現です。「息を止めて待つほど近くはない」という発想から生まれており、完全否定ではなく「そう簡単には起きない」という冷ややかなトーンを持ちます。

この一言を知っておくと、当てにならない口約束や、叶いそうにない願望について、深刻になりすぎず、ユーモアを交えて受け流せるようになります。相手にやんわり釘を刺すときにも、自分の願望を自嘲気味に語るときにも使えます。

迎えを信じるチャックに冷や水を浴びせる、マーリンのあの自虐的な一言とセットで、この表現をあなたの英語の引き出しに加えてみてください。

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