「all hands on deck」の意味と使い方|『CHUCK』S04E19で学ぶ英会話

「all hands on deck」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

締め切り直前や突然のトラブルで、「もう全員で当たるしかない!」という総力戦モードに突入した——そんな瞬間を経験したことはありませんか。

今回は、そんな「総動員」を表す「all hands on deck」を、『CHUCK』シーズン4第19話の後半、潜伏した容疑者をチーム全員で追い詰めるワンシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「all hands on deck」の意味とニュアンス

all hands on deck
意味:総動員で、全員参加で、みんなで一斉に取りかかって

帆船の時代、嵐などの緊急時に乗組員全員(all hands)を甲板(deck)に集めた号令が、この表現の由来です。そこから、「全員で一斉に取りかかる」「総力を挙げる」という比喩へと広がりました。締め切り直前、緊急事態、繁忙期など、もう一部の人手では足りず、全員の協力が必要な場面で使われます。「傍観していられる者はいない、全員で当たれ」という、総力戦の合図のような響きを持つ表現です。

【ここがポイント!】

  • 核は「全員(all hands)を甲板(deck)へ集める」帆船の緊急号令のイメージ
  • 締め切り・緊急・繁忙期など、全員の協力が要る場面で使う一言
  • it’s all hands on deck / need all hands on deck の形で状況を宣言できる

『CHUCK』S04E19のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

爆弾魔と断定された容疑者ルイスが、基地キャッスルの中に潜伏。逃げ場のない相手を追い詰めるべく、サラがチーム全員での捜索を促します。罠だらけの相手を前にした、クライマックス手前の緊迫した場面です。

Sarah: We’re gonna need all hands on deck. Lewis is in Castle with nowhere to go. That guy can build a bomb out of anything. Watch for trip wires, booby-traps.
(総動員が必要になる。ルイスはキャッスルの中で逃げ場がない。あいつは何からでも爆弾を作れる。仕掛け線やブービートラップに気をつけて。)

Chuck: Yeah, also remember it’s important that we capture this guy alive.
(ああ、それに——この男は必ず生きたまま捕らえる、それが重要だってことも忘れないで。)

Chuck Season4 Episode19 (Chuck Versus the Muuurder)

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シーン解説と心理考察

サラの all hands on deck という一言が、事態がもう個人技では手に負えない局面に入ったことを告げているところが見どころです。何からでも爆弾を作れる相手、罠だらけの基地——この状況で必要なのは、一部の腕利きではなく、全員が持ち場を捨てて一斉に当たる総力戦です。このフレーズは「もう誰も傍観していられない」という号令として、危機のスケールを一気に引き上げる働きをしています。一方でチャックが「生け捕りにすること」を付け加えるあたりに、勢いに流されず事件の全容解明を優先する、リーダーとしての冷静さがのぞきます。緊迫を高めるサラの号令と、目的を見失わないチャックの補足。two人の呼吸が、クライマックス前の緊張を的確に組み立てていると言えます。

『CHUCK』流・覚え方のコツ

このフレーズは、嵐に巻き込まれた帆船で、船長が「全員、甲板へ!(All hands on deck!)」と叫び、乗組員が総出で帆やロープに取りついている光景をイメージすると覚えやすくなります。もう見張りだけ、当番だけでは足りない。全員の手が要る——その切迫感が核心です。爆弾魔ルイスを追い詰めるため、サラが「総動員が必要よ」と号令をかけるあの緊張感。「全員で一斉に動く」空気と結びつければ、all hands on deck =「総力戦・全員参加」がしっかり頭に残ります。

例文で覚える「all hands on deck」

締め切り前の職場でも、突発的な緊急事態でも使えるのがこの表現です。3つの場面で感覚をつかんでみましょう。

The deadline is tomorrow, so it’s all hands on deck tonight.
(締め切りは明日だから、今夜は全員総動員だ。)
締め切り前に全員の協力を求める場面です。it’s 〜 の形で状況を宣言する、ビジネスで最も多いパターンです。

When the pipe burst, it was all hands on deck to stop the flooding.
(パイプが破裂したときは、浸水を止めるのに全員総出だった。)
突発的なトラブルに全員で対処した話をする場面です。緊急事態に人手を総動員するという、語源に忠実な使い方です。

A: We’re short-staffed for the launch this weekend.
B: I know. We’ll need all hands on deck to pull it off.
(A:今週末のローンチ、人手が足りないんだ。)
(B:分かってる。成功させるには、全員の力が必要になるね。)
大きなイベントを前に協力を呼びかける会話です。need all hands on deck の形で、「全員の力が要る」と伝えています。

あわせて覚えたい関連表現

pitch in
(協力する、手を貸す)
pitch in は、個々人が「手伝いに加わる」という動作を表します。all hands on deck が「全員が総動員される状況・号令」を指す名詞句である点で、スケールが異なります。

rally the troops
(仲間を奮い立たせて結集させる)
rally the troops は「士気を高めて人を集める」という働きかけに力点があります。all hands on deck が「全員が取りかかっている状態」そのものを表すのとは、視点が少し違います。

many hands make light work
(多くの手があれば仕事は楽になる)
協力の効能を説くことわざです。all hands on deck が「今すぐ全員で当たれ」という緊急の号令であるのに対し、こちらは協力の価値をゆったり語る表現で、目的が異なります。

Note|帆船の号令から生まれた「総動員」

「総動員」を、なぜ英語は「甲板(deck)」という言葉で表すのでしょうか。その答えは、帆船時代の海の上にあります。

all hands on deck は、帆船の緊急号令に由来するとされています。嵐が近づいたときや戦闘に入るときなど、船が総力を挙げて対応しなければならない事態では、非番で休んでいる者も含めた乗組員全員を、いっせいに甲板へ呼び集める必要がありました。そのときの号令が、文字どおり「全員(all hands)、甲板(deck)へ!」だったわけです。ここで面白いのが hands という語です。海事英語では、乗組員や働き手のことを hand と呼ぶ慣習があり、deckhand(甲板員)という言葉にもその名残があります。つまり all hands とは「すべての働き手」を意味していたのです。この切迫した号令が、やがて船を離れ、「もう全員で当たるしかない緊急事態」を表す日常表現へと広がっていったとされています。

サラが容疑者を追い詰めるために「総動員が必要」と告げたあの号令も、まさにこの帆船の号令と地続きです。逃げ場のない相手を前に、チーム全員を「甲板」へ呼び集める——そんな緊張感が、この一言には込められています。

嵐の海で響いた号令が、今も危機の合図として生きている言葉なのです。

まとめ|サラの号令が告げる「総力戦」の合図

all hands on deck は、帆船の緊急号令に由来し、「全員で一斉に取りかかる」総動員を表す表現でした。もう一部の人手では足りない、全員が持ち場を捨てて当たるしかない——そんな切迫感が核心にあります。

締め切り直前の職場でも、突発的な緊急事態でも、「総力戦だ」という合図として自然に使える一言です。pitch in との規模の違いも意識しておくと、場面に応じて選び分けられます。

逃げ場のない相手をチーム全員で追い詰める、あの緊迫した号令を思い浮かべながら、この表現をあなたの会話のレパートリーに加えてみてください。

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