海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
「今日はなんだかピザが食べたい気分」「今はちょっと出かける気分じゃない」——そんなふうに、その時々の気分を口にすることは、毎日のようにあるものです。
そんなときにぴったりの「in the mood for」を、スパイコメディ『CHUCK』シーズン5第11話の後半、危険な状態のサラを救うため、望みの薄い策にチャックが乗り気になるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「in the mood for」の意味とニュアンス
in the mood for
意味:〜したい気分だ、〜が欲しい気分だ
mood は「気分」。in the mood for は、「今その気分になっている」と、欲求や乗り気を軽く伝える表現です。for のあとには名詞または動名詞が来て、in the mood for pizza(ピザが食べたい気分)、in the mood for dancing(踊りたい気分)のように使います。前置詞 in が使われているのは、英語が気分を「その中に入っている状態・空間」として捉えているためで、気分の中に身を置いているイメージです。否定形の not in the mood(for)なら、「そんな気分じゃない」と気乗りしないことを、角を立てずに伝えられます。食べ物・活動・娯楽など、「今〜したい・欲しい」という気分を、押しつけがましくなく示せる、日常会話の定番表現です。
【ここがポイント!】
- 「気分(mood)の中に入っている」という in の発想で、「今〜したい気分だ」を表す
- for のあとに名詞・動名詞を置く(in the mood for pizza / for dancing)のが基本形
- 否定形 not in the mood なら「そんな気分じゃない」と角を立てずに断れるのがコツ
『CHUCK』S05E11のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
インターセクトの副作用で危険な状態に陥ったサラを救うため、エリーが「望みは薄いが、抑制装置を自作できるかもしれない」と提案します。チャックは迷わず「その分の悪い賭けに乗りたい気分だ」と即答します。愛する人を救うためなら、どんな賭けにも挑む——チャックの覚悟がにじむ場面です。
Ellie: I think that there might be a way for you to build a suppression device. It’s a real long shot.
(あなたなら抑制装置を作れるかもしれない。かなり分の悪い賭けだけど)Chuck: I’m in the mood for a long shot.
(今は、その分の悪い賭けに乗りたい気分なんだ)Chuck Season5 Episode11 (Chuck Versus the Bullet Train)
シーン解説と心理考察
絶望的な状況を前にしても、チャックがあえて前向きな一言で受けて立つ姿勢が伝わってきます。エリーが口にした long shot(分の悪い賭け)を、チャックがそのまま I’m in the mood for a long shot と返す——この言葉の受け渡しが、深刻な提案をユーモアと決意で引き受けるチャックらしさをよく表しています。本来「〜したい気分だ」と軽く気分を述べる in the mood for を、命がかかった賭けに重ねることで、恐れよりも「やってやる」という乗り気が前面に出るのが見どころです。愛する人を救うためなら望み薄の策にも迷わず飛び込む、チャックの一途さがにじむ場面と言えます。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
in the mood for は、心の中に「〜したい」という気分の波が満ちてきて、その流れにすっと乗っていく——そんな様子を思い浮かべると覚えやすい表現です。前置詞 in が示すとおり、気分という空間の「中に入っている」状態で、for のあとに来るもの(ピザ・散歩・賭け)へと気持ちがすでに向いています。チャックが絶望的な状況を「その賭けに乗りたい気分だ」と前向きに引き受ける場面に、気分の波に乗る感覚を重ねれば、「今〜したい気分だ」という手触りが体に残ります。
例文で覚える「in the mood for」
in the mood for は、食べ物・活動・娯楽など、「今〜したい・欲しい」気分を軽く伝えるときに使えます。場面を変えた3つの例文で、その使い勝手を確かめてみましょう。
I’m in the mood for some pizza tonight.
(今夜はピザが食べたい気分だな。)
夕食を選ぶ場面です。食べ物の話題で使う、このフレーズの最も典型的なかたちです。
She was in the mood for something sweet after dinner.
(彼女は夕食後、何か甘いものが欲しい気分だった。)
食後のデザートを語る場面です。過去形にして、そのときの気分を振り返る使い方もできます。
A: Do you want to go out tonight?
B: Honestly, I’m not really in the mood for a party right now.
(A:今夜出かけない?)
(B:正直、今はあんまりパーティーって気分じゃないんだ。)
誘いを軽く断る会話です。否定形の not in the mood for を使うと、角を立てずに「気乗りしない」と伝えられます。
あわせて覚えたい関連表現
feel like
(〜したい気がする、〜が欲しい気がする)
ほぼ同義で、最も口語的な言い方です(feel like pizza / feel like going)。in the mood for のほうが「その気分に乗っている」感覚をやや強調します。
be up for
(〜に乗り気だ、やる気がある)
「誘いに乗る・やる気がある」ことに焦点があります。in the mood for は「今の自分の気分」に軸があり、必ずしも他者からの誘いを前提としない点が違います。
fancy
(〜が欲しい、〜したい)
主にイギリス英語の口語で、Do you fancy a coffee?(コーヒーでもどう?)のように使います。in the mood for はアメリカ英語でも自然に使える、汎用的な言い回しです。
Note|mood を「入って出たりする状態」と捉える in の発想
「in the mood for」を見ていると、なぜ前置詞が in なのだろう、と気になるかもしれません。ここには、英語が「気分」というものをどう捉えているかが表れています。
英語では、気分や状態を「その中に入ったり出たりする空間」のように捉える言い方がよく見られます。in the mood(その気分の中にいる)はまさにその発想で、気分を、自分が入り込んだり抜け出したりできる状態として扱っています。だからこそ否定形は not in the mood、つまり「その気分の外にいる」となり、「そんな気分じゃない」を自然に表せます。同じ発想は in a good mood(機嫌がいい)、in love(恋している)、in trouble(困った状況にある)、in shock(ショック状態にある)などにも共通していて、感情や状態を「出入りできる場所」として言い表しています。日本語では「気分になる」「気分が乗る」のように、気分を自分の内側で「なる・動く」ものとして捉えることが多く、英語の「空間に入る」発想とは少し手触りが違います。この違いを知っておくと、in the mood for の in が、単なる決まり文句ではなく、英語らしい捉え方の一部だと見えてきます。
チャックのセリフに戻ると、I’m in the mood for a long shot は「今、分の悪い賭けをしたい気分の中にいる」という言い回しでした。in が示す「その気分に入り込んでいる」感覚が、彼の前のめりな覚悟をよく映しています。
同じ「気分」でも、どう捉えるかで言葉の形が変わりますね。
まとめ|チャックの覚悟から学ぶ「〜したい気分だ」の一言
in the mood for は、気分を「その中に入っている状態」として捉える in の発想から、「今〜したい気分だ」を表す日常表現でした。for のあとに名詞や動名詞を置き、否定形にすれば角を立てずに気乗りしないことも伝えられます。
食べたいもの、やりたいこと、乗りたい話——その時々の気分を軽やかに口にしたいとき、この一言があると、押しつけがましくなく自分の気持ちを示せます。
望み薄の賭けに「乗りたい気分だ」と迷わず飛び込んだチャックのこの表現を、あなたの会話のレパートリーに加えてみてください。
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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)


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