「take this wrong」の意味と使い方|『フレンズ』S01E11で学ぶ英会話

「take this wrong」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

相手にちょっと失礼かもしれないことを言う前に、「気を悪くしないでほしいんだけど」と前置きしたくなる瞬間は、誰にでもあるのではないでしょうか。

今回の「take this wrong」は、まさにそんなときに使う、言いにくいことを切り出すためのクッション表現です。シットコム『フレンズ』シーズン1第11話、奔放な作家として知られるチャンドラーの母ノラに、ロスが思わず本音をこぼしてしまうシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「take this wrong」の意味とニュアンス

take this wrong
意味:これ(この言葉)を悪く受け取る

take this wrong は、直訳すると「これを間違って受け取る」となり、多くの場合 don’t を付けた don’t take this wrong(悪く取らないで)の形で使われます。これから言うことが相手の気分を害するかもしれない、と感じたときに、先回りして添えるひとことです。

take には「受け取る・解釈する」という意味があり、それを wrong(誤って・悪く)受け取らないでほしい、というのがこの表現の成り立ちです。日本語の「悪く取らないでね」「気を悪くしないでほしいんだけど」にそのまま重なります。

言いにくい指摘やお願いの直前に置くことで、相手への配慮を示しつつ本題に入れる、会話のクッションとして機能します。

【ここがポイント!】

  • これから言うことを「悪く受け取らないで」と先回りする前置き
  • don’t take this wrong の形で、言いにくい本題の直前に置く一言
  • 相手の気持ちに配慮するクッションとして働くのがコツ

『フレンズ』S01E11のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

テレビ番組で奔放な発言を連発するチャンドラーの母ノラ。その彼女を前に、ロスは「あなたが母親というイメージが湧かない」と正直に口にしてしまいます。失礼にならないよう take this wrong で前置きするものの、フォローになりきらないのがロスらしいところです。

Ross: You know, I-I, don’t take this wrong. I-I just don’t see you a-as a mom somehow. I don’t mean that, I don’t mean that bad.
(あの、悪く取らないでほしいんだけど。なんていうか、あなたが「母親」ってイメージがどうも湧かなくて。悪い意味で言ってるんじゃないんです)

Nora: Oh, no. I am a fabulous mom.
(あら、いいのよ。私、最高の母親だもの)

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シーン解説と心理考察

ロスは理屈っぽく、気まずくなると言葉を重ねて取り繕おうとする性格です。don’t take this wrong と前置きしたうえで「母親に見えない」と言い、すぐに「悪い意味じゃない」と追いかける。その慌てた言い足しに、フォローしきれていない焦りがにじみます。

一方のノラは、まったく動じず「最高の母親よ」と受け流します。気を悪くしないでという前置きが、相手の余裕の前ではほとんど空回りしている構図が表れています。

take this wrong は本来、相手の感情に配慮するための言葉です。ところがこの場面では、配慮の前置きを使ってもなお失言が止まらないというズレが、笑いを生んでいます。前置きと本音の温度差が、会話の面白いところです。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

何かを相手に手渡すとき、握りやすいように向きをそろえて差し出す動作を思い浮かべてみてください。take this wrong は、その「受け取り方を間違えないでね」という気づかいを言葉にしたものです。

このシーンのロスは、せっかく向きをそろえて差し出そうとしたのに、中身がうっかり失礼な内容だった、という状態です。don’t take this wrong で丁寧に渡そうとする手つきと、こぼれ出る本音のギャップをイメージすると記憶に残ります。「これ、悪く受け取らないでね」と一度ことわってから本題を渡す、その順番ごと覚えておくと使いやすくなります。

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例文で覚える「take this wrong」

言いにくい指摘やお願いの直前に置くと、印象をやわらげられます。3つの例文で使いどころを見てみましょう。

Don’t take this wrong, but I think you should rewrite the introduction.
(悪く取らないでほしいんだけど、導入は書き直したほうがいいと思う。)
仕事で改善点を伝える場面です。批判の前にこの前置きを置くと、相手も身構えずに受け止めやすくなります。

Please don’t take this the wrong way, but have you considered asking for help?
(気を悪くしないでほしいんですが、誰かに助けを求めることは考えましたか?)
ややフォーマルな言い方です。take this the wrong way と way を加えると、より丁寧で改まった響きになります。

A: Don’t take this wrong, but that color might not suit the room.
B: No, no, I appreciate the honesty.
(A:悪く取らないでね、でもその色は部屋に合わないかも。)
(B:いいの、いいの、正直に言ってくれて助かるわ。)
友人同士で率直な意見を伝える場面です。前置きがあることで、相手は「気づかってくれている」と感じ、素直に受け取りやすくなります。

あわせて覚えたい関連表現

don’t get me wrong
(誤解しないでね)
非常に似た表現ですが、視点が違います。take this wrong が「相手が悪く受け取らないで」と相手の解釈に配慮するのに対し、get me wrong は「私の真意を取り違えないで」と自分の意図の補足に重心があります。

no offense
(悪気はないんだけど)
これから言うことに悪意はない、と短く前置きする言い方です。take this wrong よりカジュアルで、ぶっきらぼうな指摘の直前にぽんと置かれることが多い表現です。

with all due respect
(失礼ながら/お言葉ですが)
目上の相手や改まった場で、反論や異論を述べる前に使う丁寧な前置きです。同じクッションでも、こちらはフォーマルな場面に向いています。

Note|take it wrong と get me wrong──気を悪くしないでの2つの言い方

「気を悪くしないで」と前置きする英語には、よく似た2つの形があります。take this wrong と don’t get me wrong です。どちらも会話のクッションですが、向いている方向が違います。

take this wrong は「あなた(相手)が、これを悪く受け取らないで」という言い方で、視線が相手の解釈に向いています。これから失礼かもしれないことを言う、その受け止め方への配慮です。一方 don’t get me wrong は「私(話し手)を取り違えないで」で、視線が自分の真意に向きます。「私はこういうつもりで言っているんですよ」と、自分の意図を守るための補足です。たとえば相手の服装に意見するなら don’t take this wrong が自然で、自分の発言が冷たく聞こえそうなときに弁解するなら don’t get me wrong がしっくりきます。日本語ではどちらも「悪く取らないで」と訳せてしまうため混ざりやすいのですが、「相手の受け取りへの配慮」か「自分の意図の補足」かで選ぶと整理できます。

このシーンのロスは don’t take this wrong を選んでいます。母親に見えないという、相手にとって失礼になりかねない発言を切り出すための配慮だったわけです。

相手向きか自分向きか。その一点で、二つの前置きは見分けられます。

まとめ|ロスの空回りする気づかいから学ぶ take this wrong

take this wrong は、言いにくいことを切り出す前に「悪く受け取らないでね」と添える、会話のクッション表現です。don’t を付けた形で、指摘やお願いの直前に置いて使います。

このひとことを知っていると、相手に少し言いにくいことを伝えるときも、角を立てずに本題へ入れます。人間関係をなめらかに保つための、実用的な一言です。

気をつかって前置きしたのに、結局フォローしきれずに焦るロス。その不器用さの後ろに、誰もが経験する「言いにくいことの切り出し方」の難しさが透けて見える場面でした。表現の引き出しに加えてみてください。

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