「per se」の意味と使い方|『フレンズ』S01E24で学ぶ英会話

「per se」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

つい言い過ぎたあとで、「いや、それそのものが嫌なわけじゃなくて」と急いで補足したくなること、ありませんか。

そんなときにぴったりの「per se」を、『フレンズ』シーズン1第24話の終盤、チャンドラーが毒づいたあとにすかさず一歩引くシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「per se」の意味とニュアンス

per se
意味:それ自体は、本来的には、厳密に言えば

per se は、ある物事を〈それ単体で〉切り出して評価するときに使う表現です。もともとはラテン語で “by itself”(それ自体によって)を意味し、その形のまま英語に取り込まれました。周りの状況や付随するものを取り払って、対象そのものだけを取り上げる——それが per se の働きです。

よく使われるのが、否定文と組み合わせた形です。not against X per se と言えば、「Xそのものに反対しているわけではない(が、別の点は気になる)」と、反対の範囲を限定できます。「厳密には〜ではない」と定義を修正したいときにも便利です。ラテン語由来のややかしこまった響きがあり、文章ではイタリック体で per se と書かれることも多い表現です。日常会話に少し混ぜると、理屈っぽく知的な印象を与えます。

【ここがポイント!】

  • 「per se」の核は「対象それ自体だけを取り出して見る」働き
  • not … per se の形で「そのものに反対ではない」と範囲を限定できる
  • ラテン語由来で少し硬め、知的な響きになると押さえておくのがコツ

『フレンズ』S01E24のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

環境活動で知られる俳優の写真にうんざりしたチャンドラーが、思わず毒づきます。ただ言い過ぎたと感じたのか、すぐに「環境問題そのものに反対してるわけじゃない」と一歩引き、「ただあいつが嫌なだけ」とオチをつける。per se で主張の範囲を限定する、いかにもチャンドラーらしい理屈っぽい物言いです。

Chandler: If I see one more picture of Ed Begley, Jr. in that stupid electric car, I’m going to shoot myself!
(あのバカげた電気自動車に乗ったエド・ベグリー・ジュニアの写真をもう一枚でも見たら、俺、自分を撃つね!)

Chandler: I’m not against environmental issues per se. It’s just that guy!
(別に環境問題そのものに反対してるわけじゃないんだよ。ただ、あいつが嫌なだけ!)

Friends Season1 Episode24(The One Where Rachel Finds Out)

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シーン解説と心理考察

派手に毒づいたすぐあとに、not against environmental issues per se と冷静に補足を入れるギャップに、チャンドラーらしさが表れています。言いたい放題のあとで「いや、問題そのものを否定してるわけじゃ」と範囲を絞り直す、その理屈っぽく防衛的な物言いが持ち味です。

per se というラテン語由来のややかしこまった表現を、電気自動車への文句という俗っぽい話題に混ぜ込むちぐはぐさが、笑いを生んでいます。知的な言葉を毒舌の中にさらりと差し込む——このアンバランスさが、皮肉屋チャンドラーのキャラクターとして響きます。言い過ぎたあとに理屈で体裁を整えようとする様子が、この一言に重なっています。It’s just that guy! と最後に本音がこぼれるオチも効いています。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

per se は、対象の中身だけをピンセットでつまんで別皿に取り出すイメージで覚えると定着しやすくなります。周りの状況や付随物をすべてそぎ落として、それ自体だけを台の上に置いて見る。劇中でチャンドラーが、環境問題という大きな話から「問題そのもの」だけをつまみ出し、「これ自体には反対してない、嫌なのはあいつだけ」と切り分ける、あの絵と重ねてみましょう。ラテン語由来でイタリック(per se)で書かれることが多い点も、一緒に覚えておくと役立ちます。

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例文で覚える「per se」

範囲を限定する per se を、3つの場面で見てみましょう。

I’m not against the plan per se, I just think the timing is wrong.
(計画そのものに反対なわけじゃなくて、ただタイミングが悪いと思うだけ。)
劇中と同じ not against X per se の形です。「そのものは否定しないが」と、反対の範囲を限定する最も典型的な使い方です。

It’s not a diet per se, it’s more about eating mindfully.
(それはダイエットそのものというより、意識して食べることに近いんだ。)
「厳密には〜ではない」と定義を言い換える場面です。per se を挟むことで、言葉の当てはめ方を細かく調整できます。

A: So you don’t like your new job?
B: I don’t dislike the job per se — it’s the long commute that bothers me.
(A:じゃあ新しい仕事、好きじゃないんだ?)
(B:仕事そのものが嫌いなわけじゃないよ。長い通勤が嫌なだけなんだ。)
不満の対象を絞り込む場面です。劇中の「あいつが嫌なだけ」と同じく、「本体ではなく付随部分が問題」と切り分けています。

あわせて覚えたい関連表現

in itself / in and of itself
(それ自体は、そのもの単独では)
per se とほぼ同じ意味を、より平易な英語で言い換えた表現です。かしこまりすぎる場面や口語では、in itself の方が自然なこともあります。per se はラテン語で硬めの響きになります。

as such
(それ自体としては)
as such は前に述べた名詞を受けて「そういうものとして(は)」と限定します。名詞の直後に置いて「それ自体」を強調する per se とは、文中での位置と使い方が異なります。

strictly speaking
(厳密に言えば)
strictly speaking は文頭に置いて文全体を「厳密には」と限定する副詞句です。per se が特定の名詞に貼り付いて範囲を絞るのに対し、こちらは文全体にかかる点が違います。

Note|ラテン語のまま英語に残った per se

per se は、英語の中に紛れ込んだラテン語です。なぜ古い言語の表現が、現代の会話にまで生き残っているのでしょうか。

per se はラテン語で “by itself”(それ自体によって)を意味し、翻訳されることなく、そのままの形で英語に定着しました。もともとは法律や学術の世界で重宝された表現です。たとえば法律用語の libel per se は「それ自体で名誉毀損が成立する言葉」を指し、対象を「それ単体で」評価するという per se の核がそのまま生きています。厳密な区別を求められる専門分野で、「付随する事情を除いて、そのものだけを見ると」という限定を一語で表せるこの表現は、非常に便利だったのです。そこから徐々に日常会話にも降りてきて、今ではチャンドラーのような軽口の中にも登場するようになりました。英語には、ほかにも vice versa(逆もまた同様)、et cetera(等々)、i.e.(すなわち)など、ラテン語がそのまま残った表現が数多くあります。per se もその仲間で、翻訳しきれない便利さゆえに、原語のまま生き延びてきた言葉と言えます。

だからこそ per se を使うと、どこか知的でかしこまった響きが加わり、チャンドラーの毒舌との対比がいっそう際立つのですね。

古い言葉が、形を変えずに今も働いているのですね。

まとめ|チャンドラーの「それ自体は」から学ぶ一言

per se は、対象を〈それ単体で〉取り出して評価し、主張の範囲を限定するラテン語由来の表現です。not against X per se の形で「そのものに反対ではない」と、否定の射程を細かく絞れます。

この表現が使えるようになると、「全部を否定しているわけではなく、気になるのはこの一点」と、自分の立場を正確に伝えられるようになります。少し硬めの響きを活かせば、議論や文章に知的な締まりも生まれます。

言い過ぎを整え、主張の範囲を丁寧に区切る一言として、表現の引き出しに加えてみてください。

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