「come up」の意味と使い方|『フレンズ』S02E18で学ぶ英会話

「come up」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

自分がその場にいない飲み会や会議で、なぜか自分の名前が出ていたと後から聞かされる。誰かが意図して話したというより、話の流れでふと浮かんできた。そんな経験はありませんか。

そんなときにぴったりの「come up」を、『フレンズ』シーズン2第18話の序盤、エディの元恋人ティリーと初対面のチャンドラーが交わす、皮肉まじりの会話から、一緒に見ていきましょう。

目次

「come up」の意味とニュアンス

come up
意味:(話題・問題などが)持ち上がる、出てくる

会話や状況の中で、話題・問題・機会などが自然に浮かび上がることを表す表現です。up が示すのは「表面へ上がってくる」動き。水面下にあったものが、ふっと浮上してくるイメージが中心にあります。

この表現の特徴は、多くの場合「意図せず自然に出てくる」という含みを持つ点です。誰かが狙って持ち出したというより、話の流れでたまたま浮かんだ。Your name came up.(あなたの名前が出た)と言えば、話題として自然に登場したニュアンスが伝わります。主語には人の名前・議題・急用など、さまざまなものが入ります。

なお come up は多義的な句動詞で、「近づいてくる」「(日や月が)昇る」といった意味も持ちます。ここで扱うのは「話題に上る」の用法ですが、共通するのは「こちらへ、上へ、現れてくる」という方向感覚です。

【ここがポイント!】

  • 核は「水面下から表面へ浮かび上がる」という up の動き
  • 狙って持ち出すのではなく、自然に出てくるニュアンスを帯びた表現
  • 「近づく」「昇る」など多義だが、共通するのは現れてくる方向だと押さえるのがコツ

『フレンズ』S02E18のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

チャンドラーの部屋を訪ねてきたのは、ルームメイトのエディの元恋人ティリーでした。チャンドラーの反応から、彼女は自分の話がすでにこの部屋で語られていたことを察します。すると、エディがかつて延々と語った不気味な失恋話を思い出したチャンドラーが、皮肉まじりに応じます。

Tilly: I’m Tilly.
(私、ティリーよ)

Chandler: Oh.
(ああ…)

Tilly: I gather by that “oh” that he told you about me.
(その「ああ」って感じからすると、彼が私のこと話したのね)

Chandler: Yeah, your name came up in a conversation that terrified me to my very soul.
(ええ、あなたの名前は、僕の魂の底まで震え上がらせた会話の中で出てきましたよ)

Friends Season2 Episode18(The One Where Dr. Ramoray Dies)

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シーン解説と心理考察

チャンドラーの “your name came up” は、一見すると当たり障りのない言い方です。came up が「話に出てきた」という自然な浮上を表すため、それ自体には特別な感情はこもっていません。ところが、その後ろに続く “in a conversation that terrified me to my very soul” が、事態を一変させます。

この落差にチャンドラーらしさが表れています。まず came up で話題が自然に出たことをさらりと述べ、直後に大げさな誇張で本音を漏らす。エディが失恋話を執拗に語り続けた夜が、どれほど異様だったか。それを直接なじるのではなく、皮肉の形に包んで差し出すのが彼の話し方です。

淡々とした came up と、過剰な terrified me to my very soul。この温度差そのものが笑いを生んでいると言えます。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

come up は、水中に沈んでいた話題が、ぷかりと水面に浮かんでくる場面をイメージすると定着します。誰かが手で引き上げたわけではない。会話の流れの中で、自然に up してくる。この「ひとりでに浮上する」感覚が、come up の中心にあります。

ティリーの名前も、チャンドラーの部屋の会話の水面に、自然と浮かび上がってきました。エディが意図して話題にしたというより、失恋話の渦の中から勝手に浮上してきたのです。誰かが持ち出したのではなく、話が向こうから現れる。その受け身に近い浮かび方を思い描いておけば、come up と、能動的に「持ち出す」bring up との違いも一緒に身につきます。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「come up」

come up は、話題や用事が自然に浮上する場面で活躍します。人の名前から急な予定まで、幅広い主語で使える様子を3つの場面で確かめていきましょう。

Your name came up at dinner last night.
(昨夜の夕食で、あなたの名前が出たよ)
食事の席での会話を後から伝える場面です。came up を使うことで、誰かが狙って話したのではなく、自然に話題に上ったニュアンスが伝わります。

Something came up, so I have to cancel our meeting.
(急な用事ができたので、打ち合わせをキャンセルしなければなりません)
予定変更を詫びる場面です。Something came up は「急な用事が持ち上がった」という便利な決まり文句で、詳細を言わずに事情を伝えられます。

A: Did the budget issue come up in the meeting?
B: It did, but we didn’t have time to settle it.
(A:会議で予算の件は出た?)
(B:出たよ。でも、まとめる時間がなかった)
議題が取り上げられたかを確認する会話です。疑問文にすると「その話題は出たか」と、浮上したかどうかを尋ねる表現になります。

あわせて覚えたい関連表現

come up with
(〜を思いつく、考え出す)
綴りは似ていますが、こちらは「アイデアや解決策を生み出す」というまったく別の句動詞です。come up が話題の自然な浮上を指すのに対し、with が付くと能動的に何かをひねり出す意味になり、混同しやすいので区別が必要です。

bring up
(〜を話題に持ち出す)
話題を意図的に持ち出すことを表します。come up が「自然に出てくる」のに対し、bring up は「誰かが能動的に持ち出す」点が対照的で、話題の出方をどちらの視点で語るかで使い分けます。

crop up
(不意に生じる)
問題や事態が思いがけず現れることを指します。come up と近い意味ですが、crop up のほうが「予期せず突然」というニュアンスが強く、やや厄介な出来事に使われる傾向があります。

Note|話題は「浮かぶ」のか「持ち出す」のか

チャンドラーは “your name came up” と言いました。ここで bring up を使わなかったことに、実は小さな意味の違いが隠れています。come up と bring up は、同じ話題を語りながら、責任の所在をまったく別の場所に置く表現です。

come up は、話題そのものを主語に据えます。Your name came up. の主語は「あなたの名前」であり、話題が自分の力で浮かび上がってきたかのように語られます。誰が持ち出したのかは、あえてぼかされます。一方 bring up は、人を主語に取ります。He brought up your name. なら、「彼が」意図してその話題を持ち出したことになる。持ち出した人の存在が、はっきり前面に出るのです。この違いは、責任の重さに直結します。come up なら「自然に出てきただけ」と、誰のせいでもない体で語れる。bring up なら「あの人が持ち出した」と、出どころを名指しすることになる。同じ出来事でも、どちらの動詞を選ぶかで、話し手の立ち位置が変わります。

チャンドラーが came up を選んだのは、ティリーの名前が「勝手に会話に浮上した」体を保ちたかったからかもしれません。自分が話題にしたわけではない、エディが延々と語ったせいだ。その責任の逃がし方が、came up という受け身に近い動詞ににじんでいます。

同じ話題でも、浮かべるのか持ち出すのか。動詞の選択が、話し手の距離を決めています。

まとめ|自然に浮かび上がる話題

come up は、話題や用事が会話の中で自然に浮かび上がることを表す表現です。up が示すのは、水面下から表面へ現れてくる動き。誰かが意図して持ち出す bring up とは、話題の出方の見え方が対照的です。

この表現を使えるようになると、話の流れを語るときの幅が広がります。「あの話が出た」「急な用事ができた」といった、日常のありふれた出来事を、自然な浮上として軽やかに伝えられるようになります。

会話の中でふと何かが持ち上がる瞬間を思い浮かべながら、come up を表現の引き出しに加えてみてください。

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