海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
電話に出たら、相手が探している人は不在。「お戻りになったら伝えておきます」と言いたいのに、英語だと何と切り出せばいいのか一瞬詰まってしまう。そんな場面に覚えはありませんか。
そんなときにぴったりの「take a message」を、『フレンズ』シーズン2第18話の序盤、エディを訪ねてきた見知らぬ女性をチャンドラーが応対するシーンから、一緒に見ていきましょう。
「take a message」の意味とニュアンス
take a message
意味:伝言を預かる、伝言を受ける
電話や来客の際に、不在の相手への言づてを受け取ることを表す表現です。ビジネス電話の定番フレーズ “Can I take a message?”(伝言を承りましょうか?)として、英語圏の職場や家庭で日常的に使われます。
ここでの take は「受け取って引き受ける」という動作を担っています。相手が託そうとしている言づてを、自分が預かって責任を持つ。単に情報を聞くのではなく、後で本人に届けるところまでを含んだ「引き受け」のニュアンスが、この take に込められています。
対になるのが leave a message です。電話をかけた側が「伝言を残す」のが leave、受けた側が「伝言を預かる」のが take。同じ message を、渡す人と受ける人が別の動詞で語り分けます。この視点の違いを押さえると、電話応対の会話がぐっと組み立てやすくなります。
【ここがポイント!】
- 核は「言づてを受け取って引き受ける」という take の働き
- ビジネス電話の必修フレーズ、”Can I take a message?” で丸ごと覚えたい一言
- かける側は leave、受ける側は take、視点で動詞が変わると知っておくのがコツ
『フレンズ』S02E18のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
チャンドラーの部屋に、水槽を抱えた見知らぬ女性が訪ねてきます。彼女が探しているのは、ルームメイトのエディ。あいにく本人は不在です。チャンドラーは電話応対の決まり文句をそのまま口にしながら、目の前の水槽に気づいて、思わず一言を付け足してしまいます。
Tilly: I’m looking for Eddie Minowick.
(エディ・ミノウィックを探してるんだけど)Chandler: He’s not here right now. I’m Chandler. Can I take a message, or a fishtank?
(今はいないんだ。僕はチャンドラー。伝言を承ろうか、それとも水槽を?)Tilly: Thanks.
(ありがとう)Chandler: Oh, c’mon in.
(どうぞ、中に入って)Friends Season2 Episode18(The One Where Dr. Ramoray Dies)
シーン解説と心理考察
チャンドラーの返しは、定型フレーズを土台にしたボケになっています。”Can I take a message?” という、誰もが知る電話応対の型をまず立ち上げ、そこに “or a fish tank?” を継ぎ足す。型がしっかりしているからこそ、そこからのズレが笑いに変わる構造が見どころです。
面白いのは、take という動詞がそのまま両方にかかっている点です。message を take する(伝言を預かる)のも、fish tank を take する(水槽を受け取る)のも、同じ「引き受ける」動作。一つの動詞で言づてと水槽を並べてしまう強引さに、チャンドラー特有の皮肉めいた軽さが表れています。
見知らぬ相手にも即座に軽口を返す。その反射神経のよさが、この短いやり取りに凝縮されていると言えます。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
take a message は、差し出された言づてを両手で受け取る動作でイメージすると定着します。相手が「これを伝えて」と手渡してくる。それを take、つまり受け取って自分が預かる。かける側が leave(置いていく)したものを、受ける側が take(受け取る)する。この受け渡しの向きが、二つの動詞を分けています。
チャンドラーの場面では、その受け取る手が、言づての代わりに水槽へ伸びかけました。message を take するはずの手が、fish tank まで take しようとする。定型の型から一歩はみ出したその瞬間を思い浮かべておけば、take a message が「預かって引き受ける」表現であることを、いつでも思い出せます。
例文で覚える「take a message」
take a message は、電話や来客で不在者への言づてを受けるときに活躍します。受ける側の表現なので、取り次ぎの場面を中心に3つ見ていきましょう。
She’s in a meeting right now. Can I take a message?
(ただ今会議中です。ご伝言を承りましょうか?)
職場で不在の同僚あての電話を受けた場面です。最も基本的な形で、丁寧な取り次ぎの定番フレーズとしてそのまま使えます。
I’ll take a message and have him call you back.
(伝言をお預かりして、折り返しお電話させます)
より丁寧に対応する場面です。have someone call back と続けると、預かって終わりではなく折り返しまで手配する姿勢が伝わります。
A: Hi, is Sarah around?
B: Not at the moment. Do you want to leave a message?
(A:もしもし、サラはいますか?)
(B:今はいません。伝言を残されますか?)
受ける側から相手に言づてを促す会話です。ここでは leave a message を使うことで、かける側と受ける側で動詞が入れ替わる様子がよく分かります。
あわせて覚えたい関連表現
leave a message
(伝言を残す)
take a message とちょうど対になる表現で、電話をかけた側が使います。同じ message を、受ける人は take し、かける人は leave する。この視点の違いをセットで覚えると、電話の会話が一気に組み立てやすくなります。
get back to someone
(〜に折り返し連絡する)
預かった伝言を受けて、後で相手に連絡することを指します。take a message が「預かる」段階を表すのに対し、こちらはその後の「折り返す」段階を担い、電話応対の流れの中でつながって使われます。
put someone through
(〜に電話をつなぐ)
伝言を預からず、その場で相手に取り次ぐことを表します。take a message が「本人が出られないとき」の対応なのに対し、こちらは「本人にそのままつなげるとき」の対応で、状況によって使い分けます。
Note|take と leave が分け合う電話の役割
チャンドラーが口にした take a message は、電話という場面を二人の視点から支える表現の一方です。もう一方の leave a message と並べると、英語が会話の役割をどう振り分けているかが見えてきます。
一本の電話には、かける人と受ける人という二つの立場があります。同じ「伝言」という一つの情報を扱うのに、英語はこの二人にまったく別の動詞を割り当てました。かける人は message を leave する。文字どおり「残していく」。受ける人は message を take する。「受け取って引き受ける」。伝言はその場に置かれ、そして拾い上げられる。まるで手紙を郵便受けに入れる人と、それを取り出す人のように、二つの動作が一つの情報をリレーしていきます。日本語では両方とも「伝言」で済ませ、「残す」「預かる」と補って区別しますが、英語は動詞そのものに立場を織り込んでいるのです。この設計を知っていると、電話口でどちらの動詞を使うべきか、自分が今どちら側に立っているかで即座に選べるようになります。
チャンドラーが take を使ったのは、彼が「受ける側」に立っていたからにほかなりません。訪ねてきたティリーが言づてを leave する側で、それを預かるチャンドラーが take する側。立場が動詞を決めています。
言葉は、話し手が電話のどちら側に立っているかを、静かに映し出します。
まとめ|受け取る側の一言
take a message は、不在の相手への言づてを預かる表現です。take が担うのは「受け取って引き受ける」という動作。かける側が使う leave a message と対にして覚えれば、電話応対で動詞に迷うことがなくなります。
このフレーズを使えるようになると、英語の電話が一気に怖くなくなります。相手が探している人が不在でも、”Can I take a message?” の一言があれば、会話をきちんと引き受けて次へつなげられます。
英語で電話を取る場面を思い浮かべながら、take a message を表現の引き出しに加えてみてください。


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