海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
やりたいことや大切な関係の前に、何か小さな引っかかりが立ちはだかっているように感じる瞬間はありませんか。
そんな「妨げ」を表す「stand in the way of」を、『フレンズ』シーズン5第10話の終盤、家族と親しいことを気にするレイチェルに、ダニーが迫るシーンから、一緒に見ていきましょう。
「stand in the way of」の意味とニュアンス
stand in the way of
意味:〜の妨げになる、〜の邪魔をする
直訳は「〜の道の途中に立つ」です。道の真ん中に立ちはだかって通行を妨げるイメージから、「物事の進行・実現を邪魔するもの」を指すようになりました。
対象は幅広く、目標・夢・恋愛・チャンスなど、何かの実現を邪魔するものに対して使えます。しばしば否定文や反語の形で登場し、「(些細なことを)障害にするな」「何ものにも邪魔させない」といったニュアンスで使われるのが特徴です。
of のあとには名詞(us, your dreams など)や動名詞(~ing)が続きます。Don’t let … stand in the way(〜を妨げにするな)や I won’t let anything stand in the way(何ものにも邪魔させない)のように、let と組み合わせて「妨げにするかどうか」を語る形が定番です。「立ちはだかる」という動的なイメージを持つため、単に「障害である」と述べる be an obstacle to よりも、行く手をふさぐ存在感がやや強く感じられます。
【ここがポイント!】
- 「道の途中に立ちはだかる」イメージが「妨げ」の核
- 否定文・反語で「それを障害にするな」と使われることが多い一言
- of のあとは名詞でも動名詞でもOK、対象は目標・恋愛と幅広いのがコツ
『フレンズ』S05E10のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ダニーが家族ととても親しいことに、レイチェルはどこか引っかかりを感じ、デートを取りやめようとしています。話題がレイチェル自身の姉妹のことに及んだ流れで、ダニーは「家族と仲がいいだけ」と切り出し、それを二人の関係の障害にするのかと問いかけます。
Danny: Are you close with them?
(君は、お姉さんたちと仲がいいのか?)Rachel: No, no. They’re not very nice people.
(いえ、全然。あんまりいい人たちじゃないの。)Danny: Listen. I really like you, okay? I think this could go somewhere. So what if I’m close to my family? You going to let that stand in the way of us?
(なあ、俺は君が本当に好きなんだ。この関係はうまくいくと思う。家族と仲がいいからって、それが俺たちの邪魔になるっていうのか?)Rachel: Well… I don’t know. When you put it that way, you know…
(えっと……どうかしら。そういう言い方をされると、ね……。)Friends Season5 Episode10 (The One with the Inappropriate Sister)
シーン解説と心理考察
ダニーが、問題の焦点を巧みにすり替えている場面です。レイチェルが感じている引っかかりを、彼は「家族と仲がいいだけ。それを二人の障害にするのか?」と言い換えることで、まるでレイチェルの心が狭いかのような構図に変えています。
「let that stand in the way of us(それを俺たちの邪魔にする)」という言い方には、相手に罪悪感を抱かせて反論しづらくさせる話術がにじみます。レイチェルが「そういう言い方をされると……」と言葉を濁すあたりに、言いくるめられかけている様子が表れています。恋愛の押し引きで使われる、この反語の一言が印象的な場面です。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
目標に向かって歩いている道の真ん中に、誰かが両手を広げて「通せんぼ」している——その絵を思い浮かべてみてください。stand(立つ)+ in the way(進路上に)で、「行く手をふさぐ」という意味になります。
このシーンでは、ダニーが「家族仲の良さを、俺たちの通せんぼにするのか?」と迫っていました。何か(恐れ・意地・事情)が目標や関係の前に立ちはだかる瞬間を、この通せんぼのイメージと結びつけると、「それを障害にするな」という反語のニュアンスごと自然に覚えられます。
例文で覚える「stand in the way of」
目標や関係の「妨げ」を表す、少しあらたまった場面でも使えるフレーズです。3つの例文で使い方の幅を見ていきましょう。
Don’t let fear stand in the way of your dreams.
(恐れを夢の妨げにしてはいけない。)
自己啓発や励ましの言葉として使われる場面です。「〜を障害にするな」という定番の言い回しで、前向きな背中の押し方をします。
Her lack of experience stood in the way of the promotion.
(経験不足が昇進の妨げになった。)
仕事や評価を語る、ややフォーマルな場面です。過去形 stood in the way of で、何かが実現を阻んだ結果を客観的に述べています。
A: I really want this to work, but I’m scared of getting hurt.
B: Don’t let a little fear stand in the way of something good.
(A:本当にうまくいってほしいの。でも傷つくのが怖くて。)
(B:ちょっとした恐れのために、いいものを台無しにしちゃだめだよ。)
相手の迷いを後押しする会話です。反語ぎみに使うと、「それを障害にしないで」と優しく説得するニュアンスになります。
あわせて覚えたい関連表現
get in the way of
(〜の邪魔になる)
stand in the way of とほぼ同義で、よりカジュアルな言い方です。stand のほうが「立ちはだかる」障害の存在感がやや強く、get はもう少し軽い「邪魔になる」に寄る点が違います。
be an obstacle to
(〜の障害である)
名詞 obstacle を使った、ややフォーマルで静的な表現です。stand in the way of が「立ちはだかる」動きを感じさせるのに対し、こちらは「障害物として存在する」ことを淡々と述べます。
hold someone back
(〜の足を引っ張る、前進を妨げる)
主に「人の成長・前進」を妨げる文脈で使われます。stand in the way of は目標・関係・チャンスなど対象が広いのに対し、hold back は「人を引き止める」方向に焦点がある点が異なります。
Note|in the way の空間イメージ ——「進路に立つ」が「妨げ」になるまで
「妨げになる」という意味が、なぜ stand in the way of という形で表されるのか。その鍵は、way という言葉の空間的なイメージにあります。
way は「道・進路」を意味する言葉です。in the way は文字どおり「進路の途中に(いる)」という状態を表します。つまり、誰かや何かが自分の進む道の上に立っていて、そのままでは前に進めない——この物理的な「通せんぼ」の情景が、比喩として「妨げになる」という意味に広がりました。この空間イメージは、関連する表現にも共通して流れています。たとえば in one’s way は「(人の)邪魔になって」を表し、out of the way は逆に「邪魔にならない場所へ、どいて」を意味します。get out of the way!(どいて!)という叫びを思い浮かべると、way が「進路」を指していることがよく分かります。また make way(道をあける)や on the way(途中で)といった表現も、すべて「進む道」という同じ土台の上に立っています。stand in the way of は、この一族の中で「立ちはだかって妨げる」を担う表現なのです。stand(立つ)が加わることで、ただ道の上にあるのではなく、意志を持ってそこに立ちふさがっているような存在感が生まれます。
道の上に立つものが行く手をふさぐ、という素朴なイメージを押さえておくと、stand in the way of の意味が場面ごとにぶれずに捉えられます。ダニーが「家族仲を二人の道の障害にするのか」と迫ったのも、まさにこのイメージの上に立っています。
進路に立つものを思い描くと、言葉の輪郭がくっきりします。
まとめ|ダニーの反語から学ぶ一言
「stand in the way of」は、目標や関係、チャンスなどの実現を邪魔する「妨げ」を、道に立ちはだかるイメージとともに表す表現です。be an obstacle to のように静的に「障害である」と述べるよりも、行く手をふさぐ動きが感じられるのが持ち味です。
「家族仲を二人の障害にするのか?」とダニーが反語で迫ったこのシーンのように、しばしば「それを妨げにするな」という否定・反語の形で使われます。Don’t let fear stand in the way のように let と組み合わせれば、「恐れや迷いを妨げにしないで」と、自分にも相手にも前向きに語りかけられます。夢や関係の前に立ちはだかるものを語るとき、表現の引き出しに加えてみてくださいね。


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