海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン5エピソード22では、検事のキャロラインとブースが、捜査報告書をめぐって軽口を交わす場面があります。今回は、ブースのツッコミ「There was no question in there.」を起点に、疑問を予告しておきながら疑問文にしない話し方と、言外の意味を表すimpliedやconnect the dotsといった英語を紹介します。
はっきり聞かずに、相手に察してもらおうとする言い方は、英語でもよく使われます。そこに気づいて返す一言に、会話の面白さが詰まっています。
「Which raises the question」と前置きしたのに
FBIの会議室で、キャロラインはブースの捜査報告書を確認しています。中身をざっくり言い直してみせるキャロラインに、ブースはこう返します。
Booth: It sounds better in my report.
(報告書だと、もっとましに聞こえるんだよ。)Caroline: Which raises the question: you usually add a little spice to your reports when you know your case is weak.
(それで疑問がわくのよ。あんたは事件の材料が弱いと分かっているとき、報告書にちょっと味付けをするのが常でしょ。)BONES Season5 Episode22 (The Beginning in the End)
sound betterは「より良く聞こえる」という意味で、ブースは「書き方次第で印象が変わる」と開き直っています。それを受けたキャロラインのWhich raises the question:は、「そこで、ある疑問がわく」と次に問いを持ち出す前置きです。raise a questionは「疑問を提起する」という言い方で、会議や議論でもよく使われます。似た形のbeg the questionは、本来は論理学で「論点を先取りする」ことを指す表現とされ、日常ではraise the questionと同じ意味で使われることも多い言い方です。
add a little spiceは「ちょっとスパイスを加える」、つまり話を盛るという意味です。ところが、前置きのあとに続いたのは疑問文ではなく、ブースの癖を言い当てる指摘でした。
「It was implied」と「connect the dots」
すかさずブースがツッコみます。
Booth: There was no question in there.
(今のは質問になってないだろ。)Caroline: It was implied. Connect the dots.
(言わなくても分かるでしょ。点と点をつなぎなさい。)BONES Season5 Episode22 (The Beginning in the End)
There was no question in there.は「今の発言には質問が入っていない」というツッコミです。in thereは「その中に」で、相手の発言を一つの入れ物のように見立てています。疑問を予告されたのに問いが出てこない、という話の形のずれを、ブースは聞き逃しません。
キャロラインのIt was implied.は「言外に含めた」という意味です。imply(ほのめかす)は話し手側の動作で、聞き手が言外の意味をくみ取るときはinfer(推し量る)を使います。向きが逆になる点が、学習者の間違えやすいところです。
Connect the dots.は、数字の順に点を線で結んで絵を浮かび上がらせる遊び(dot-to-dot)から来た表現で、「断片的な情報をつないで全体像をつかむ」という意味になります。キャロラインは「報告書を盛るのは手ごたえが弱いとき」という指摘から、「つまり今回も弱いのでは?」という問いを自分で導き出せ、と言っているわけです。
| 英語 | 意味 |
|---|---|
| Was that a question? | 今のって質問? |
| What are you implying? | 何が言いたいの? |
| I’m just saying. | 言ってみただけだよ |
| Connect the dots. | 点と点をつないで考えて |
どれも、相手の言葉の含みに気づいたことを伝える言い方です。What are you implying?は言い方によっては相手を問い詰める響きになるため、親しい相手との軽口で使うのが無難と言えます。
まとめ|言わない問いに、気づいて返す
Which raises the question:で疑問を予告し、あえて疑問文にしないキャロラインと、There was no question in there.とすかさずツッコむブース。implyとinferの向きの違いや、connect the dotsの成り立ちを押さえておくと、言外の意味がからむ英語の会話もぐっと追いやすくなります。
キャロラインとブースの軽妙なやりとりを観ながら、言葉の裏側にある問いを感じ取っていきましょう。
この回の英語は、ほかのコラムやエピソードまとめでも別の切り口から扱っています。


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