海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『BONES』シーズン9第2話から、ビジネスシーンでも頻出の「leave of absence」をご紹介します。
立ち止まる勇気が必要なとき、この表現が自然と口をついて出るようになったら本物です。
実際にそのシーンを見てみよう!
チームに欠かせない心理学者として事件解決を支えてきたスイーツが、突然休職することがブースの口からブレナンに伝えられます。
これまで熱心に貢献してきた彼が、なぜ現場を離れる決断をしたのかが語られるシーンです。
Booth:Sweets is, um, taking a leave of absence.
(スイーツが、その、休職することになったんだ。)Brennan:To do what?
(何をするために?)Booth:Well, he said that he, uh, lost touch with his original motivation for being a psychologist.
(ええと、心理学者になった本来の動機を見失ってしまった、と言っていたよ。)Brennan:Well, I thought he was a psychologist because he had substandard math skills.
(まあ、彼が心理学者になったのは、数学の能力が平均以下だったからだと思っていたけれど。)BONES Season9 Episode2(The Cheat in the Retreat)
シーン解説と心理考察
チームの潤滑油であり、犯罪者の心理分析に欠かせない存在だったスイーツ。
しかし数々の凶悪事件や人間の深い闇に触れ続ける中で、彼は心理学者を志した「本来の動機」を見失ってしまいました。
「疲れた」という言葉ではなく、「動機を見失った」と語るスイーツの誠実さが、このセリフには滲み出ています。
一方でブレナンの「数学の能力が平均以下だったから」という返答は、いかにも彼女らしい事実ベースの視点です。
仲間がキャリアの岐路に立つというシリアスな報告の中にも、こうしたキャラクター特有のドライなユーモアが入り混じるのが『BONES』の魅力的な人間模様ですね。
「leave of absence」の意味とニュアンス
leave of absence
意味:休職、休学、長期休暇(許可を得て職場や学校を一定期間休むこと)
「leave」には動詞の「去る」だけでなく、名詞で「(許可を得た)休暇」という意味があります。
それに「不在」を意味する「absence」が組み合わさることで、「正当な理由と許可のもとで、本来いるべき場所を一定期間離れること」を表すフォーマルな表現になります。
数日間の気軽なお休みや vacation(休暇)とは異なり、病気療養、家族の介護、育児、あるいは今回のスイーツのような「自己を見つめ直すための長期的な休養」など、しっかりとした理由に基づく中長期の休職・休学を指します。
【ここがポイント!】
ネイティブがこの表現に感じるコアイメージは「公的な許可と責任の保留」です。
仕事を放棄したり衝動的に辞めたりするのではなく、所属先との雇用関係や在籍状態を維持したまま一時的に職務から離れるという、「公式な手続き感」が伴います。
非常にプロフェッショナルで責任感のある印象を与えるため、ビジネスシーンでの報告に重宝する表現です。
実際に使ってみよう!
She is taking a leave of absence to focus on her mental health.
(彼女はメンタルヘルスを整えるため、休職しています。)
スイーツの状況にも近い、現代のビジネスシーンでよく使われる表現です。心身の健康を理由に休むことは正当な権利であり、フォーマルに事実を伝えることができます。
I’m currently on a leave of absence from university to start my own business.
(私は起業するために、現在大学を休学しています。)
ネガティブな理由だけでなく、起業や留学など前向きなチャレンジのための「休学」にも使えます。「be on a leave of absence」で「休職中・休学中である」という継続的な状態を表します。
He requested a three-month leave of absence to care for his newborn twins.
(彼は生まれたばかりの双子の世話をするため、3ヶ月の休職を申請しました。)
期間を明確にしたい場合は「a 〇〇-month leave of absence」という形をとります。「request(要請する)」と組み合わせることで、会社への公式な申請のニュアンスが出ます。
『BONES』流・覚え方のコツ
このフレーズは、スイーツがチームの現場から「一時的に離れる(leave)ことで自分自身の不在(absence)を作る」姿と結びつけてみてください。
彼は完全に辞職(resign)したわけではなく、あくまで「本来の自分を取り戻すための、許可されたお休み」を取っています。
「leave」と「absence」というシンプルな単語の組み合わせが、公的な手続きを踏んだ大人の決断を表している、そんな場面をイメージするとスッと記憶に定着します。
似た表現・関連表現
take time off
(休みを取る)
「leave of absence」よりもはるかにカジュアルで、数時間の早退から数日の有給休暇まで幅広くカバーできます。「ちょっとお休みをいただきます」という軽いニュアンスで日常会話に使いやすい表現です。
sick leave
(病気休暇、傷病休暇)
体調不良や怪我などで仕事を休むための公式な休暇制度を指します。「I’m on sick leave today.(今日は病欠です)」のように、理由が明確な場合に特化して使われる表現です。
sabbatical
(長期有給休暇、研究休暇)
もともとは大学教授などが研究のために取る長期休暇を指していましたが、現在では一般企業でも、長年勤続した社員に与えられる「リフレッシュやキャリア形成のための長期休暇」として使われることが増えています。
深掘り知識:アメリカ社会における「休む権利」と Leave の語彙
英語圏のビジネス環境では、休暇の目的に応じて「leave」の種類が細かく分類されています。
出産・育児に関わる休暇は maternity leave(母親の産休)や paternity leave(父親の育休)、忌引休暇は bereavement leave、陪審員制度に参加するための休暇は jury duty leave と呼ばれます。
これほど細分化されている背景には、「休むこと」が労働者の正当な「権利」として契約上明確に定義されているアメリカ社会の文化があります。
曖昧な「お休み」ではなく、目的に応じた明確なカテゴリー(leave)を提示することで、雇用主と労働者の双方を守る合理的なシステムが根付いているのです。
「leave of absence」という言葉の背景には、人生の様々なフェーズ(出産、病気、介護、キャリアの見直しなど)に合わせて一時的に職務を離れることを社会が許容する考え方があります。
単語ひとつからその国の働き方や価値観が透けて見えるのも、語学学習の面白いところですね。
まとめ|立ち止まることを言葉にする
スイーツは「辞める」のではなく「立ち止まる」ことを選び、それをきちんと言葉にして伝えました。
「leave of absence」には、単なる休暇以上の意味が詰まっています。
自分を見つめ直すために一歩引く勇気、そしてそれを周囲に誠実に伝える姿勢。
その両方を自然な英語で表現できるこのフレーズは、キャリアや人生の節目で必ず役に立ちます。

