ドラマで学ぶ英会話|『BONES』S10E10に学ぶ「like a cheap suit」の意味と使い方

like a cheap suit

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

「しつこく付きまとう」を、安物のスーツが肌にまとわりつく感触で表現するユニークなフレーズ「like a cheap suit」。『BONES』シーズン10第10話のエピローグに登場する、粋な父親ジョークから学んでいきましょう。

目次

実際にそのシーンを見てみよう!

事件が解決し、ブレナンが正式に刑事として昇進。さらに新設される法人類学課のトップに任命されたお祝いのシーンです。

相棒のブース(この記念回では宝石泥棒という設定)が、愛称の「ボーンズ」と呼ぼうとします。そこに、ブレナンの父であり警察署長でもあるマックスが、絶妙なタイミングで口を挟みます。

Max: Oh, now, look at you, huh? You got what you wanted. You’re a detective now, with a Medal of Honor to boot.
(すごいな、ついにやったじゃないか。正式に刑事になれたうえに、勲章までもらえた。)

Booth: Look at you. You did it. Hey, I’ll call you “Bones” now.
(すごいな、ついにやったじゃないか。よし、これからは君を「ボーンズ」って呼ぶことにするよ。)

Max: Hey, you watch yourself, or she’ll be on you like a cheap suit.
(おいおい、口には気をつけろよ。さもないと、彼女はまるで安物のスーツみたいに、君にベッタリくっついて離れないぞ。)

Booth: Right. Well, we wouldn’t want that, now, would we?
(そうですね。それは困りますねえ。)

BONES Season10 Episode10(The 200th in the 10th)

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シーン解説と心理考察

この200話記念エピソードは、1950年代のクラシックなハリウッド映画の世界観を丸ごとパロディにした作りで、セリフ回しも全編にわたって洒脱でウィットに富んでいます。

マックスは、娘ブレナンが一度ターゲットを定めたら絶して逃がさない執拗さの持ち主であることを、誰よりもよく知っています。

気安く「ボーンズ」と呼び始めるということは、ブースが彼女の「分析・追跡対象」として永遠に登録される可能性がある、とマックスは見抜いているわけです。

「警告」というより、「娘を任せてもいい」という父親としての信頼感の裏返しとして機能しているユーモア。ブースが「we wouldn’t want that」とおどけて返す呼吸も含めて、この1950年代エピソード全体を締めくくるにふさわしい、粋なやり取りですね。

「like a cheap suit」の意味とニュアンス

like a cheap suit
意味:べったりと、しつこく、離れずに

主に「be on someone like a cheap suit」という形で使われ、「(安いスーツが体にまとわりつくように)誰かにしつこく付きまとう」という意味の慣用句です。

なぜ「安いスーツ」なのでしょうか。仕立ての悪い安価なスーツ(通気性の悪い化学繊維など)を着て夏を過ごすと、汗で生地が肌にピタッと張り付き、どうにも離れてくれない——あの不快な感覚がこの比喩の源です。

体感的な「まとわりつき具合」がリアルに伝わる、非常に視覚的なユニーク表現ですね。

【ここがポイント!】

このフレーズの核心は、「避けようとしても逃げられない粘着感」にあります。

単に「追いかける(follow)」のではなく、相手のパーソナルスペースに入り込んで、まるで体の一部のように執拗にマークする様子を表します。

基本的にはネガティブな「しつこさ」を揶揄する際に使われますが、スポーツでディフェンスが相手を完璧に封じ込めている場面では「徹底したマーク」というポジティブな響きになることも。また、今回のシーンのように親しい間柄での冗談としても機能します。

実際に使ってみよう!

That salesman was on me like a cheap suit the moment I walked into the store.
(お店に入った瞬間から、あのセールスマンが安物のスーツみたいにしつこく付きまとってきたのよ。)
店員が離れてくれない煩わしさを愚痴る、日常会話で使いやすいカジュアルな一文です。

Don’t worry about the defense; our point guard will be on their star player like a cheap suit all game.
(ディフェンスの心配はいらない。うちのポイントガードが、相手のスター選手を試合中ずっとピタリとマークするから。)
スポーツの文脈では「徹底したマーク」という意味で、戦術的な強みを表す際に映える表現です。

If you don’t pay your taxes on time, the IRS will be on you like a cheap suit.
(税金を期限内に納めないと、国税局がしつこく追及してくるぞ。)
公的機関などが容赦なく追及してくる様子を、少し冗談めかして表現するのにぴったりです。

『BONES』流・覚え方のコツ

汗ばむほど熱気のある1950年代のロサンゼルス。そんな夏の日に、安物の化繊のスーツを着て立つ男を想像してみてください。

シャツと一体化したように肌に張り付き、脱ぎたくても離れてくれない——まさにその感覚が「like a cheap suit」です。

「一度ターゲットにしたら絶対に離さない」ブレナンの性格を、この不快な粘着感にそのまま重ねたマックスのジョーク。肌にまとわりつくスーツの感触と共に記憶すれば、このフレーズは二度と忘れられないはずですよ。

似た表現・関連表現

stuck like glue
(糊でくっついたように離れない)
like a cheap suitよりも汎用性が高く、恋愛関係の熱烈な様子や、子どもが親にべったりな様子にも使われます。

on someone’s tail
(誰かのすぐ後ろに張り付く)
車での追跡や、捜査で誰かを追い詰めている状況でよく耳にする表現です。

shadow someone
(影のように付き従う)
こっそり後をつける場合や、職場で研修生が指導役の行動を常に見学する際にも使われる動詞です。

深掘り知識:プロの字幕翻訳に見る「意訳」の妙

今回のシーン、実際の日本語字幕では「口に気をつけろ 痛い目に遭うぞ」と訳されています。「安いスーツ」という言葉はどこにも出てきませんよね。

なぜこのような意訳になるのでしょうか。限られた文字数の中で視聴者に瞬時にニュアンスを届けるためです。

ブレナンにしつこく付きまとわれることが、結果としてブースに「厄介な事態(=痛い目)」をもたらすという文脈の着地点を、翻訳家が見事に先回りして掬い上げています。

英語の原文を直訳で味わったうえで、プロがそれをどう日本語に落とし込んでいるかを比べると、ドラマを使った英語学習はさらに奥深く楽しいものになります。翻訳という作業が、いかに深い読解力を必要とするかも感じ取れますね。

まとめ|生きた比喩で表現力をひとランク上げる

like a cheap suit」には、日本語の「影のようにつきまとう」とはまた違う、英語ならではの感覚的なユーモアが宿っています。

肌に張り付くスーツのあの不快感——それをそのまま「離れない人・状況」の比喩にするセンスは、言葉で感覚を伝えることに長けた英語らしい発想です。

誰かに「徹底的にマークされた」あるいは「絶対に逃がさない」という場面に出会ったら、マックスの父親らしいユーモアを思い出して、心の中でこのフレーズを呟いてみてください。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年2月時点)

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