「par for the course」の意味と使い方|『BONES』S11E14で学ぶ英会話

「par for the course」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

ちょっとした面倒やトラブルが起きても、「まあ、いつものことだよ」と肩をすくめて受け流したくなること、ありませんか。

そんなときにぴったりの「par for the course」を、『BONES』シーズン11第14話の中盤、検視室で同僚夫婦の不仲をめぐってブレナンがこぼすシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「par for the course」の意味とニュアンス

par for the course
意味:いつものこと/想定の範囲内/よくあること

このフレーズはゴルフが由来です。par は各ホールに定められた基準打数を指し、「par どおり」であれば「想定どおりの結果」を意味します。そこから course(コース)全体に広げて、「そのコースの基準どおり=驚くには値しない」というイメージで日常語化しました。

使ううえで押さえておきたいのは、特に好ましくない事態に対して使われることが多いという点です。単に「予想どおり」と言うよりも、面倒なことやうんざりする出来事が「またか、いつものパターンだ」と、やや諦めや苦笑をにじませて受け流すニュアンスを帯びます。ありがちなトラブルを大げさにせず、淡々と「想定内」と処理したいときに重宝する表現です。

【ここがポイント!】

  • ゴルフの「par(基準打数)」が由来、「コースの標準どおり」が核のイメージ
  • 単なる「予想どおり」ではなく、好ましくないことに使われやすい一言
  • 「またか、いつものことだ」と諦め半分で受け流すトーンが持ち味

『BONES』S11E14のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

被害者の骨を調べる検視室で、ブレナンが実習生のウォーレンに、アンジェラとホッジンズ夫妻のぎくしゃくした関係を語っています。負傷後のホッジンズが妻の手を振り払うように突き放す様子を、ウォーレンも目にしていました。深刻な話題のはずが、ブレナンの返しは驚くほど淡々としています。

Warren: Yeah, I did see that whole hand-to-the-shoulder shrug-off thing.
(ええ、肩に置いた手を振り払ってたの、見ちゃいました。)

Brennan: Well, that’s just par for the course these days.
(まあ、最近はそれがいつものことなのよ。)

BONES Season11 Episode14 (The Last Shot at a Second Chance)

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シーン解説と心理考察

ブレナンの par for the course は、夫婦の関係悪化という痛ましい状況を「最近はこれが基準値」と言い切る一言として響きます。感情をあらわにするのではなく、観察したことをそのまま述べるブレナンらしい物言いが表れています。

興味深いのは、淡々とした口調がかえって事態の深刻さを際立たせている点です。「いつものこと」と諦めまじりに受け流す言葉の裏に、もう驚かなくなってしまうほど不仲が続いているという現実がにじみます。ゴルフ由来の軽い響きを持つフレーズが重い話題に乗ることで、この場面には独特の温度差が生まれています。

『BONES』流・覚え方のコツ

par for the course は、ゴルフ場の風景を思い浮かべると忘れにくくなります。どのホールにも「par」という基準打数が決まっていて、par どおりに上がれば「このコースなら、まあこんなもの」。良いスコアでも悪いスコアでもなく、想定の範囲内、というわけです。

ブレナンの言葉に重ねるなら、夫妻の不仲という「あまり良くないスコア」を前に、「このコースならこの程度は出る」と肩をすくめる姿が見えてきます。ゴルファーがスコアカードを見て小さくため息をつく——その仕草ごとイメージすると、「好ましくないが想定内」という、このフレーズ特有のニュアンスまで一緒に覚えられます。

例文で覚える「par for the course」

par for the course は、ありがちな面倒を「想定内」と受け流すときに活躍します。日常からビジネスまで幅広く使えるこの表現を、3つの場面で見てみましょう。

The train was late again, but that’s par for the course on Mondays.
(また電車が遅れたけど、月曜日はいつものことだよ。)
通勤の遅延に慣れてしまった場面です。諦めまじりに「またか」と受け流す、最も典型的な使い方になります。

Long hours are par for the course in this industry.
(長時間労働は、この業界じゃ当たり前なんだ。)
業界の常識を説明するやり取りです。「この世界ではよくあること」と、ある種の割り切りを込めて使われます。

A: A few rejections already? That’s rough.
B: Yeah, but it’s par for the course when you’re job hunting.
(A:もう何回か落ちたの?それはつらいね。)
(B:うん、でも就活じゃ織り込み済みさ。)
落ち込みそうな出来事を一般化して軽くするシーンです。「みんな通る道だから」と前向きに受け流すニュアンスが出ています。

あわせて覚えたい関連表現

nothing new
(今に始まったことじゃない)
「目新しくない」と率直に言う表現です。par for the course はゴルフ由来で「想定の範囲内」という客観的な響きが加わる点が異なります。

business as usual
(いつもどおり/平常運転)
状況が普段どおり続いていることを指します。par for the course が「(面倒だが)想定内の結果」に焦点を当てるのに対し、こちらは「変わらず通常運転」という状態を表します。

only to be expected
(当然予想されること)
中立的でややフォーマルな言い回しです。par for the course のほうが口語的で、好ましくない出来事に「またか」という諦観をにじませて使う点で温度が違います。

Note|ゴルフが生んだ日常語——par の旅

par for the course は、スポーツの専門用語が日常語に溶け込んだ好例です。その出発点はゴルフのスコア表にあります。

par はラテン語で「等しい」を意味する語で、ゴルフでは各ホールを標準的なプレーで上がるのに要する打数を指します。つまり par とは「基準」そのもの。ここから、ゴルフの外でも「標準・想定の水準」を表す比喩として使われるようになりました。par for the course という形は20世紀前半に広まったとされ、「そのコースの基準どおり=特別なことではない」という意味で定着していきます。同じ par を使った below par(基準を下回る→本調子でない・体調がすぐれない)という表現も、ここから派生したものです。一つのスポーツ用語が、コースの上を離れて「想定内」「本調子でない」といった日常の感覚を言い表す言葉に育っていったわけです。

劇中でブレナンが夫妻の不仲を par for the course と呼んだのも、「このコースの標準スコア」になぞらえて「もう想定の範囲」と表現していると考えると、ゴルフ由来の感覚がそのまま生きているのが分かります。

スコアカードの一語が、こうして日常へと旅をしてきたのですね。

まとめ|ブレナンの「まあ、いつものことよ」を英語で

par for the course は、ありがちな出来事を「想定の範囲内」として受け流すイディオムです。ゴルフの基準打数 par が由来で、「そのコースの標準どおり=驚くには値しない」という核を持っています。

特に好ましくないことに対して「またか、いつものパターンだ」と、諦めや苦笑をまじえて使われるのが持ち味です。この一言を知っていると、小さなトラブルをいちいち大げさにせず、淡々と受け止める余裕のある言い回しが手に入ります。

ブレナンがため息まじりに状況を言い表したように、面倒な出来事を軽く受け流したいときの一言として、表現の引き出しに加えてみてください。

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