「run one’s mouth」の意味と使い方|『BONES』S11E11で学ぶ英会話

「run one's mouth」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

その場では黙っていればよかったのに、つい余計なことまでしゃべってしまう人——あるいは、自分がそうなってしまった経験はありませんか。

そんな場面で出てくる「run one’s mouth」を、『BONES』シーズン11第11話の中盤、被害者とライバル関係にあった検事コールドウェルが、尋問で口論の経緯を語るシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「run one’s mouth」の意味とニュアンス

run one’s mouth
意味:べらべら無責任にしゃべる/言いたい放題まくし立てる

口(mouth)を制御せず、勝手に「走らせる(run)」というイメージから生まれた表現です。「考えなしに、あるいは挑発的に、しゃべりすぎる」ことを否定的に表します。

中身は文脈によってさまざまです。秘密を漏らす、陰口を言う、大口を叩く——いずれの場合も共通しているのは、「黙っているべきところで、余計なことを言っている」という非難のニュアンスです。相手の発言を「無責任で挑発的なおしゃべり」と一段低く見下す響きがあります。

about ~ をつけて run one’s mouth about ~(〜についてべらべら言いふらす)の形でよく使われます。日常会話からドラマのセリフまで、誰かの軽率な発言を批判したいときに重宝する、生きた口語表現です。

【ここがポイント!】

  • 口が勝手に「走り出す(run)」、止まらないおしゃべりのイメージ
  • 秘密の暴露・陰口・大口まで、「余計なことを言う」を幅広くカバー
  • つねにマイナス評価、相手を一段低く見る響きがあるのに注意

『BONES』S11E11のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

被害者とライバル関係にあった検事コールドウェルが、検察官キャロラインの尋問を受けます。バーでの口論について問われ、被害者への怒りをあらわにする場面です。

Caroline: What did Drea Torres do that made you so angry at her Wednesday night?
(水曜の夜、ドリア・トレスがあなたをそこまで怒らせたのは何をしたから?)

Caldwell: I had a few drinks. She ran her mouth about how I couldn’t handle my alcohol. I shut her up.
(何杯か飲んでたの。あの女が私は酒に弱いってべらべら言いふらすから。黙らせたわ)

Bones Season11 Episode11(The Doom in the Gloom)

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シーン解説と心理考察

コールドウェルが被害者の発言を ran her mouth と表現するところに、彼女の心理がよく表れています。「あの女が私の酒癖をべらべら言いふらした」——ここには、相手の言葉を「無責任で挑発的なおしゃべり」と切り捨て、自分の怒りを正当化しようとする攻撃的な姿勢がにじみます。

run one’s mouth という言葉選び自体が、相手を一段下に見ていることを物語っています。直後の「黙らせた(I shut her up)」という言葉と合わせると、彼女の激しい気性が浮かび上がり、尋問の緊張が一気に高まります。

フレーズの持つ「見下し」のニュアンスが、話し手の感情とぴたりと重なる好例と言えます。どんな言葉を選ぶかに、その人の心の動きが表れることがよく伝わってきます。

『BONES』流・覚え方のコツ

このフレーズは、ブレーキの壊れた暴走車のように口がアクセル全開で言葉をまき散らす、その映像で覚えるのがおすすめです。本人は止めようとしても、口だけが勝手に走り続ける——run(走る)という動詞が、その制御不能なおしゃべりにぴたりとはまります。

劇中のコールドウェルが「あの女が ran her mouth した」と吐き捨てる場面では、相手の止まらない口が彼女の神経を逆撫でした様子が伝わってきます。その「うるさく暴走する口」のイメージごと覚えると、否定的なニュアンスも一緒に頭に残ります。日本語の「口が回る」がどちらかというと褒め言葉なのに対し、run one’s mouth はマイナス評価という違いも、セットで押さえておくと安心です。

例文で覚える「run one’s mouth」

おしゃべりをたしなめる場面から、自分の失言を悔やむ場面まで、幅広く使えるフレーズです。3つの場面で感覚をつかんでみましょう。

Stop running your mouth and listen for once.
(べらべらしゃべってないで、たまには人の話を聞きなよ)
しゃべりすぎる相手をたしなめる場面です。命令形で「いいかげん黙って」と制する、最もストレートな使い方です。

He’s always running his mouth about people behind their backs.
(あいつはいつも陰で人のことをべらべら言ってる)
陰口を言う人を批判する場面です。run one’s mouth about ~ の形で、劇中のコールドウェルの用法と同じく「〜について言いふらす」を表します。

A: I heard you told everyone about my new job before I did.
B: Sorry, I ran my mouth without thinking. It won’t happen again.
(A:私が言う前に、新しい仕事のこと、みんなに話したんだって?)
(B:ごめん、何も考えずにしゃべっちゃったんだ。もうしないよ)
自分の失言を謝る会話例です。一人称で ran my mouth と使うと、「軽率に口を滑らせた」という反省のニュアンスになります。

あわせて覚えたい関連表現

talk trash
(悪口を言う/けなす)
相手をけなしたり挑発したりする発言に特化した表現です。run one’s mouth が「しゃべりすぎ」全般を指すのに対し、こちらは悪口・挑発の中身に焦点があります。

shoot one’s mouth off
(軽率に大口を叩く/余計なことを言う)
run one’s mouth とほぼ同義ですが、「無分別に口走る」という突発性がより強い表現です。run one’s mouth が継続的にしゃべり続ける感じなのに対し、こちらは一発の失言を指すことが多いです。

spill the beans
(秘密を漏らす)
「秘密の暴露」に限定した表現です。run one’s mouth は内容を問わず「余計にしゃべる」こと全般を指すのに対し、こちらは漏らしてはいけない情報を口にしてしまう場面に絞られます。

Note|英語の「しゃべりすぎ」表現と日本語「口」の対比

run one’s mouth のおもしろさは、「しゃべりすぎ」をはっきりマイナスに評価している点にあります。英語にはこの手の表現が驚くほどたくさんあります。

たとえば、軽率に口走る shoot one’s mouth off、おしゃべりな人をそのまま指す motormouth(機関銃のように止まらない口)や blabbermouth(秘密を漏らすおしゃべり)、口数が多すぎることを戒める a big mouth(口が軽い人、大口を叩く人)——いずれも「黙っておけばいいのに、余計なことを言う」という非難の色を帯びています。英語圏では、必要以上にしゃべることが「軽率」「信用できない」と結びつけられやすく、こうしたマイナス表現が発達してきました。

一方、日本語で「口」を使った表現を見てみると、評価は一律ではありません。「口が軽い」はマイナスですが、「口が回る」「口が達者」は、どちらかといえば弁が立つことを認める、ややプラス寄りの評価です。同じ「よくしゃべる」でも、英語はマイナスに振れやすく、日本語はプラスとマイナスの両方に開いている——この違いを知ると、run one’s mouth の見下しのトーンがくっきり際立ちます。

どんな言葉に否定の色がつくかには、その言語の価値観がにじみます。

まとめ|コールドウェルの吐き捨てから学ぶ口語表現

run one’s mouth は、「べらべら無責任にしゃべる/言いたい放題まくし立てる」を表す口語表現です。秘密の暴露から陰口、大口まで幅広くカバーしつつ、つねに「余計なことを言っている」という見下しのニュアンスを帯びるのが特徴です。

この一言が読み取れるようになると、ドラマのセリフで誰かが相手を非難する場面の温度感が、より鮮明に伝わってきます。劇中のコールドウェルのように、言葉選びひとつに話し手の感情が乗ることも、英語の奥深さです。

相手の軽率なおしゃべりを的確に表したい場面で、表現の引き出しに加えてみてください。

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