「the lesser of two evils」の意味と使い方|『BONES』S11E11で学ぶ英会話

「the lesser of two evils」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

どちらを選んでも気が進まない、けれど何かを選ばなければならない——そんな苦しい二択を前に、ため息をついた経験はありませんか。

そんな場面で出てくる「the lesser of two evils」を、『BONES』シーズン11第11話の中盤、夫の療養と仕事復帰の板挟みに悩むアンジェラに、ブレナンがギリシャ神話を引いて答えるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「the lesser of two evils」の意味とニュアンス

the lesser of two evils
意味:二つの悪のうち、よりましな方

どちらを選んでも望ましくない二つの選択肢しかないとき、「まだマシな方」を選ぶことを指す表現です。choose / pick / go with the lesser of two evils の形でよく使われます。

ポイントは、両方が「悪(evil)」である点が前提になっていることです。良い選択肢と悪い選択肢から良い方を選ぶのではなく、嫌な二択から仕方なく、消去法で選ぶ——そんな妥協的・苦渋のニュアンスがあります。

選挙で「どちらの候補もパッとしないが、まだマシな方に入れる」というときや、ビジネスで「どちらの損失も避けられないが、被害の小さい方を取る」というときなど、理想の選択肢がない状況で頻繁に登場します。lesser は little の比較級で、「より小さい(害の少ない)方」を表しています。

【ここがポイント!】

  • 両方が「悪」である二択から、害の少ない方を選ぶという前提
  • choose / pick the lesser of two evils の形で使うのが定番
  • 消去法・妥協のニュアンス、前向きな選択ではない点に注意

『BONES』S11E11のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

夫ホッジンズの療養と仕事復帰、どちらを選んでも苦しい板挟みに悩むアンジェラ。その相談に、ブレナンがギリシャ神話の英雄オデュッセウスの逸話を引いて応えます。

Brennan: Odysseus had to choose which deadly sea monster to steer his ship past.
(オデュッセウスは、どちらの恐ろしい海の怪物の脇を船で通るか選ばなければならなかったの)

Angela: I don’t know why I’m asking, but what did he do?
(なんで聞いてるのか分からないけど、で、彼はどうしたの?)

Brennan: He takes a calculated risk. He chooses the lesser of two evils and forfeits a few men in order to preserve the ship.
(計算ずくの賭けに出るの。二つの悪のうちましな方を選び、船を守るために数人の犠牲を払う)

Bones Season11 Episode11(The Doom in the Gloom)

Amazon Prime Videoで見る ※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)

シーン解説と心理考察

「家にいて何もできず苦しむ」か「無理して働き危険を冒す」か。どちらを選んでも痛みを伴う二択に、ブレナンは神話の知恵を持ち出します。彼女らしく、感情ではなく古典と論理で状況を整理しているのが見どころです。

けれど、その距離を置いた語り口の奥には、親友夫婦への深い思いやりがあります。「完璧な答えはない、それでも選ばなければならない」という人生の重い真実を、学者ブレナンならではの形でアンジェラに手渡しているのです。

the lesser of two evils が、単なる損得勘定ではなく、覚悟を伴う選択を表す言葉だということが伝わってきます。神話の英雄が船を守るために少数の犠牲を選んだように、何かを選ぶことは何かを諦めることでもある——そんな重みが、このシーンには込められています。

『BONES』流・覚え方のコツ

このフレーズは、天秤の左右に二つの黒い「悪」が乗っている絵で覚えるのがおすすめです。どちらも嫌な選択肢ですが、片方がほんの少しだけ軽い——その「軽い方(lesser)」に手を伸ばす、その動作のイメージが意味を定着させてくれます。

劇中でブレナンが引くのは、二体の海の怪物スキュラとカリュブディスの間で、どちらの被害が小さいかを冷静に天秤にかけるオデュッセウスの姿です。「二匹の怪物のうちマシな方を選ぶ航海者」という絵を思い浮かべると、フレーズの意味と神話の背景が一度に頭に入ります。lesser が little の比較級だと押さえておけば、文法面も迷いません。

例文で覚える「the lesser of two evils」

選挙の悩みから仕事の決断まで、理想の選択肢がない場面で活躍するフレーズです。3つの場面で感覚をつかんでみましょう。

Neither candidate is great, so I’m just voting for the lesser of two evils.
(どちらの候補もパッとしないから、まだマシな方に投票するだけだよ)
選挙で消極的に一票を投じる場面です。理想の候補がいないなかで「より害の少ない方」を選ぶ、このフレーズの最も典型的な使い方です。

Sometimes leadership means picking the lesser of two evils.
(時にリーダーシップとは、よりましな悪を選ぶことを意味する)
難しい意思決定を語る、ややフォーマルな場面です。pick the lesser of two evils の形で、どちらの選択にも痛みが伴う決断の本質を言い表しています。

A: Take the highway in this traffic, or the back roads that take twice as long?
B: The back roads, I guess. The lesser of two evils.
(A:この渋滞で高速に乗る? それとも倍かかる下道で行く?)
(B:下道かな。まだマシな方だね)
どちらも不便な二択から選ぶ会話例です。日常の小さな決断にも、肩をすくめるような軽いトーンで自然に使えます。

あわせて覚えたい関連表現

between a rock and a hard place
(板挟みで身動きが取れない)
「逃げ場のない二択の状況」そのものを表す表現です。the lesser of two evils がその状況で「実際にマシな方を選ぶ」行為に焦点を当てるのに対し、こちらは選択を迫られている苦しい状態を指します。

caught between Scylla and Charybdis
(進退きわまって)
劇中でブレナンが実際に引いた、神話由来の表現です。the lesser of two evils と同じ「究極の二択」を、より文学的で格式高く言い表します。日常会話よりは硬い場面で登場します。

choose the better of two bad options
(二つの悪い選択肢のうち、より良い方を選ぶ)
the lesser of two evils を平易に言い換えた表現です。イディオムを避けて、意味をそのまま説明的に伝えたいときに使えます。

Note|スキュラとカリュブディス——「究極の二択」の神話

劇中でブレナンが the lesser of two evils を語るとき、その背後にはギリシャ神話のひとつの場面があります。

ブレナンが引くのは、ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』に登場する、英雄オデュッセウスの航海です。彼の船は、狭い海峡を通り抜けなければなりません。片側には六つの頭を持つ怪物スキュラ、もう片側にはすべてを飲み込む大渦カリュブディスが待ち構えています。カリュブディスに近づけば船もろとも全員が飲まれてしまう。スキュラに近づけば、六つの頭が船員を数人さらっていく。どちらにも被害はある——けれど船全体を守るには、より小さな犠牲で済むスキュラ側を通るしかない。オデュッセウスはそう計算し、数人の船員を失う覚悟で船を進めます。

この「どちらも避けられないなら、被害の小さい方を選ぶ」という構図こそ、the lesser of two evils の核にある考え方です。英語には caught between Scylla and Charybdis という慣用句もあり、二択の苦しさそのものを神話の名で言い表します。

ブレナンがこの神話を引いたのは、アンジェラの直面する二択に、古代から人間が向き合ってきた普遍的な重みを重ねたからだと読み取れます。

物語の知恵は、時代を超えて私たちの選択に寄り添ってくれます。

まとめ|ブレナンの神話から学ぶ「苦渋の選択」の一言

the lesser of two evils は、「二つの悪のうち、よりましな方」を表す表現です。良い選択肢から選ぶのではなく、嫌な二択から消去法で選ぶ——そんな妥協と覚悟のニュアンスを帯びるのが特徴です。

この表現が使えるようになると、選挙や仕事、人生の岐路など、理想の答えがない場面での心情を、的確に言い表せるようになります。劇中のブレナンのように、神話の知恵まで重ねれば、選択の重みに奥行きが生まれます。

逃げ場のない二択と向き合う場面で、表現の引き出しに加えてみてください。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



おすすめ記事
日常英会話を学びたい方におすすめの海外ドラマはこちら
「the lesser of two evils」のような、日常で使いやすい英語表現をもっと学びたい方におすすめです。
日常英会話が学べる海外ドラマを見る

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次