海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
熱意を持って仕事をすることは素晴らしいですが、時にその熱量が相手を圧倒し、空回りしてしまうことはありませんか?
今回は、知的好奇心が強すぎて「場違いな質問」を連発するブレナンを、相棒ブースが絶妙な一言でコントロールするシーンをご紹介します。
場の空気を「適温」に戻す、大人の調整スキルです。
実際にそのシーンを見てみよう!
現場は独特の熱気に包まれたクラブ。
ブレナンは、容疑者であるラッパーのルール(Rulz)に対し、文化人類学者としての興味から質問を浴びせます。しかし、その質問は他的のプライドを深く傷つけるものでした。
Brennan: Why do you have gold teeth? Is it tribal?
(なぜ金歯なの? 部族的な意味があるの?)Rulz: (Offended) Tribal? You think I’m some savage with a bone through his nose?
(部族だって? 俺が鼻に骨を通した野蛮人とでも言いたいのか?)Brennan: No, I was just wondering if it signifies your high status in the group…
(いいえ、ただ集団内での高い地位を示しているのかと…)Booth: (Interrupting) Bones, simmer down.
(ボーンズ、頭を冷やせ。)BONES Season1 Episode6 (The Man in the Wall)
シーン解説と心理考察
ブレナンに悪気は1ミリもありません。
しかし、彼女の「分析的な視線」は、この場では「上から目線の差別」と受け取られかねません。
相手の怒りが頂点に達し、暴力沙汰になる寸前。
ブースは、ブレナンの「沸騰しきった探究心」を強制的にクールダウンさせるため、この言葉を投げかけたのです。
フレーズの意味とニュアンス
simmer down
意味: 頭を冷やす、落ち着く、静まる、(ペースを)落とす
語源は料理です。
「Simmer」は「とろ火でコトコト煮る」こと。
ボコボコと激しく沸騰(Boil)して吹きこぼれそうな鍋の火を弱め、穏やかな状態に戻すイメージです。
【ここがポイント!】
単に「怒りを静める」だけではありません。
ブレナンのように「熱中しすぎて周りが見えていない状態」や「エネルギー過多で相手を圧迫している状態」のレベル(火力)を下げる、というニュアンスで使えます。
実際に使ってみよう!
「ちょっとヒートアップしすぎだぞ」「圧が強いぞ」と、エンジンの回転数を下げさせたい時に使いましょう。
You made your point. Now simmer down and let them respond.
(君の言いたいことは分かった。少しトーンを落として、相手の言い分も聞こう。)
解説:
議論で相手を追い詰めすぎている同僚へ。論破しようと必死な人をなだめる、ファシリテーターの技術です。
You two need to simmer down, or we’re leaving the park right now.
(二人とも静かにしないなら、今すぐ公園から帰るよ。)
解説:
興奮して騒ぐ子供たちへ。遊びに夢中になりすぎて制御不能になった時に。
I need to simmer down. Stressing won’t fix the problem.
(落ち着け、私。焦っても問題は解決しない。)
解説:
焦ってパニックになっている自分へ。深呼吸をするような感覚で、独り言として使います。
『BONES』流・覚え方のコツ
「ガタガタ鳴る鍋の蓋(ふた)」をイメージしてください。
鍋(=興奮している人)が沸騰して、蓋がガタガタと音を立てています(=まくし立てている状態)。
あなたはコンロのつまみを回して「とろ火」にする。
すると、蓋の音が止み、水面が静かになる。
その「騒々しさがスーッと引いていく様子」こそが simmer down です。
似た表現・関連表現
- calm down
(落ち着く)
解説:最も一般的ですが、simmer down のような「高すぎる温度を下げる」という比喩的な面白さは薄いです。 - chill out
(落ち着く、リラックスする)
解説:かなりカジュアルなスラング。「肩の力を抜けよ」というニュアンスが強く、真剣なビジネスの場では不向きです。
深掘り知識:「Settle down」との違い
似た言葉に settle down があります。
こちらは「(結婚して)身を固める」や「(席に)着席して静まる」など、「定位置に落ち着く(着地する)」イメージです。
一方、simmer down はあくまで「エネルギー(熱量)を下げる」ことにフォーカスしています。
「カッ」となっている熱い人には simmer、「ソワソワ」している浮ついた人には settle。
この使い分けができると、状況に合った的確な指示が出せるようになります。
まとめ|心の火加減をコントロールしよう
情熱は大切ですが、常に「強火」では、周りの人を焦がしてしまったり、スープ(人間関係)が蒸発してしまったりします。
「あ、今ちょっと沸騰してるな」と感じたら、ブースの言葉を思い出して “Simmer down…” と唱えてみてください。
とろ火のような、大人の余裕を取り戻せるはずです。


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