海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『CHUCK』シーズン3最終話に登場する、幼い頃のきょうだいげんかを父が仲裁した一言と、大人になった姉弟がその記憶を語り直す自宅での場面から見える、対立する相手に「一緒にやれば直せる」と諭す言い方や、昔の記憶を切り出す言い方です。
子ども時代の記憶が、大人になった今の会話にどうつながっていくのか、順を追って見ていきましょう。
幼い頃のけんかを仲裁する、父の一言
物語は、まだ幼いチャックとエリーの姉弟げんかから始まります。チャックが誤って母のネックレスを壊してしまい、それをエリーが父に言いつけたことで、ちょっとした騒動になります。仲裁に入った父スティーブンは、二人を頭ごなしに叱るのではなく、こんな言葉をかけます。
Steve: There’s nothing broken in… in this whole world that the two of you can’t fix if you work together.
(この世界に、二人で力を合わせれば直せないものなんて、何もないよ。)CHUCK Season3 Episode19 (Chuck Versus the Ring: Part II)
nothing … that … can’t という二重否定の構文で、直訳すれば「二人で力を合わせれば直せないものはこの世に何もない」となり、実質的には「何でも直せる」という強い肯定を伝えています。文末の if you work together という条件節が、直せるかどうかの鍵を示しています。
このあと父は、チャックには姉の部屋から画材を持ってくるように、エリーにはそれを手伝うようにと指示を出し、大変な弟だけど姉として守ってあげてほしいと付け加えます。壊れたものを叱る材料にせず、一緒に直す課題に変えてしまう、父らしい仲裁の仕方が伝わってきます。
大人になった姉弟が、同じ記憶を語り直す言い方
時は流れ、大人のチャックとエリーは、自宅で改めて向き合います。エリーが胸の内を明かすと、チャックは昔のネックレスの記憶を持ち出します。
Chuck: Do you remember when I broke Mom’s necklace, and she left a couple days later, and I thought, that’s-that’s why she disappeared? That it was my fault?
(母さんのネックレスを壊したこと、覚えてる? その数日後に母さんが家を出て、僕はそれが理由で母さんがいなくなったんだと思ってたんだ。自分のせいだって。)Ellie: I hated her for leaving. For making you feel that way.
(私は母さんが出ていったことが許せなかった。あなたにそんな思いをさせたことが。)CHUCK Season3 Episode19 (Chuck Versus the Ring: Part II)
Do you remember when…? は、遠い記憶を相手と共有し直すときの切り出し方です。チャックはこの構文で、長年抱えてきた誤解を初めて言葉にしています。I hated her for leaving. も、感情を率直に言い切る短い一文です。
父を「クレイジーだった」とエリーが言うと、チャックはすぐ言葉を継ぎます。
Chuck: He wasn’t crazy. Our dad was a hero. He was a great man who did amazing things.
(クレイジーなんかじゃなかった。僕らの父さんは英雄だったんだ。すごいことを成し遂げた、立派な人だったんだよ。)CHUCK Season3 Episode19 (Chuck Versus the Ring: Part II)
wasn’t crazy と was a hero を並べる対比構文は、相手の評価を打ち消すのではなく、別の一面を差し出して塗り替える言い方です。子ども時代の喧嘩を諭した父の姿が、別の言葉で語り直されます。
まとめ|対立を仲裁し、評価を塗り替える言い方
幼い頃の仲裁に使われた「一緒にやれば直せる」という言い方から、大人になった姉弟が思い出を語り直す「覚えてる?」という切り出し方、そして評価を塗り替える「〜じゃなかった、〜だった」の対比構文まで見てきました。対立や誤解を抱えた相手との会話に、そのまま活かせる型と言えます。
次回も『CHUCK』の会話とともに、英語表現を見ていきましょう。
同じエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。
このエピソードを見るには
(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)
※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)


コメント