海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『CHUCK』シーズン2 第15話に登場する、申し出を格下に見て退ける言い方と、そう言われた側が気色ばんで自分の実力を主張し返す言い方です。任務にまつわる打ち合わせの場で、自分にもできると申し出たチャックが、新たな仲間コールとケイシーにやんわり退けられる場面が描かれています。
一度は控えめに申し出たチャックが、素人扱いされたことをきっかけに言い返すまでの変化を、順番に見ていきます。
申し出を格下に見て退ける言い方
任務の打ち合わせで、チャックは自分の技術を根拠に手伝えると申し出ます。
Chuck: Well, maybe I can hack the chip. I’ve cracked a data drive or two in my day.
(えっと、僕ならそのチップをハッキングできるかもしれない。今までにもデータドライブの一つや二つは突破してきたことがあるし。)CHUCK Season2 Episode15 (Chuck Versus the Beefcake)
maybe I can という控えめな申し出のあとに、I’ve cracked a data drive or two in my day と実績を添えているのが特徴です。「in my day」は「これまでに」というニュアンスで、自分の経験を根拠に示す言い方として機能しています。断定を避けた maybe から入ることで、押しつけがましくならないよう配慮している様子もうかがえます。
これに対して、新たな仲間のコールが返します。
Cole: Not like this. It’s a little more complicated than you and your friends stealing video games.
(今回はそう簡単にはいかない。君や友達がテレビゲームを盗むのとはわけが違うんだ。)CHUCK Season2 Episode15 (Chuck Versus the Beefcake)
not like this は「今回に限っては違う」と申し出をきっぱり退ける短い言い方です。続く it’s a little more complicated than〜 は、相手の経験を身近な趣味の範囲に矮小化することで、暗に格下に見ていることを示す言い回しになっています。「〜than you and your friends stealing video games」という比較の持ち出し方も、相手の実力を子供じみた遊びと同列に扱う効果を持っています。
格下に見られたことに、実力を主張し返す言い方
コールに続いて、ケイシーも同じ調子でチャックを制します。
Casey: Yeah. Don’t try to be a hero on this one, Bartowski. Leave that to the pros.
(ああ。今回ばかりは英雄気取りはよせ、バトウスキー。ここはプロに任せておけ。)Chuck: Excuse me. I am a pro. My job is a certified computer and electronics technician.
(ちょっと待ってよ。僕だってプロなんだ。れっきとした認定コンピューター電子機器技術者だぞ。)CHUCK Season2 Episode15 (Chuck Versus the Beefcake)
don’t try to be a hero は「英雄気取りはよせ」と釘を刺す言い方で、続く leave that to the pros が「それはプロに任せろ」と格下扱いを決定づけています。姓の Bartowski で呼びかけているのも、ケイシーらしい距離を保った呼びかけ方です。短い一言で断ずる yeah から始まっているところにも、取りつく島のない突き放し方がうかがえます。
対するチャックの Excuse me は、聞き捨てならないという気色ばみを示す前置きです。I am a pro と言い切ったうえで、my job is a certified computer and electronics technician と肩書きを持ち出しているところに、素人扱いへの反発がよく表れています。スパイの世界の「プロ」ではなく、本業の技術者としての誇りを主張し返しているのが見どころです。
先ほどの控えめな maybe I can から一転、ここでは I am a pro と迷いのない言い切りに変わっている点も見逃せません。格下に見られたことへの反発が、言葉の強さの変化からも読み取れます。
まとめ|格下に見る言い方と、実力の主張し返し方
not like thisやleave that to the pros、I am a proという表現を通して、申し出を格下に見て退ける言い方と、それに気色ばんで実力を主張し返す言い方を見てきました。控えめな申し出から言い切りへの変化も印象的です。
次回も『CHUCK』の会話とともに、英語表現の型を見ていきましょう。
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