「cover one’s bases」の意味と使い方|『CHUCK』S01E08で学ぶ英会話

「cover one's bases」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

大事な発表や約束ごとの前に、「抜けがないか、もう一度確かめておこう」と念を入れた経験、ありますよね。

そんなときにぴったりの「cover one’s bases」を、『CHUCK』シーズン1第8話の冒頭、偽装デートに臨む直前のサラが、チャックとカバーストーリーを確認し合うシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「cover one’s bases」の意味とニュアンス

cover one’s bases
意味:あらゆる事態に備える、抜かりなく手を打っておく

野球の守備で、すべての塁(base)に守りをつけ、どこを突かれても対応できる状態にする——そこから生まれた表現です。起こりうる事態に先回りして、抜け漏れなく対策しておくことを指します。

プレゼンや契約、計画の前に「念のため」を徹底したいときによく使われます。have one’s bases covered(備えができている)という語順でも使われ、劇中のサラのセリフもこの形です。all を加えて cover all one’s bases とすると「あらゆる面で抜かりなく」が強調され、just to cover my bases なら「念のため」という前置きとして働きます。周到さや慎重さを、さらりと示せる便利な言い回しです。

【ここがポイント!】

  • 核は「すべての塁を守って死角をなくす」という野球の守備イメージ
  • have one’s bases covered の語順でも使える、柔軟なかたちの表現
  • just to cover my bases で「念のため」と前置きできるのが実用上のコツ

『CHUCK』S01E08のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

姉夫婦を相手にした偽装デートを前に、サラはチャックとカバーストーリーの最終確認を始めます。観てもいない映画の細部を擦り合わせ、ボロが出ないよう設定を固めていく——スパイらしい周到さが、コミカルに描かれる場面です。寿司デート程度で気を張るチャックと、淡々と詰めていくサラの差も見どころです。

Sarah: Let’s go over it again. Make sure we have our bases covered.
(もう一度おさらいしましょう。抜かりなく準備できているか確かめて。)

Chuck: God, who’d thought going out to sushi with my sister and her boyfriend would make me so freaked?
(まったく、姉さんとその彼氏と寿司に行くだけで、こんなに緊張するなんて思わなかったよ。)

Sarah: Okay. Last night we saw a movie.
(いい?昨夜、私たちは映画を観た。)

Chuck Season1 Episode8

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シーン解説と心理考察

サラの「抜かりなく準備できているか確かめて」という一言に、プロの諜報員としての姿勢がにじむ場面です。偽装を成立させるには、観た映画もおやつも服装も、細部まで口裏を合わせておかなければならない——その徹底ぶりが、何気ないセリフから伝わってきます。

一方のチャックは、寿司デート程度で so freaked(すごく緊張)と漏らしており、二人の経験値の差がはっきり表れています。命のかかった任務ではなく、姉夫婦との食事に身構えているところに、この回らしいコメディの温度があります。野球の守備のように「塁をすべて埋めて死角をなくす」作戦会議が、日常のディナーの下準備として進んでいく可笑しさが、この場面の見どころと言えます。

『CHUCK』流・覚え方のコツ

野球の守備で、一塁・二塁・三塁・本塁のすべてに選手を配置し、どこへ打たれても対応できる——その光景を思い描いてください。塁(base)を一つでも空ければ失点につながるように、備えに穴があると足をすくわれます。

サラとチャックが偽装デートの設定を一つずつ潰していく、あの作戦会議を重ねてみてください。「死角をなくすために塁を埋めていく」イメージが、cover one’s bases の意味と一緒に記憶へ残りやすくなります。

例文で覚える「cover one’s bases」

抜かりなく備えておく、という安心感を伝えられる表現です。場面を変えて三つの使い方を見てみましょう。

Let’s cover all our bases before the presentation.
(プレゼンの前に、抜かりなく準備を整えておこう。)
重要な発表を控えたチームの打ち合わせの場面です。all を加えると「あらゆる面で」というニュアンスが強まります。

A good lawyer covers every base before going to court.
(優秀な弁護士は、法廷に立つ前にあらゆる事態に備えておくものだ。)
周到さの大切さを語る場面です。every base と単数にしても同じ意味で使え、ややフォーマルな響きになります。

A: Did you book a backup venue just in case?
B: Yeah, I wanted to cover our bases in case it rains.
(A:念のため、予備の会場も押さえた?)
(B:うん、雨に備えて抜かりなくしておきたかったんだ。)
イベント準備をめぐる会話です。in case と組み合わせると、「万が一に備えて手を打つ」という状況がはっきり伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

leave no stone unturned
(あらゆる手を尽くす、徹底的に調べ尽くす)
ひっくり返していない石を一つも残さない、という徹底ぶりの表現です。cover one’s bases が「備え・予防」に重心があるのに対し、こちらは探索や調査をやり尽くす行動に焦点があります。

play it safe
(安全策をとる、無理をしない)
リスクを避けて慎重に動くことを指します。cover one’s bases が積極的に備えを固めるのに対し、play it safe は危ない橋を渡らない消極的な選択である点が違います。

have a backup plan
(代替案を用意しておく)
うまくいかなかったときの「プランB」を持っておくことです。cover one’s bases が全方位的に抜けを潰すのに対し、こちらは具体的な代わりの一手を備えるニュアンスになります。

Note|野球から日常へ広がった英語表現

cover one’s bases の bases は、野球のベース(塁)のこと。アメリカ生まれのこの表現は、国民的スポーツが言葉に溶け込んだ一例です。

英語、とりわけアメリカ英語には、野球を語源とするイディオムが驚くほど多く根づいています。touch base(塁に触れる=連絡を取り合う)、a ballpark figure(球場規模の数字=おおよその概算)、out of left field(レフトの外から=思いがけない・突拍子もない)、right off the bat(打った瞬間から=すぐさま)、step up to the plate(打席に立つ=責任を引き受ける)など、ビジネスの会議でも日常会話でも当たり前のように飛び交います。スポーツのルールを知らなくても意味が通じるほど、表現として独立しているのが特徴です。野球が長くアメリカ社会の共通言語だったからこそ、その用語が比喩として定着していきました。

cover one’s bases も、その流れの中にある一つです。守備の発想がそのまま「抜かりなく備える」へと広がったと考えると、イメージがいっそうつかみやすくなります。

野球を知ると、英語の表現がもう一段親しく感じられます。

まとめ|サラの周到さに学ぶ、備えの伝え方

cover one’s bases は、起こりうる事態に先回りして抜かりなく備えておくことを、野球の守備イメージで伝えられる表現です。すべての塁を埋めて死角をなくす——その発想が、周到さの核を支えています。

プレゼンや契約、イベントの準備など、「念のため手を打っておきたい」場面で幅広く使えます。just to cover my bases と前置きすれば、出過ぎることなく慎重さを示せます。

抜かりなく備えたいとき、その心づもりをさらりと言葉にできる一言として、表現の引き出しに加えてみてください。

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