海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
同僚が連絡もなしに仕事をすっぽかして、どこに行ったのかも分からない——そんな「無断でいなくなった」状況を、ちょっと大げさに言いたいこと、ありますよね。
そんなときに使える「go AWOL」を、『CHUCK』シーズン1第6話、職場のバイ・モアで、店長のビッグ・マイクが姿を消したモーガンに苛立ち、チャックに探させるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「go AWOL」の意味とニュアンス
go AWOL
意味:無断で姿を消す、(職場などを)無断で抜ける、音信不通になる
AWOL は Absent Without Leave(許可なしの不在=無断離隊)の頭文字を取った軍事略語で、「エイ・ダブ・オー・エル」または「エイウォル」と読みます。もとは軍隊で持ち場を無断で離れることを指す言葉でしたが、そこから民間に広がり、職場・約束・連絡などから「断りもなく消える」ことを表す口語として使われるようになりました。
go AWOL や be AWOL の形で、「無断欠勤する」「ばっくれる」「音信不通になる」という意味になります。本来は物々しい軍の用語なので、日常のちょっとしたサボりや、返信が途絶えた相手に当てはめると、大げさで少しユーモラスな響きが出ます。人だけでなく、「やる気がどこかへ消えた」のように物事を主語にして比喩的に使うこともできます。
【ここがポイント!】
- AWOL は Absent Without Leave(無断離隊)の頭文字を取った軍事略語
- 職場・約束・連絡から「断りなく消える」ことを、やや大げさに表すのが持ち味
- go/be AWOL の形で、人にも「消えたやる気」のような比喩にも使えるのがコツ
『CHUCK』S01E06のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
昇進面接を控えたチャックのもとに、店長のビッグ・マイクがやってきます。ダブルシフトのはずのモーガンが連絡もなく姿を消し、苛立ったビッグ・マイクがチャックに「あいつを見つけてこい」と命じる場面です。職場のゆるさと、モーガンの自由奔放さがにじむやり取りに注目です。
Big Mike: I’m getting tense! You know I don’t like being tense.
(イライラしてきたぞ! 俺はイライラするのが嫌いなんだ。)Chuck: How can I help you relax, big mike?
(どうしたら落ち着いてもらえますか、ビッグ・マイク?)Big Mike: Find that jackass Morgan. Your buddy’s supposed to be working a double shift today and went AWOL.
(あのバカのモーガンを見つけてこい。お前の相棒は今日ダブルシフトのはずなのに、無断でいなくなりやがった。)Chuck Season1 Episode6
シーン解説と心理考察
「イライラするのが嫌いだ」と不機嫌をあらわにするビッグ・マイクに、チャックがおずおずと機嫌をうかがう構図から、この職場の力関係が伝わってきます。店長の理不尽な物言いと、それを受け流すチャックのやり取りに、バイ・モアのゆるい空気がにじむ場面です。
ビッグ・マイクが放つ「went AWOL」には、単なる欠勤を超えて「連絡もなく勝手に消えた」という呆れと怒りが重なっています。軍隊の脱走を指すいかつい略語を、家電量販店でゲームに興じてサボっているモーガンに当てはめるところに、本作らしいコメディの落差が表れています。大げさな言葉づかいだからこそ、モーガンのマイペースぶりと、その尻拭いに走らされるチャックの立場が、より際立って響きます。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
AWOL は4文字の頭字語なので、まず「A・W・O・L」と一字ずつ声に出し、その音(エイウォル)を口になじませると覚えやすくなります。元の Absent Without Leave(許可なく不在)を一度押さえれば、意味は芋づる式に引き出せます。
劇中で、ダブルシフトをすっぽかして消えたモーガンに、ビッグ・マイクが顔をしかめる場面を思い浮かべてみてください。持ち場をふらりと離れて姿を消す——その「無断でいなくなる」動きと、軍の物々しい略語を家電店のサボりに当てる可笑しさをセットで覚えておくと、go AWOL が記憶に残ります。
例文で覚える「go AWOL」
持ち場や約束から「無断で消える」ことを、やや大げさに表せる表現です。場面を変えて三つの使い方を見てみましょう。
One of our interns went AWOL right before the big presentation.
(うちのインターンの一人が、大事なプレゼンの直前に姿をくらませたんだ。)
職場で無断欠勤者の話をする場面です。深刻になりすぎず、呆れ気味のニュアンスで「ばっくれた」状況を伝えられます。
My motivation went AWOL somewhere around chapter three.
(やる気が、第3章あたりでどこかへ消えてしまった。)
集中力が続かないことを冗談めかして言う場面です。人以外(やる気・記憶など)を主語にすると、比喩的でユーモラスな表現になります。
A: Have you heard from Dave lately?
B: No, he’s totally gone AWOL since he started his new job.
(A:最近デイブから連絡ある?)
(B:いや、新しい仕事を始めてから完全に音信不通だよ。)
連絡が取れない友人について話す会話です。go AWOL で「ぱったり連絡が途絶えた」状態を、軽い調子で表せます。
あわせて覚えたい関連表現
go missing
(行方不明になる、見当たらなくなる)
go missing は中立的に「所在が分からない」状態を指します。go AWOL は「本来いるべき場所を無断で離れた」という責任放棄の含みが加わる点が違います。
bail (on)
((約束・予定を)土壇場でドタキャンする、すっぽかす)
bail は「直前で抜ける・降りる」行為そのものを指すくだけた表現です。go AWOL は、抜けた後に「連絡も取れない」という不在状態に重点がある点で異なります。
fall off the radar
(音信不通になる、消息が途絶える)
こちらは「目につく範囲から消える」イメージで、必ずしも義務の放棄を含みません。go AWOL は持ち場や約束からの離脱という含みが強い点が違います。
Note|AWOL ― 軍隊から日常へ広がった略語
go AWOL を直訳すると「AWOLになる」ですが、この AWOL は何の略なのでしょうか。鍵は、この語が軍隊から日常へと渡ってきた来歴にあります。
AWOL は Absent Without Leave、つまり「休暇の許可なしに不在である」状態を表す軍事用語の頭文字です。ここでの leave は「去る」ではなく「休暇・許可」の意味で、許可を得ずに持ち場を離れることを指します。軍では規律違反にあたる深刻な言葉ですが、第二次世界大戦前後に広く知られるようになり、やがて軍を離れた一般の会話でも使われるようになりました。今では、会議をすっぽかした同僚、返信が途絶えた友人、果ては「どこかへ消えたやる気」まで、本来いるべき場所から無断で消えたものを、少し大げさに飾る言い回しとして親しまれています。物々しい軍事略語を日常の些細な出来事に当てる、その語感のギャップ自体が、この表現の面白さを支えています。
劇中でビッグ・マイクが、ゲームをしに職場を抜けたモーガンに「went AWOL」と言い放つのも、まさにこの「大げさに飾る」用法そのものです。家電量販店のサボりに軍の脱走語を当てるからこそ、苛立ちと可笑しさが同時に立ち上がっています。
物々しい言葉ほど、日常で使うと笑いに変わるのかもしれません。
まとめ|モーガンの失踪から学ぶ、軽やかな「ばっくれ」表現
go AWOL は、持ち場や約束から「無断で消える」ことを、やや大げさに伝えられる表現です。Absent Without Leave という軍事略語が日常語化したもので、その物々しさが、かえって日常のサボりや音信不通をユーモラスに彩ります。
同僚の無断欠勤を呆れ気味に語るときも、連絡が途絶えた相手を評するときも、「ばっくれた」「消えた」をひとことで軽やかに表せます。人だけでなく、やる気や記憶など、消えてしまったもの全般に使える懐の広さも持ち味です。
ふいに姿を消した誰か、あるいは何かを表す言葉として、表現の引き出しに加えてみてください。
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