「light a fire under」の意味と使い方|『CHUCK』S02E05で学ぶ英会話

「light a fire under」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

なかなか動き出さない相手に、「ちょっと、早く動くように声をかけてきてよ」と誰かをせっつきたくなる場面はありませんか。

そんなときにぴったりの「light a fire under」を、『CHUCK』シーズン2第5話の冒頭、開店前のバイ・モアで店長ビッグ・マイクが遅刻常習のチャックに発破をかけるよう部下に命じるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「light a fire under」の意味とニュアンス

light a fire under (someone)
意味:(人)の尻を叩く、発破をかける、急かして行動させる

直訳すると「(人)の下に火をつける」。のんびり座っている人のお尻の真下で火を焚けば、熱くて飛び上がり、あわてて動き出す——その光景がそのまま比喩になっています。動かない人・ぐずぐずしている人を急き立てて、行動を起こさせるという強い促しを表す表現です。

ニュアンスとしては、単なる「励ます」よりも一段強く、「もう待っていられない、早く動いてくれ」という焦りやもどかしさがにじみます。職場で締め切りに追われているとき、なかなか進まないチームを動かしたいときなどに使われる、ややくだけた口語表現です。主語が人ではなく「競争」「締め切り」といった状況になることもあり、その場合は「〜が人を奮起させる」という形で使われます。

【ここがポイント!】

  • 核は「火をつけて飛び上がらせる」、動かない人を強制的に動かすイメージ
  • 「励まし」より強く、焦り・もどかしさがにじむ一言
  • 主語は人にも「状況(競争・締め切り)」にもなれる、使い勝手の広い表現

『CHUCK』S02E05のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

エピソード冒頭、開店前のバイ・モアで店長ビッグ・マイクが従業員を集めて号令をかけます。遅刻常習のチャックがまた姿を見せないことに苛立ち、その場にいたモーガンとジェフに向かって、こう言い放ちます。

Big Mike: Powwow on the sales floor. And one of you two idiots better light a fire under Bartowski. He’s late.
(売り場に集合だ。お前らバカ二人のどっちか、バートウスキーに発破をかけてこい。あいつ遅刻だぞ。)

Captain Awesome: It’s only the most important meal of the day, bud.
(一日でいちばん大事な食事だぞ、相棒。)

Chuck Season2 Episode5(Chuck Versus Tom Sawyer)

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シーン解説と心理考察

スパイ任務で夜遅くまで動いているチャックが、表の職場では評価を落としつつある——その状況が、この短い号令ひとつに表れています。ビッグ・マイクはチャック本人を直接叱るのではなく、部下に「あいつの尻を叩いてこい」と命じます。面と向かって説教するより、人を介して動かそうとするあたりに、ぶっきらぼうな店長らしさがにじむ場面です。

「one of you two idiots」と部下を雑に扱いながらも、わざわざチャックを名指しで気にかけているところには、苛立ちの裏にある期待もうかがえます。light a fire under は、こうした「早く動かしたい」という管理職の本音を、比喩でやわらかく包んだ言い方として響きます。直後にオーサムが朝食を勧める日常のやり取りが続くことで、緊迫感のないバイ・モアの空気がいっそう際立っています。

『CHUCK』流・覚え方のコツ

椅子に座ってのんびりしている人の、お尻の真下に小さな焚き火がぼっと燃え上がる——そんな絵を思い浮かべてみてください。熱くてとても座っていられず、その人は飛び上がってあわてて動き出します。この「火 → 飛び起きて行動」という直結が、light a fire under の核心です。

バイ・モアの店長ビッグ・マイクが、遅刻するチャックに向けて「あいつの下に火をつけてこい」と部下に命じる場面と重ねれば、「動かない相手を強制的に動かす号令」として記憶に残ります。火を焚くのは自分ではなく、誰か他の人に焚かせる——という構図も、このフレーズの「人を介して急かす」使い方とぴたりと重なります。

例文で覚える「light a fire under」

人や状況を主語にして「急かす・奮起させる」を表せるのが、このフレーズの便利なところです。3つの場面で使い方を見てみましょう。

The deadline is tomorrow, so we need to light a fire under the design team.
(締め切りは明日だから、デザインチームに発破をかけないと。)
進捗が遅れているプロジェクトで部下を急かす場面です。職場での催促として、最も典型的な使い方になります。

Maybe a little competition will light a fire under the sales staff.
(ちょっとした競争が、営業スタッフのお尻を叩いてくれるかもしれない。)
人ではなく「競争」を主語にしたパターンです。施策や状況が人を奮起させる、という形でも自然に使えます。

A: He keeps putting off his job search.
B: Sounds like he needs someone to light a fire under him.
(A:彼、ずっと就職活動を先延ばしにしてるんだ。)
(B:誰かに発破をかけてもらう必要がありそうだね。)
友人同士で、腰の重い知人について話す会話です。「誰かに〜してもらう」という形で、人を介して急かすニュアンスがよく出ています。

あわせて覚えたい関連表現

give someone a kick
(発破をかける、ハッパをかける)
こちらは「蹴飛ばして動かす」イメージで、light a fire under とほぼ同じ意味で使えます。よりくだけた言い方で、軽い冗談めかしたトーンになりやすい表現です。

spur someone on
(駆り立てる、励まして促す)
「拍車をかける」が語源で、励まし・鼓舞のポジティブな響きが中心です。light a fire under が持つ「急かす・せっつく」苛立ちのニュアンスは薄く、前向きに背中を押すときに向いています。

push someone to do something
(〜するよう強く促す)
比喩を含まない中立的な言い方で、フォーマルな場面でも使えます。light a fire under のような比喩的な面白みはないぶん、誰に対しても安全に使える表現です。

Note|なぜ「火をつける」と人は動くのか

「人の下に火をつける」という、よく考えるとなかなか物騒な比喩。なぜ英語では、人を急かすことをこう表現するようになったのでしょうか。

その背景には、荷物を運ぶ家畜にまつわる俗説的な由来がしばしば語られます。動こうとしない牛やラバを動かすために、文字どおり足元で火をたいてあぶった——という話です。事実かどうかはともかく、「物理的に熱くして、その場にいられなくして飛び上がらせる」というイメージが、この表現の核にあることは確かです。だからこそ light a fire under には、穏やかな励ましではなく、「とにかく今すぐ動け」という切迫した強さがこもります。同じ「やる気を出させる」でも、motivate(動機づける)が中立的で前向きなのに対し、こちらは焦りや苛立ちまで運んでくる言葉なのです。

ビッグ・マイクが遅刻するチャックに向けた一言も、ただの励ましではありませんでした。「もう待てない、早く動かせ」という店長の本音が、この火のイメージにぴたりと重なっています。

火を焚かれて飛び上がる——その絵を思い出せば、意味はもう忘れません。

まとめ|ビッグ・マイクの号令から学ぶ一言

light a fire under は、動こうとしない相手を急き立てて、行動を起こさせる表現です。「励ます」よりも一段強く、「もう待っていられない」という焦りまで伝わるのが、この言葉の持ち味と言えます。

職場で動かないチームを前にしたとき、腰の重い相手に動いてほしいとき、この一言があれば、もどかしさをユーモアに包んで伝えられます。motivate や encourage では出せない「火がついた」感覚を、ひとことで運んでくれる表現です。

なかなか動かない誰かを思い浮かべながら、表現の引き出しに加えてみてください。

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