海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
セール前の店で「この値段なら、お客さんから根こそぎ儲けられるぞ」と、こっそり胸算用したことのある商売人もいるかもしれません。
そんな場面にぴったりの「rob someone blind」、つまり相手から根こそぎ奪う・法外にぼったくるという表現を、『CHUCK』シーズン2第11話の冒頭、クリスマス前のバイモアで店長のビッグ・マイクと副店長のエメットが値上げを企むシーンから、一緒に見ていきましょう。
「rob someone blind」の意味とニュアンス
rob someone blind
意味:(人から)根こそぎ奪う、法外にぼったくる
rob someone blind は、相手が気づかない、あるいは抵抗できないほど一方的に、お金や物を奪い尽くすことを表します。この blind は「目が見えない」という文字どおりの意味ではなく、「相手が目を白黒させている隙に」「まったく気づかせないまま」という強調の働きをしています。
奪う側の手際の良さや、奪われる側のなすすべのなさが、この一語ににじみます。強盗のように物理的に奪う場面だけでなく、店が客に法外な値段をふっかける、つまり「ぼったくる」という意味でも日常的に使われます。今回のシーンは、まさに後者の「商売で客から搾り取る」用法です。
【ここがポイント!】
- 「rob someone blind」の核は、相手に気づかせず根こそぎ奪うイメージ
- blind は「目が見えない」ではなく「まったく気づかせない」を強める一言
- 強盗だけでなく「ぼったくる」の意味でも使える、幅のある表現
『CHUCK』S02E11のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
クリスマス商戦を前にしたバイモアの開店前。店長のビッグ・マイクと副店長のエメットが、駆け込み客を当て込んで値段を吊り上げる相談をしています。二人の悪だくみが、最後の一言で気持ちよく決まります。
Big Mike: You jack our prices up 10%?
(値段を10%上げたか?)Emmett: 15. You snooze, you lose.
(15%です。ぼやぼやしてる奴が損をするんですよ)Big Mike: We’re going to rob them blind.
(客から根こそぎ巻き上げてやる)Chuck Season2 Episode11(Chuck Versus Santa Claus)
シーン解説と心理考察
たった三往復のやり取りに、二人の悪のりした高揚感が表れています。ビッグ・マイクの「10%か?」という確認に、エメットがすかさず「15%です」と上乗せして返すテンポが、会話の温度を一段上げています。
ここでの rob them blind は、本物の強盗を指しているわけではありません。クリスマス前夜という、客が値段を吟味する余裕もなく駆け込んでくる状況を逆手に取り、「相手が気づかないうちに根こそぎ搾り取ろう」という商魂が、この一言に重なっています。悪びれずに笑い合う二人の姿が、エピソードの幕開けにふさわしい軽妙さをやわらかく見せています。直後に二人がそろって「メリークリスマス!」と唱和するのも、皮肉が効いた演出だと言えます。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
rob someone blind を覚えるなら、奪われる側が目を白黒させているあいだに、奪う側がポケットの中身をごっそり抜き取っていく光景を思い浮かべるとよいでしょう。blind は「相手の視界を奪う」というより、「相手が事態を呑み込めないほどあっという間に」という時間の速さと一方性を表しています。
ビッグ・マイクたちが、客の財布から気づかれないうちに15%を抜き取ろうとするこのシーンの構図と、そのまま重ねて記憶に残せる表現です。
例文で覚える「rob someone blind」
強盗の場面だけでなく、「ぼったくられた」という日常の不満まで広くカバーするのが、このフレーズの便利なところです。三つの場面で使い方を見ていきましょう。
The dishonest contractor robbed them blind, charging triple the normal rate.
(その悪徳業者は通常の3倍もの料金を請求し、彼らから根こそぎむしり取った。)
リフォームや修理で法外な料金を取られた場面です。「気づかないうちに搾り取られた」という被害者の悔しさがにじむ言い方です。
If you don’t check the bill, some tourist restaurants will rob you blind.
(伝票を確認しないと、観光客向けのレストランの中にはぼったくってくる店もある。)
旅行先での注意を促す場面です。rob you blind で「容赦なくぼったくる」という警戒のニュアンスが出ます。
A: How was the car repair?
B: Don’t ask. They robbed me blind for a simple oil change.
(A:車の修理どうだった?)
(B:聞かないでくれ。ただのオイル交換でぼったくられたよ。)
友人同士の愚痴の会話です。ちょっとした出費を大げさに嘆く、軽い不満の表現としても自然に使えます。
あわせて覚えたい関連表現
rip someone off
(〜をぼったくる、だまし取る)
「不当に高い金を取る」という意味で rob someone blind と近い表現です。rob someone blind が「根こそぎ・徹底的に」という強調を含むのに対し、rip off はより日常的で軽く使われます。
fleece someone
(〜から金をむしり取る)
羊の毛を刈り取る(fleece)イメージから、人から金を巻き上げる意味になった表現です。rob someone blind と同様に「容赦なく搾り取る」響きがありますが、ややかための語です。
take someone to the cleaners
(〜から有り金を巻き上げる、すっからかんにする)
クリーニング屋に出して丸洗いするイメージから、人を金銭的に丸裸にする意味になりました。rob someone blind よりも「相手を破産寸前まで追い込む」大きさを感じさせます。
Note|rob someone blind と rip off、「奪う」の温度差
「奪う・ぼったくる」を表す英語表現はいくつもありますが、それぞれ「どれくらい容赦がないか」の温度が違います。今回の rob someone blind は、その中でもかなり強い部類に入ります。
最も日常的なのが rip someone off で、「ちょっと高く取られた」程度の軽い不満から使えます。一方 rob someone blind は、blind という強調語がつくことで「相手が気づく間もなく、根こそぎ」という勢いが加わります。同じ「ぼったくり」でも、rip off が「割高だった」なら、rob blind は「身ぐるみ剥がされた」に近い感覚です。さらに fleece someone や take someone to the cleaners になると、「相手を一文無しにする」というスケールの大きさが前面に出ます。ビッグ・マイクが rip them off ではなく rob them blind を選んでいるのは、それだけ強欲な勢いを込めたかったからだと読み取れます。
つまり、同じ場面でもどの動詞を選ぶかで、話し手の「奪う気満々」の度合いが伝わるわけです。rob someone blind を覚えるときは、この「容赦のなさの強さ」をセットで押さえておくと、使い分けに迷いません。
奪う表現は、強さの段階で選ぶのがコツです。
まとめ|ビッグ・マイクの強欲がにじむ一言
rob someone blind は、相手に気づかせないまま根こそぎ奪う、あるいは法外にぼったくるという、勢いのある表現です。blind が「目が見えない」ではなく「まったく気づかせない」という強調だと分かると、使いどころがはっきりします。
ぼったくられた愚痴から、悪徳商法への警戒まで、この一語があると「ただ高い」よりずっと生々しく状況を伝えられます。ビッグ・マイクの強欲な笑顔とセットで覚えておけば、忘れにくい表現になるはずです。
クリスマス商戦のどさくさで客から搾り取ろうとする、商売人の本音がにじむ一言として、表現の引き出しに加えてみてくださいね。
このエピソードを見るには
(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)
※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)


コメント