「bring up」の意味と使い方|『フレンズ』S04E17で学ぶ英会話

「bring up」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

言いにくい話を切り出そうとして、相手の反応が読めずに身構えてしまった経験はありませんか。

そんなときに使われる「bring up」を、『フレンズ』シーズン4第17話の序盤、恋人エミリーとの将来について話を切り出したロスが、その反応を仲間に打ち明けるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「bring up」の意味とニュアンス

bring up
意味:(話題を)持ち出す、切り出す

bring up は、会話の中で新しい話題や、これまで触れられていなかったことを口に出すことを指します。とりわけ、相手が身構えるかもしれない込み入った話や、少し言い出しにくいことを切り出す場面でよく使われます。

bring(持ってくる)と up(上に)が組み合わさり、話題を会話の表に「持ち上げる」イメージが核にあります。同じ「話に出す」でも、mention が軽く触れるだけなのに対して、bring up はそのあと掘り下げていく前提が感じられる表現です。

目的語が代名詞のときは bring it up、bring that up のように up の前に挟むのが自然な形になります。日常会話でもビジネスでも使える、応用範囲の広い句動詞と言えます。

【ここがポイント!】

  • bring(持ってくる)+ up(上に)で「話題をテーブルの上に持ち上げる」イメージが核
  • 言いにくい話・込み入った話を切り出すときに表情を発揮する一言
  • 代名詞は bring it up のように up の前に挟むのが自然な形

『フレンズ』S04E17のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

イギリスへ帰国したエミリーとの関係に迷うロスが、モニカの部屋で仲間に相談しています。二人の「将来」の話を切り出したものの、はぐらかされてしまった――そのときのやり取りを振り返る場面で、bring up が登場します。

Joey: You’re going to see her again, right?
(また彼女に会うんだろ?)

Ross: That’s the thing. I don’t know. When I brought it up, she said “This is so fantastic. Why do we have to talk about the future?”
(それが問題なんだ。分からないよ。その話を切り出したら、彼女、「すごく素敵じゃない、なんで未来の話なんかするの?」って)

Chandler: Hey, you’ve got to see her again.
(なあ、また会わなきゃダメだって)

Ross: Why do you care so much?
(なんでそんなに気にするんだ?)

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シーン解説と心理考察

ロスが brought it up と口にするとき、その「it」が二人の将来という重い話題であることが伝わってきます。関係を前に進めたいロスと、真剣な話を避けて「今を楽しもう」と返すエミリーの温度差が、この一言ににじむ場面です。

bring up という表現が選ばれているのも見どころと言えます。ロスは将来の話を無理に押し付けたわけではなく、あくまで会話の中でそっと切り出しただけ。それでも相手にかわされてしまった戸惑いが、控えめな句動詞の響きに重なっています。

友人たちがすぐに「また会え」と背中を押す流れも、ロスの迷いを引き立てています。切り出したのに手応えがなかった――その宙ぶらりんな感情が、会話の温度を静かに変えています。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

bring up は、テーブルの下に隠れていた話題を「よいしょ」とみんなの見える場所へ持ち上げる動作をイメージすると覚えやすい表現です。

ロスは「将来」という少し重い話題を、二人の楽しい時間のテーブルにそっと乗せました。ところがエミリーは、それをまたテーブルの下に戻してしまった――この「持ち上げたけれど押し戻された」構図と一緒に覚えると、bring up が”話題を表に出す”動作だという核心が記憶に残ります。持ち上げる手のイメージと結びつけておくと、口からすっと出てくるようになります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「bring up」

bring up は、言い出しにくい話から会議の議題まで、幅広い「話の持ち出し」に使えます。3つの場面で感覚をつかんでみましょう。

I didn’t want to bring it up, but we really need to talk about the rent.
(言い出したくなかったんだけど、家賃のこと、ちゃんと話さないとね。)
ルームメイトに言いにくいお金の話を切り出す場面です。bring it up の形で「あえて話題にする」ニュアンスが出ます。

She brought up a good point during the meeting.
(彼女は会議でいい指摘を持ち出した。)
ビジネスの場で誰かが論点を提起したときの言い方です。point(論点)と組み合わせる定番のコロケーションになります。

A: Please don’t bring up my ex again.
B: Sorry, I won’t mention it anymore.
(A:もう元カレの話を持ち出さないで。)
(B:ごめん、もう言わないよ。)
触れてほしくない話題を制する会話です。don’t bring up で「その話は出さないで」と伝わり、返しの mention との違いも見えてきます。

あわせて覚えたい関連表現

raise
(〜を提起する)
bring up とほぼ同じ意味ですが、raise の方がややかしこまった響きです。raise a question(質問を提起する)のように、会議や文書など硬い場面で好まれます。

mention
(〜に言及する、ちらっと触れる)
bring up が「掘り下げる前提で話題を持ち出す」のに対し、mention は「軽く触れるだけ」。話を深めていく意図があるかどうかで使い分けます。

broach
(言いにくい話を切り出す)
broach the subject で「デリケートな話題を切り出す」。bring up より「言い出しにくさ」のニュアンスが強い、一段フォーマルな表現です。

Note|bring up / raise / mention の使い分け

ロスがエミリーとの将来を brought it up したように、「話に出す」を表す英語はいくつもあります。その中でも bring up・raise・mention は特に混同されやすい3語です。

違いの軸は二つあります。ひとつは「掘り下げる気があるか」。bring up と raise は、そのあと話を展開していく前提で話題を持ち出すのに対して、mention は「ちらっと触れるだけ」で、深入りしない含みがあります。”He just mentioned it”(彼はちょっと触れただけ)と言えば、それ以上は踏み込まなかったことが伝わります。もうひとつの軸は「フォーマル度」。raise a question / raise an issue のように、raise は会議・文書・報道などかしこまった場面で好まれ、bring up はより口語的で日常の会話になじみます。ロスのように友人相手に将来の話を切り出す場面では、raise だと少し硬すぎて、bring up がちょうどよい温度になります。

この3語を並べて整理しておくと、同じ「話に出す」でも、その場の空気や自分の意図に合わせて自然に選び分けられるようになります。

言葉選びひとつに、話し手の距離感がにじむのですね。

まとめ|ロスの切り出しから学ぶこと

bring up は、会話の中で話題を表に持ち出す、シンプルで使い勝手のよい句動詞です。とりわけ、少し言い出しにくいことや込み入った話を切り出すときに、その表情を発揮します。

この一言を持っておくと、家族との真剣な相談でも、職場での議題提起でも、「さあ、この話をしよう」という一歩を自然に踏み出せます。代名詞を挟む bring it up の形まで押さえておけば、会話の瞬発力がぐっと上がります。

将来の話をそっと切り出して、はぐらかされてしまったロス。その宙ぶらりんな一言の後ろに、誰もが経験する「言い出すことの難しさ」が、静かに透けて見える場面でした。

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