海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
ずっと頭を悩ませていた問題の答えが、あるとき突然パッとひらめいた――そんな瞬間の高揚感を味わったことはありませんか。
そんな場面にぴったりの「figure out」を、『フレンズ』シーズン4第17話の後半、弟を助けるお金の稼ぎ方をひらめいたフィービーが、意気揚々と仲間の元に戻ってくるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「figure out」の意味とニュアンス
figure out
意味:(考えて)答え・方法・仕組みを見つけ出す、理解する
figure out は、頭を使って考え、分からなかったことの答えや解決策を”導き出す”ことを表します。単に find(見つける)のではなく、思考や推理のプロセスを経て解明する、という含みがあるのが特徴です。
figure(図・形)と out(外へ)が組み合わさり、頭の中のモヤモヤに、はっきりした「図」を描き出すイメージが核にあります。figure out a way / how to 〜(方法や〜のやり方を考え出す)の形が定番です。
問題の解決策を考え出すときにも、仕組みや原因を理解するときにも、相手の真意を掴むときにも使えます。日常会話での登場頻度がとても高い、便利な句動詞と言えます。
【ここがポイント!】
- figure(図)+ out(外へ)で「モヤモヤをくっきりした図として描き出す」イメージが核
- find と違い「自分で考えて解き明かす」プロセスが含まれる一言
- figure out how to / a way の形でよく使うのがコツ
『フレンズ』S04E17のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
弟フランクの大学中退問題に頭を悩ませていたフィービーが、解決策をひらめいて興奮気味に戻ってきます。「お金を稼ぐ方法を見つけた」と語り出す、その第一声で figure out が飛び出します。
Phoebe: I did it. I figured out a way to make money. I’m going to open up my own massage place and Frank’s going to help me, and we can work it around his schedule so he doesn’t have to quit school.
(やったわ。お金を稼ぐ方法を見つけたの。自分のマッサージ店を開くのよ。フランクに手伝ってもらって、彼のスケジュールに合わせれば、学校を辞めなくて済むでしょ。)Chandler: That sounds great, but how are you going to afford it?
(いいね、でもどうやって資金を工面するんだ?)Frank: We were walking down the street and we saw that van you used for catering.
(通りを歩いてたら、あなたがケータリングで使ってたあのバンを見つけたんだ。)Phoebe: It’s a taxi that people take when they need to relax.
(リラックスしたい人が乗るタクシーにするのよ。)Friends Season4 Episode17(The One with the Free Porn)
シーン解説と心理考察
フィービーが I did it に続けて figured out a way と言うとき、その声に、考え抜いた末に道が見えた達成感がにじみます。弟を助けたい一心で頭をひねり、ついに解決策をつかんだ喜びが、この一言に重なっています。
figure out という表現が選ばれているのも見どころです。答えは誰かに教わったのではなく、フィービー自身が考えて”描き出した”もの。だからこそ I did it という誇らしげな前置きが、しっくり響いてきます。
直後にチャンドラーが「資金はどうする?」と現実を突く流れも効いています。ひらめきの高揚と、それを冷ます一言のコントラストが、会話の温度を軽やかに変えています。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
figure out は、ぼんやりした問題に、輪郭のくっきりした答えの「図」を描き出して、外に取り出す動作をイメージすると覚えやすい表現です。
フィービーは「お金を稼ぐ方法」というモヤモヤに、突然くっきりした一枚の絵――移動マッサージという名案――を描き出して「I did it!」と叫びました。この「モヤモヤがくっきりした図になる」瞬間と一緒に覚えると、figure out が”考えて答えを描き出す”ことだという核心が定着します。頭の中で像を結ぶ、その手応えを思い浮かべておくと、言葉が自然に出てきます。
例文で覚える「figure out」
figure out は、やり方の把握から解決策の考案、相手の真意を掴むことまで、「考えて分かる」場面で幅広く使えます。3つの例で感覚をつかみましょう。
I finally figured out how to fix the printer.
(ようやくプリンターの直し方が分かった。)
試行錯誤の末にやり方を把握した場面です。figure out how to 〜 は最もよく使う形のひとつになります。
We need to figure out a way to cut costs.
(コストを削減する方法を考え出さないと。)
仕事で解決策を練る場面です。figure out a way to 〜 という、劇中のフィービーと同じ形が使われています。
A: It took me a while to figure out what she really meant.
B: Same here. Her message was pretty cryptic.
(A:彼女が本当に言いたいことを理解するのに、少しかかったよ。)
(B:私もそう。あのメッセージ、けっこう分かりにくかったよね。)
相手の真意を掴む会話です。figure out what 〜 の形で「〜を理解する」と伝えられます。
あわせて覚えたい関連表現
work out
((答え・計画を)考え出す、うまくいく)
work out も「解決策を導く」意味で近いですが、計算や段取りを”組み立てる”ニュアンスがあります。figure out が「謎を解き明かす」理解寄りなのに対し、work out は組み立て寄りです。
find out
((情報を)知る、判明する)
find out は「情報を得て知る」こと(調べる・尋ねる)を指します。figure out が「自分で考えて解き明かす」のに対し、find out は外から情報を得る点が違います。
solve
((問題を)解決する)
solve a problem はフォーマルに「問題を解く」で、結果に焦点があります。figure out は口語的で、”考えて分かっていく”プロセスまで含むところが持ち味です。
Note|figure out と work out ─ 大西洋をはさんだ言葉の好み
フィービーが figured out a way と言ったこの表現には、実は英語圏の中でも地域による好みの違いがあります。同じ「考え出す・解き明かす」を表すのに、アメリカとイギリスで選ばれやすい言葉が分かれるのです。
アメリカ英語では、この意味でまず figure out が選ばれます。フレンズがニューヨークを舞台にしたアメリカのドラマであることを思えば、フィービーの口から figure out が出てくるのはごく自然な流れです。一方、イギリス英語では、同じ場面で work out がより一般的に使われます。”I can’t work out what he means”(彼の言いたいことが分からない)のように、イギリスの話し手は work out を好む傾向があります。どちらも通じますし、意味もほぼ重なりますが、どちらが口をついて出るかに、その人の英語の「出身地」がうっすら表れるわけです。ちなみに work out には「運動する」という別の意味もあり、文脈で見分ける必要がありますが、「考え出す」の意味で使うときは、この地域差を知っておくと英米のドラマを見比べる楽しみが増えます。
フィービーの figure out ひとつをとっても、その言葉選びの背景に、アメリカ英語の土壌が透けて見えるのですね。
同じ意味の言葉にも、それぞれの土地の癖が宿っています。
まとめ|フィービーのひらめきから学ぶこと
figure out は、頭を使って考え、分からなかった答えや方法を導き出すことを表す句動詞です。単に見つけるのではなく、思考のプロセスを経て解き明かす、という手応えが持ち味です。
この表現を身につけておくと、やり方を把握したとき、解決策を思いついたとき、相手の真意を掴んだときなど、日常のさまざまな「分かった!」の瞬間を的確に言葉にできます。figure out how to の形まで押さえれば、応用の幅がぐっと広がります。
弟のために頭をひねり、ついに答えを描き出して「I did it!」と声をあげたフィービー。そのひらめきの高揚の後ろに、考え抜いて何かをつかんだ誰もが知る喜びが、まっすぐに表れている場面でした。


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