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『フレンズ』シーズン1第6話では、俳優のジョーイに映画の仕事が舞い込みます。ところがその仕事は思わぬ形で終わり、友人たちは落ち込むジョーイを励ますことになります。
日本語ではどちらも「チャンス」と訳されがちな big break と shot。仕事の知らせから励ましの言葉まで、この回の流れに沿って、二つの言葉の違いと、知らせを聞く・伝えるときの一言を見ていきます。
「This is a big break for me.」で、大きなチャンスを語る
電話を受けながら部屋に入ってきたジョーイは、電話を切るとみんなにこう伝えます。
Joey: That was my agent.
(今のは俺のエージェントだ。)
Joey: My agent has just gotten me a job… in the new Al Pacino movie!
(エージェントが仕事を取ってきてくれたんだ…アル・パチーノの新作映画だぞ!)
Friends Season1 Episode6(The One with the Butt)
That was ~. は電話を切った直後に「今のは〜からだった」と説明する言い方です。get ~ a job は「〜に仕事を取ってくる」で、エージェントのように間に立つ人が仕事を見つけてくる場面に合う形です。
ただ、役を聞かれたジョーイはなかなか答えず、やがて、シャワーの場面で主演俳優の体の一部だけを映す代役だと明かします。みんなの反応を受けて、ジョーイはこう言い返します。
Joey: Okay, fine, make jokes. I don’t care. This is a big break for me.
(わかったよ、勝手にからかえよ。気にしないさ。これは俺にとって大きなチャンスなんだ。)
Ross: You’re right, it is.
(そうだな、その通りだ。)
Ross: So, you going to invite us all to the big opening?
(で、公開初日にはみんなを招待してくれるのか?)
Friends Season1 Episode6(The One with the Butt)
a big break は、それまでの状況を変えるような大きなチャンス、特に芸能や仕事での「出世の糸口」を指して使われることの多い表現です。make jokes は「好きなだけ冗談を言えばいい」と開き直るときの命令文です。I don’t care で周りの冗談を受け流し、そのうえで本音を言い切る流れになっています。ロスの the big opening は映画の「公開初日」で、ここにも big が付いています。
ロスの You’re right, it is. の it is は、直前の This is a big break を受けて「確かにそうだ」と同意する省略の形です。同じ語を繰り返さずに it is だけで返せるので、会話でそのまま使えます。
「What happened, big guy?」と「I got fired.」で、知らせを聞く・伝える
撮影の仕事のあと、ジョーイがモニカとレイチェルの部屋に入ってきます。映画の話を向けられて「違う」と答えたジョーイに、ロスが声をかけます。
Ross: No? What happened, big guy?
(違うのか?何があったんだ、相棒?)
Chandler: “Big guy”?
(「相棒」?)
Ross: It felt like a “big guy” moment.
(「相棒」って呼ぶ場面に思えたんだよ。)
Joey: I got fired.
(クビになった。)
Joey: They said I “acted” too much
(「演技」しすぎだってさ。)
Joey: I told everybody about this.
(みんなに話しちゃったのに。)
Friends Season1 Episode6(The One with the Butt)
What happened? は、様子のおかしい相手に「何があったの?」と事情を聞く基本の形です。そこにロスは big guy という呼びかけを添えます。big guy は男性に向けた親しみのこもった呼びかけとして使われることがあり、励ましたいときに口にされる場合もあります。
チャンドラーがその呼び方を聞き返すと、ロスは It felt like a “big guy” moment.(そう呼ぶのがふさわしい場面に思えた)と説明します。a ~ moment は「〜な瞬間」「〜らしい場面」を表す言い方で、ふだんは使わない言葉を選んだ理由を自分で語る形です。
ジョーイの I got fired. は「クビになった」をそのまま伝える一言です。get fired の受け身の形で、自分の意思ではなく辞めさせられたことを表します。続く I told everybody about this. は、仕事のことをすでに周りに話してしまったと付け加える一言です。
「Maybe this wasn’t your shot.」で、機会は一度きりではないと励ます
ようやくつかんだ機会を生かせなかったと嘆くジョーイに、友人たちは次々に言葉をかけます。
Monica: Maybe this wasn’t your shot.
(これはあなたのチャンスじゃなかったのかもよ。)
Ross: Yeah. I think when it’s your shot you know it’s your shot.
(ああ。自分のチャンスのときは、それが自分のチャンスだって分かるものだと思う。)
Ross: Did… did it feel like your shot?
(それ…それって自分のチャンスだって感じたか?)
Joey: Hard to tell.
(なんとも言えないな。)
Phoebe: I don’t think this was your shot. You don’t get just one shot.
(これはあなたのチャンスじゃなかったと思う。チャンスは一度きりじゃないのよ。)
Phoebe: I believe big things will happen for you.
(あなたには大きなことが起きるって信じてる。)
Friends Season1 Episode6(The One with the Butt)
shot は、もともと「一発」「一回の試み」を表す語で、get a shot(挑戦する機会を得る)のように使われます。your shot は「自分に巡ってきた番」というニュアンスで、何度でも巡ってくるものとして語られることもあります。フィービーの You don’t get just one shot. はまさにその考え方です。
一方の big break は、人生や仕事の流れを変えるような大きな転機を指します。ジョーイが知らせを受けた時点では a big break と呼んだ仕事を、友人たちは、これは本当の shot ではなかった、shot は一度きりではないと言い直しています。最後の big things will happen for you は、先の大きな出来事を予告するように励ます言い方です。
| 表現 | 意味 | この回での使われ方 |
|---|---|---|
| a big break | 流れを変える大きなチャンス | 仕事の知らせを受けたジョーイが自分で使う |
| a shot / your shot | 挑戦の機会、自分に巡ってきた番 | 落ち込むジョーイを友人たちが励ます |
大きな転機として語るなら big break、挑戦の一回として語るなら shot、と考えると使い分けやすくなります。
まとめ|「big break」と「shot」を言い分ける
a big break は流れを変える大きなチャンス、shot は一回ごとの挑戦の機会という違いを、ジョーイの仕事の行方とともに見てきました。What happened, big guy? や I got fired. のような、知らせを聞く・伝える一言もあわせて押さえられます。
友人の一言に支えられるジョーイの姿を追いながら、『フレンズ』の英語にこれからもふれていきましょう。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、この回の会話がより立体的に見えてきます。


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