海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン2第17話では、モニカが、ロスが自分の部屋にいる時間の長さに不満を口にします。リモコンの取り合いのあと、モニカはロスに子どものころの気持ちまで打ち明けます。
「我慢できない」と「嫌い」は、英語では can’t stand と hate で言い分けられます。きょうだいの言い合いを追いながら、二つの違いと本音の伝え方を見ていきます。
「can’t stand」で今の状況を訴える
モニカとレイチェルの部屋で、ロスがバスルームからなかなか出てきません。洗濯物を持って入ってきたレイチェルに、モニカはこう訴えます。
Monica: Your boyfriend has been in there for over an hour.
(あなたの彼氏、もう1時間以上もあそこにこもってるのよ。)
Monica: It’s like I’m living with him again.
(また彼と一緒に住んでるみたい。)
Monica: He’s here when I go to sleep, when I wake up when I want to use the shower.
(私が寝るときも、起きたときも、シャワーを使いたいときも、ここにいるの。)
Friends Season2 Episode17(The One Where Eddie Moves In)
It’s like ~. は「まるで〜みたい」と、今の状況を別の状況にたとえる形です。He’s here when ~, when ~ と when を重ねることで、ロスが部屋にいる場面を次々に並べています。冒頭の Your boyfriend はロスを指し、交際相手のレイチェルに向けた呼び方になっています。
別の場面で、二人はテレビのリモコンを取り合い、レイチェルは二人を残してその場を離れます。どうするのかとモニカが聞き、ロスが番組を録画すればいいと答えると、モニカは Not that. This. Us. と、話の対象を自分たち二人に切り替えます。
Monica: I just can’t stand you being here all the time.
(いつもここにいられるのが、どうしても我慢できないの。)
Ross: Why? Why can’t you stand me being here? You know, we’re just having fun.
(なんで? なんで俺がここにいるのが我慢できないんだよ? ほら、ただ楽しくやってるだけだろ。)
Monica: Fun? You think this is fun?
(楽しい? これが楽しいと思ってるの?)
Ross: I thought we were just fooling around like when we were kids.
(子どものころみたいに、ただふざけ合ってるだけだと思ってたよ。)
Friends Season2 Episode17(The One Where Eddie Moves In)
can’t stand ~ は「〜に耐えられない・我慢できない」という意味です。ここでは can’t stand you being here と、「あなたがここにいること」という状況を後ろに置いています。I can’t stand him. のように人に向けても使えますが、ここでは相手の行動や今の状態に向けています。
all the time は「しょっちゅう」と頻度を強める語で、不満の中身をはっきりさせています。ロスの fool around は「ふざけ合う」の意味で使われています。我慢の限界を伝えるなら、I can’t take it anymore.(もう耐えられない)のような形も使えます。
「hate」で子どものころの気持ちを打ち明ける
ロスの「子どものころみたいに」という一言を受けて、モニカは過去の気持ちを口にします。
Monica: Ross, I hated you when we were kids.
(ロス、子どものころ、私はあなたが嫌いだったの。)
Ross: You hated me when we were kids?
(子どものころ、俺のことが嫌いだったって?)
Monica: Yes. I hated you. I loved you in a you’re- my-brother-so-I-have-to way but, yeah, I hated your guts.
(ええ。嫌いだった。「きょうだいだから愛さなきゃ」っていう意味では愛してたけど、でも、そう、心底嫌いだったの。)
Friends Season2 Episode17(The One Where Eddie Moves In)
hate は「嫌う・憎む」と、相手そのものに向ける気持ちをはっきり言う語です。hate one’s guts は「心底嫌う」と、その気持ちをさらに強めた言い方になります。can’t stand が「今のこの状況が耐えられない」に向きやすいのに対し、hate は人や物そのものへの感情を言うときに使われることが多い、という違いが二人のやりとりからも見て取れます。
in a ~ way は「〜という意味で」という形で、ここでは you’re-my-brother-so-I-have-to をハイフンでつなぎ、その場で一つの形容詞のように使っています。ロスに理由を聞かれ、モニカはこう続けます。
Ross: Why did you hate me?
(なんで俺のことが嫌いだったんだよ?)
Monica: Because you were mean to me and you, you teased me
(だって、あなたは意地悪だったし、私をからかったし)
Monica: And you always, always got your way.
(それにいつも、いつも自分の思いどおりにしてたじゃない。)
Ross: And that wasn’t fun for you?
(で、それは楽しくなかったのか?)
Friends Season2 Episode17(The One Where Eddie Moves In)
mean はここでは「意地悪な」という意味の形容詞で、「意味する」の mean とは別の用法です。tease は「からかう」、get one’s way は「自分の思いどおりにする」という意味です。always を二度重ねることで、それが何度もあったことを強く言っています。ロスの And that wasn’t fun for you? は、とぼけた問い返しです。
「not just ‘cause I have to」で今の気持ちを言い直す
ロスが信じられないと言うと、モニカは今の気持ちを伝えます。
Ross: I can’t believe you hated me.
(俺のことが嫌いだったなんて、信じられないよ。)
Monica: But now I love you.
(でも今は大好きよ。)
Monica: And not just ‘cause I have to.
(それも、そうしなきゃいけないからってだけじゃなくて。)
Ross: Really?
(本当に?)
Friends Season2 Episode17(The One Where Eddie Moves In)
I can’t believe ~. は「〜だなんて信じられない」と驚きを伝える一言です。後ろに you hated me のような文をそのまま続けられるので、驚いた中身を具体的に言えます。
モニカの not just ‘cause I have to は「そうしなきゃいけないからというだけではない」という意味で、少し前の you’re-my-brother-so-I-have-to と対になっています。義務としての気持ちと本心からの気持ちを、have to の有無で言い分けている点が分かります。ロスの Really? は「本当に?」と、相手の言葉を確かめる短い返しです。
このあと、二人は見たい番組をお互いに譲り合います。can’t stand で今の不満を言い、hate で過去の気持ちを打ち明け、not just ‘cause I have to で今の気持ちを添える流れが、一つの会話の中に並んでいます。
まとめ|can’t stand と hate の言い分け
can’t stand ~ で今の状況への不満を、hate と hate one’s guts で過去の気持ちを、not just ‘cause I have to で今の本心を伝える流れを見てきました。言葉の向きを意識すると、二つの使い分けがつかみやすくなります。
本音を言い合ったきょうだいのやりとりを観ながら、『フレンズ』の英語をこれからも味わっていきましょう。
この回のフレーズ記事やほかのコラムでは、別の場面の英語も取り上げています。


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